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転生生活 魔法都市エディミアル 食事

 食堂に付くとイブは手を放してくれた。


「今日のメインは、ちょっと贅沢にホワイトフィッシュのムニエルだよ」


 そう言われても、なんと返したらいいのか一瞬だけ迷い。


「それは楽しみだ」


 と答えた。

 イブは、納得したように頷いた。


「じゃあ、ペンドラゴン伯爵の話を聞かせて」


 料理を待っている間に僕から話せることと言えばそれくらいだけど、どうせならイブの近況も聞きたかった。


「いいのかフレア、浮気なんかして」

「う、浮気じゃありません」


 なんて人聞きの悪いことを言うんだ。

 僕は、そう思いながら遅れてきたクーデルさんを睨む。


「冗談だよ。

 珍しく困っているようだからからかってみたくなったんだ」


 嫌味なことを言っても嫌味に聞こえないのがクーデルさんの凄いところだ。

 少しドジ属性入ってるからかな。

 男にドジ属性は、需要が多いとは思えないだけど。


「よかったらクーデルさんもペンドラゴン伯爵についてお話しいただけませんか?」


 イブのいつになく丁寧な言い方にないし少し驚く。


「ああ、いいぜ。

 しかし、なんでまた師匠に興味を持ったんだ?」

「世にも珍しい流体ゴーレムの開発者ですから」

「あー、そんなのもあったな。

 けどあれって失敗作とか師匠は言ってたと思うんだが」

「水を自立して歩かせることができるということがすごいのです。

 それ以上に私との相性もいいですし」

「どういうことだ?」

「私、氷魔法を使えますから」

「へえ、なるほど。

 確かに氷魔法が使えるなら使い道も出てくるか?」

「しかし、ペンドラゴン伯爵は色々な称号をお持ちですのでてっきり氷魔法も使えるものと思いましたけど」

「まあ、師匠はどちらかと言うと土魔法が主軸だからな。

 一応、氷魔法を使えるやつは身内にいるっちゃいるんだが、ゴーレムには一切関わろうとしないからな」


 そう言って、クーデルさんは頭を掻く。


「そうなんですか。

 フレアは、どういった魔法を学んできたの?」

「詠唱術と魔法制御、そして紋章術だよ」

「紋章術って巨人クラスで研究してる?」

「そうだよ。

 ……そういえば紋章術って機密扱いじゃなかったっけ?」

「え? 別にそうでもないよ?」


 僕は、クーデルさんの方を見る。


「少なくとも俺が在籍していた時は機密だったんだけど」

「まあ、クーデルさんが言うことだしね」

「不当な評価だと言いたいが、否定できないのが悔しい」


 そこまで重要な情報じゃないからいいかな?


「紋章術を使えるってことはもしかしてフレアって魔導士なの?」

「あー、そういうことになるのかな?」

「そうだろうな。

 とはいえ、普通の魔導士とは違うがな」

「どういうこと?」

「フレアが使ってる紋章術は妹弟子の一人が開発した立体型魔方陣だからな」

「立体型魔方陣?」

「ああ、細かいことは、フレアに聞いてくれ」


 そう言ってクーデルさんは、こちらに視線を送ってきた。


「そうだね。

 僕が使ってるものだし説明できないとドヤされるからね」


 スフィリアさんに


「その前にその立体型魔方陣を開発した人って何て名前なの?」

「スフィリア(さん)だ(よ)」

「スフィリアさん」


 何度も口の中で繰り返すイブ。

 しっかり覚えたのかこちらを向いて続きを催促してくる。


「通常の魔方陣はあらかじめ用意しとかないといけないのは知っているだろう?」

「そうなの?」

「知らないのか?」

「うん、まだ習ってないし」

「思ったより教えてくれないんだね魔法学校」

「魔方陣に関してはかなり難しいからな。

 あっさり習得したお前が異常なのは忘れるなよ」

「そうでしたか」


 指数関数とかと似たような感じだったから覚ええるのはそれほど難しくはなかったかな?


