転生生活 魔法都市エディミアル 試験当日6
土曜日のうちにまとめきれなかった……(´・ω・`)
第二試験のあとの休憩も終わりいよいよ第三試験となったところで何やら廊下が騒がしくなった。
「何の騒ぎだ?」
真っ先に反応したのはドラフだ。
好奇心旺盛な男子生徒が主軸となり廊下を覗く。
そのほかの生徒は何が起きたのかをひそひそ声で囁きあう。
真っ先に反応したドラフはもちろん廊下を覗きに行った。
僕はミーミアと話す。
「何だろうか?」
「この前あった闇クラス襲撃事件の再来とか?」
「そうじゃないことを祈るよ」
また、変なことに巻き込まれなかったらいいんだけど。
魔法都市に戻ってくるまでの道中で言われた言葉が頭をよぎるので嫌な予感しかしない。
「こら、第三試験はまだだぞ!
廊下に出てないで教室に戻りなさい!
入口に立ってても邪魔だから中に入りなさい!」
あまり聞かない教師の声が聞こえてきた。
聞きなれない声の教師だろう教室に顔を覗かせると教室内を見渡しながら尋ねる。
「君たちは光の妖精クラスだね?」
僕たち生徒は教師の言葉にまばらに頷く。
「ならアメリア先生が戻るまで教室で待機だ」
そう言って聞きなれない声の教師は立ち去った。
「あの先生は誰だったんだろう」
「キアラクア先生だな。
水クラスの担当教師で、確か竜クラスに属してたはずだ」
竜クラスの水魔法士、いや魔導士か。
「けど、どうしたんだろう?」
ミーミアの疑問にドラフが冗談めかして言う。
「今日は試験は終了とかだったらいいんだけどな」
「あはは、まさか、最後の試験は実戦形式だしそんなのんびりしたことはしないでしょ」
「そりゃそうだな」
しかし、ドラフの予測とも言い難い予測は正鵠を得ていた。
それが分かったのはしばらくして、アメリア先生が教室現れた時だった。
アメリア先生は教室に現れた時から酷く面倒臭そうな顔をしていた。
そして、これからどうすべきかを生徒たち伝え始める。
その内容は大まかには、試験で使うはずだった訓練場が荒らされて使い物にならない事、そして代わりとなる場所がないことだった。
その修復のために時間がかかるそうだ。
「さて、お前たちには悪いが一旦帰ってもらう」
その言葉に教室の生徒たちは騒ぎだす。
しかし、すぐに静寂を取り戻すなぜならまばゆい光が教室を包んだからだ。
「正直、普及の目途は立っていない。
訓練場以外での試験になるかもしれないから気をつけな!
以上、解散!」
そう言ってアメリア先生は、教室を出て行った。
「ちょっと気が立ってたよな?」
「ああ、光の矢が飛んでこないか心配だったよ」
「は? 光の矢ってさすがにそこまではしないだろう?」
「物の例えだよ」
まあ、ドラフの言う通り言いすぎたような気がしなくもないけど。
正直、あのフラッシュも無詠唱で使われた魔法であったことを忘れてはいけない。
多分、矢も無詠唱で形作ることができたりしそうに思えた。
詠唱短縮と無詠唱は僕は習得していない。
魔法士として活動する以上は、威力を下げるような詠唱技術は必要ないと言われたのを思い出す。
無詠唱と言っても詠唱行程に似たものは頭の中で構築されているらしいので、全く何の準備もなしに発動しているわけではないらしい。
もっとも、それと同じことを紋章術でできるので、マリコさんやスフィリアさんは、無詠唱や呪文短縮は慌てて覚える必要はないと言われたぐらいだ。
僕は、思い浮かんだ疑問を口にする。
「けど、明日に第三試験をするなら第一試験の意味がなくなるんじゃないか?」
「それもそうだな。
むしろ、それを狙ってこんなことを起こしたかもな」
ドラフの言葉に納得する。
確かに、不正を働くならばこういうやり方をすることもできるだろう。
「それはないと思うわ」
しかし、それをミーミアは否定する。
「何でだ?
このタイミングでこんなことをするなんてそれこそそういうことを狙っているとしか思えないんだが?」
ドラフは、自分が言ったことを否定されたからかやや食い気味に質問する。
「だって、試験を受けている者の中で外の訓練場を荒らせる人なんていないし、そんなことができるんだったらむしろ試験を先延ばしにする方が面倒くさいものでしょ?
もし、他の人の手を借りるにしても少なくとも学内の人間じゃないといけないわ。
それも精霊クラス以上の人よ。
精霊クラス以上の人が、わざわざ妖精クラスの試験の邪魔をする必要があるかしら?」
「……それもそうか。
だが、誰がこんなことを起こしたのか結局分からないのか?」
「それを調べるのは先生の仕事でしょう?」
「そうだな。
その通りだ」
今回の騒動が、僕に関係してないことを切に祈る。
特に闇クラスのエリイに被害が出たならその犯人を僕は絶対に許さない。
……まあ、今やエリイの方が上のクラスだし僕が何をできるかわかったもんじゃないけどね。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
本当に拙作過ぎて辛い。