転生生活 魔法都市エディミアル 試験当日2
試験がいよいよ始まるといった今この時、光の妖精クラスは、緊張感に包まれていた。
「よお、フレア。
心の準備はバッチリか?」
教室に入り席についた僕に話しかけてきたのはドラフだ。
赤色寄りの茶髪に鋭い目つきの彼を見てほっと息を漏らす。
「おいおい、人の顔を見て溜息をつくなよ傷つくだろ」
「ごめんごめん、知ってる顔を見て安心したんだよ」
「ならいいけどよぉ」
「フレアも緊張しているんだね~」
「そりゃあ、僕も人の子だからね」
おっとりと話す金髪の少年、クリアを視界に捉えた。
タレ目の彼を見るととても緊張しているようには見えない。
「もって、クリアって緊張してるの?」
「酷いよ、僕だって緊張するときぐらいするよ~」
彼は緊張しているというがそうは見えないいつも通りのおっとり加減だ。
「フレア、分かるぜその気持ち」
表情に出てたのか僕の心情を汲み取って頷きながらドラフが言う。
「けど、フレアだったら間違いなく合格するんじゃない?」
そう気楽そうに言ったのは銀髪の少女、ミーミアだった。
「そうかな? 第一試験はまだしも第二試験と第三試験は不安なんだけど」
第一試験は試験と言うより検査と言った方が妥当な内容だしね。
第一試験で落ちることは滅多にないだろう。
何のために試験の一つになっているのか不思議なくらいだ。
「そうだろうな。むしろ第二試験からが本当の試験だしな」
「けど何で第一試験って試験に入ってるんだろう?」
「あ、それ僕も気になっていたところなんだ。
わざわざ、試験意思無くても事前検査とかにすればいいのに」
「それは、試験にしないとすっ飛ばす輩がいるからだ」
「なるほど」
そんなことをしそうな奴を頭に思い浮かべてドラフが言ったことに納得する。
「検査を受けないって何かやましいことでもあったのかな?」
「ああ、なんでも本人でないことを隠すために事前検査を受けなかったらしい」
「成り代わって試験を受けようとしてたってこと?」
「そういうことだろうな」
「そこまでして昇級したとしても能力的に追いつかない部分が出てきそうなものだけど」
「名誉ってもんがあるだろう?
妖精クラスで卒業するより精霊クラスで卒業したほうが箔がつく」
「でも、よくなり代わりがわかったね」
「成り代わった奴が好成績を出しすぎたというオチだ」
「ははは、なんとも間抜けなオチだね」
「そうだな、ただこの好成績を残した人物はこの学校に残っているていう噂もあるが、これはどうだろうな?」
ドラフのその言葉を最後に扉の音が教室に響いた。
「さて、昇級試験を始めるわよ」
そう言って入ってきたのはアメリア先生だ。
「お前たち準備は出来てるね。
それじゃあ、移動するとしようか」
アメリア先生はそう言うと教室から出て行った。
「どこに行くんだっけ~?」
クリアの問いにドラフとミーミアが呆れた表情を見せた。
「昨日、訓練場って言ってたのもう忘れたのか?」
「忘れたと言うより聞いてないわよね?」
「覚えてないよ~」
「「はあ」」
よくこの学校に入れたなと思う程度にはいろいろ抜けているな相変わらず。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
一週間あけてしまい申し訳ないです。
MHWが楽しいのがいけないんです。