「四則演算はともかく派生演算全て覚えたのは、正直理解できねえ」


 クーデルさんは僕を信じられないとか言った風に見てきます。

 フラッシュで目くらましをしてやろうか。

 やらないけど。

 因みに派生演算とは累乗や累乗根、数列など普通の四則演算以外の計算方法だ。

 前世では大学まで行ってそこからさらに数学を修めていたので簡単だった。


「お待たせいたしました」


 そう言って、入って来たのはワゴンを引き連れたフォーミュさんだ。

 相変わらず不思議な動きをしているけどもしかしたら魔方陣でも仕込まれているのかもしれない。


「それでは」


 そう言ってフォーミュさんは拍手を二回鳴らす。

 するとワゴンに乗っていた皿たちが宙へ飛んでいきみんなの前に降りてくる。

 この皿たちだけは分からない。

 ワゴンならまだ魔方陣が隠されている可能性が大いにあるけど、皿には魔方陣らしきものは見当たらない。

 きれいな模様が施されているけど、これを魔方陣と言うには無理があるだろう。

 万が一そうだとするなら、どういう構成をしているのか理解できない。


 テーブルの上に並べられた皿の上には魚の切り身が乗っていた。

 その他にスープとパン、そして果物が入った皿もある。


「いただきまーす」

「いただきます」

「いただきますてここでも言うんだな。

 いただきます」


 エリイの元気な食前の挨拶に続いて僕、クーデルさんが続いて言う。


「そう言えばマリコさんのところもいただきますって言ってたよね?」

「師匠に言うようにって言われたんだよ。

 俺は抵抗なかったけどスフィリアは困惑してライラは渋ってたな」


 ライラさんは宗教的な理由でこだわって、なんだろうな。

 スフィリアさんの反応は食事前に挨拶する習慣がないのかそれとも自分がしてきたやり方との違いに困惑したと言ったとこだろうか。


 僕は、パンを手に取りスープに浸して食べる。

 村でよく食べていた黒パンより美味しいのは先刻承知なのだけど、宿で出て来る料理より断然美味しく感じるのはどうしてだろうか?


「そう言えばエリイが昇級したのは知ってた?」

「うん」

「そうかぁ、このままではフレアにも次の試験で追いつかれそうだな、うむむむむ~」


 腕を組んで唸リ始めるイブ。


「そう言えば精霊クラスから巨人クラスに昇級するのに必要な試験って何時するんだ?」

「今年はもう終わったから来年だよ。

 けど、エリイもフレアも巨人クラスになれる研究を持ってるしなぁ。

 すぐに追いつかれそうだ」

「研究って、僕、研究なんてしたこと無いんだけど?」

「研究って言っても巨人クラスに昇級するためにすることは自分の使う魔法を論文にまとめるだけなんだけどね」

「論文か」


 あれって結構手間取ったよな。

 コピペをやるやつが続発したけど、この世界ではそんなことするのは無理だな。


「フレアなら魔法学校にいた時からオリジナルの呪文を使っていたじゃない」

「何のこと?」

「ほら『無数の』とかいうワード、制御は完全じゃなかったけど限定的とはいえ魔法の効果を変えるような呪文はすごいと思うんだ。

 あれを論文にできればいいと思うよ?」

「あ~、あれは、他の魔法士が使っているのを真似た呪文だから勝手に論文にするわけにはいかないんだ」

「フレア、論文は早い者勝ちだよ?」

「そうなのか。

 でも恩人の呪文を勝手に論文にするのは抵抗があるよ」

「なるほど、それなら仕方がないよね」


 しかし、そうなると立体型魔方陣もスフィリアさんが開発したものだし完全詠唱もマリコさんから教わったものだ。

 流石にただの詠唱を論文にするわけにはいかないし。

 いや、そもそも論文を書くのはまだ先だ。


「まあ、論文の題材は考えておくよ」

「わかった」


 クーデルさんのため息を聞いてそちらに視線を向ける。


「どうしたんですか? クーデルさん」

「いや、ちょっと嫌なことを思い出してな」

「そうですか」


 そう言って僕は食事を再開する。


「え? 無反応?」

「だって、苦労話でしょ?

 人の苦労話ほど聞いていて面白くないものはないよ」

「そ、そうか」


 がっくりとして食事を続けるクーデルさん。

 その後、特に盛り上がる話題もなく食事も終わりそれぞれの部屋へ向かう。


「エリイは、どれくらい魔法が使えるようになってるだろう」


 そんなことを考えたりしつつ僕はベッドに潜り込んだ。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

テンポとかそんなこと考えれるほど構成力が存在しません。

ママぁ、構成力ってどこから来るの?

コウノトリが運んできてくれるの?

コウノトリ才能置いて行ってくれなかったんだけど、どうすればいいの

うぼぁ

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