転生生活 魔法都市エディミアル 試験当日3
っく、翌日投稿になってしまった。
遅れてしまい申し訳ありません。
訓練場には、他のクラスの人たちも来ていた。
「ちょっと緊張するな」
「今から緊張してたら持たないよ」
「第一試験で落ちるって聞いたことがないからな」
「魔力を測るだけだからね~」
それぞれのクラスが列を作ってオーブに手をかざしてオーブが光るとそれを近くで見ていた大人が記録をつけていく
前世の身体測定を思い出すなぁ。
他にもいくつか魔力を測るであろう機材が用意されているのを見てそう思った。
僕たちもオーブの前に並んでいよいよ僕の番が回ってきた。
「このオーブに手を当てて魔力を流し込むのよ」
「はい」
白衣の女性にそう言われて手を当てオーブに魔力を流し込む。
するとオーブから強烈な光があふれだしあたりを包み込む。
そしてビシッという不吉な音がしたかと思うと光が収まって行った。
「なるほど、これほどとはね」
白衣の女性はにやりと口元を歪ませる。
「君はやはり別枠で測らせてもらった方がよさそうね」
その顔を見て思わず後ずさりする。
獲物を見つけたようなそんな印象を受けたのだ。
「とはいえ、すぐには無理ね少し待っててね」
そう言われて僕は白衣の女性の後ろに案内される。
特別扱いされるのは魔力量から仕方がないとしてこの他の生徒を見守るような立ち位置は何とかならないものか。
「おや、その子はどうしましたか?」
そう尋ねてきたのは白衣の老人だった。
「さっきの光の子です」
「なるほど、では、儂が連れて行こうか」
「先生はここで私の代わりに見といて欲しいのですが?」
「それは君の役目だろう?」
「先生がした方が確実でしょう?」
「ははは、ならなおのこと君がここで続けて儂が見た方がいいだろう?」
「っく」
どうやら話はまとまったようだ。
「では、フレアくん?だったか」
「はい」
「ついてきなさい」
そう言われて白衣の老人の後をついていった。
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「さて、ここだ」
白衣の老人に言われて着いたのは、何やら物騒な機械らしき物がたくさんある部屋だった。
「ここは?」
何やら不安が募るが、まさかね。
「今回は噂の光の魔法士が試験を受けるということで特別に借りた部屋じゃよ」
そういう彼の瞳は明らかに研究者のそれだった。
ゾクリと背筋が寒くなるが、その瞳はすぐに引っ込み好好爺然とした瞳に戻った。
「そう身構えなくとも良い。
ここでやることは訓練場でやることとそう大きくは変わらん」
「精密さと容量は違うけれどな」
白衣の老人の言葉を遮ったのは、黒衣のローブを纏ったフェイムだった。
「あれ?
何でフェイムがここに?」
「妖精クラスを担当している中で空いているのは俺だけだからだ」
「要するに暇ってこと?」
「ははは、潰すぞ?」
「ひっ!?」
フェイムから放たれる威圧感に白衣の老人が、情けない声をあげて腰をぬかしたが、仕方が無いだろう。
二つ名を持つ彼の威圧感は、重さを感じる程のもので間違いなく本物だ。
だけど、僕には殆ど効かない。
前はエリイが居たから自分の気迫が勝っていたと思っていたのだけど今回も大して影響が無い事に少し違和感があった。
「やはり効かないか。
じいさんが言ってた仮説が正しいのかもしれん」
「そのじいさんってそこでがたがた震えてる?」
「ああって、じいさん大丈夫か?」
自分でやっといて何を言ってるんだか。
フェイムが威圧感を解いたからか白衣の老人は、震えるのが治まっていく。
「ふう、全くいきなり何をするんじゃ!」
「何って前から気になってたんだろう?
フレアに俺の威圧が効かなかったこと」
「急にする奴があるか
ばかもんが」
「いずれやったんだしいいじゃねえか」
「物事には準備が必要じゃ。
特に実験を行うときはどんなささいな実験でもじゃ」
「実験って言うほどの事じゃないだろ?」
「何時になったら検査を始めるんですか?」
何やら問答をはじめた二人に僕は痺れを切らして尋ねた。
「おお、そうじゃったそうじゃった。
待たせてスマンかったの。
準備をするから少し間って居ておくれ」
白衣の老人の老人は、部屋に設置されている機械らしき物に魔力を込めはじめた。
どうやら少し待つ必要があるようだ。
なのでフェイムに話し掛ける。
「所でフェイムは、何しに来たの?」
「監視みたいなものだ」
「もしかして、あの機械が何をする機械か知ってる?」
「……魔力を計る機械だ」
「そう」
何か引っ掛かるけど、気にしても仕方が無いだろう。
前世でよくSFとかでみる冷凍カプセルのようなものが開く。
「さて、準備は完了じゃ」
……だから何なのだろうか。
とか思って見たところで自分がやることは何となく想像はついている。
できれば、想像通りでない方が心配せずにすんだのだろうけど
「入って寝転ぶのじゃ」
そう言われては、仕方が無い。
僕は冷凍カプセルもどきに寝転ぶ。
「すぐに終わるからのう」
「うっひゃあ」
そう言われた直後体中を何かが走り抜けるような感覚が襲ってきた。
といっても一瞬だったので、少しこそばゆい程度で済んだ。
てっきりカプセルが閉まってから何か起きると思っていたので油断していた。
その加減で思わず変な声が出てしまった。
「終了じゃ」
どうやら今の一瞬で検査は終わったらしい。
「なるほどなるほど、過去最高記録じゃな」
白衣の老人は、冷凍カプセルもどきの横に着いている画面を見てはしきりに頷いている。
「あの?」
「これにて第一試験は終わりじゃ。
第二試験は教室で行うゆえ戻って準備をしなさい」
「ほら、さっさと行くぞ。
のんびりしてたら準備する時間がなくなる」
二人に言われて思わず頷くが、疑問が浮かぶ。
「第二試験に準備って必要?」
そういう僕にフェイムは、驚いた顔を白衣の老人は、感心したような顔する。
「ふぉっふぉっふぉ、どうやら相当自信があるようじゃな」
「準備を急がなくて良いのか?」
フェイムから言われると何となく不安になって来る。
ので尋ねる。
「第二試験って、筆記試験だよね?」
「その通りじゃ」
「ああ」
なら直の事、準備の時間がそれほど多くは必要ではなさそうだけど。
「準備って言ってもペンとかでしょ?」
「そうだな。
だが、大抵の生徒は最後の復習をするからな」
詰め込みだろうか?
こんなギリギリのタイミングでやっても効果が薄いのに、覚えきれてないものはすっぱり諦めるしかない。
正直な所、不安があるので最後の復習をしたくなる気持ちは解らなくはない。
しかし、僕はそれをすると頭の中がゴチャゴチャになって寧ろ集中できなくなるからやらないことにしている。
「ギリギリに教室に戻るよりは良いじゃろ?」
「それはそうですね」
「なら、送っていこう」
教室の場所なら分かってるんだけど、まあ、いいか。
「はい」
「ふぉっふぉっふぉ、試験頑張るのじゃ」
「はい」
そうして僕は謎の検査カプセルがあった部屋を後にした。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
石の上にも三年とは言えいつの間にか石の上から転げ落ちていたなんてこともあるはず。
もしそうなったとしても何とかよじ登ってまだ石の上にいるとか自分に言い訳しながら続けようとおもいます。
ドサッ
ゲフッ