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転生生活 魔法都市への道 デジャブ?

 食事も終わり出発の支度を整えチェックアウトをした。

 そして僕とクーデルさんは、馬車の中でアルヴァンスさんを待っている。

 アルヴァンスさんは、食材を調達しに行ったようだ。


「クーデルさん魔石の方はもういいんですか?」


 と言うのも昨日は、魔石を確保するのにかなり時間をかけてしまい集めようとした数より少なかったのだ。


「必要最低限は集まったし大丈夫だ。

 何より魔石自体は手に入れようと思えば簡単に手に入る品物だしな」


 そう言いながらフリードのメンテナンスを行うクーデルさん。


「よし、お前ら荷物は載せ終えたから出発するぞ」


 アルヴァンスさんが、どすんと馬車に袋を乗せた後御者台に乗る。


「丁度メンテも終わったところです。

 いつでも出発していいです」


 クーデルさんは、カシャンという小気味のいい音を出したフリードを鞘に納めた。


「僕も問題ないです」

「なら出発だ」


 アルヴァンスさんはそう言って馬を走らせ始めた。



----------



 しばらく整備された道を走っていると何やら前方の方で喧騒が起きていることに気が付く。


「なんだあいつら」


 馬車から見える限りでは盗賊らしき人たちが馬車を襲っているが、一人の男性がその全てを捌いているよう見える。


「大変です。 援護しましょう」

「どっちを?」

「え? そりゃ襲われてる方でしょ」

「どっちが襲われてるように見える?」


 アルヴァンスさんの問いかけに僕は首を傾げる。


「どう見てもひとりの男性と馬車が襲われているようにしか見えないんですけど」

「ああ、俺もそう見えるんだが、襲われている方が一方的に襲っているやつを倒して行っているように見えるのは気のせいか?」


 そう言われてみれば、確かに馬車を起点に囲まれているというのに馬車に近づこうとした人から切られている。

 一斉にかかればいいのになぜか一人ずつ襲い掛かっているようだ。


「なあ、どこかで見た光景だと思わないか?」


 クーデルさんの言葉に首肯する。


「あの二人が襲われているみたいですね」


 あの二人が同道しているならばと言う前提条件が付くけどまあ、間違いないだろう。


「おーい、道を開けてくれ!」

「そんな気軽に言うような状態ではないと思うんだけど」


 現状にそぐわない訴えに内心驚く。


「とは言ってもあの青年を味方するか聞いてもそんな余裕はないだろうから盗賊らしき人たちにどいてもらうしかないだろ?」

「それもそうですが」


 アルヴァンスさんの声に反応した数人の盗賊がこちらに向かってくる。


「なあ、フレア、デジャブって知ってるか?」

「ええ、知ってます。

 僕も今それを感じています」


 そう言ってクーデルさんと僕は馬車から飛び降りる。


「適当に蹴散らしてくれ」

『風と共に征け』


 アルヴァンスさんが詠唱すると体が軽くなったように感じた。


「これは」

「風属性の付与魔法エンチャントか」

「まあ、必要ないと思うが一応な」


 向かって来た盗賊たちは敵意むき出しなので迎撃するために僕も詠唱する。


『雷の矢よ敵を撃ち抜け』


 放った雷の矢は風を纏いながら飛んでいく。


「へ?」


 驚いたのは放った僕自身だ。

 放った雷の矢は向かって来た盗賊たちを一掃してしまった。


「驚いただろ? それが付与魔法エンチャントの真骨頂だ。

 相性はあるが風と雷の相性は抜群だからかなり強くなっただろ?」


 悪戯が成功したように笑うアルヴァンスさん。


「とんでもない威力ですね。

 いや、そうでもない?」


 しかし、よく見れば向かって来た盗賊たちのダメージは思ったより少ないようで生きている。


「風属性を足したことで広域にダメージを通せるようになった分、威力が弱まっている。

 とはいえ問題ないだろう」

「じゃあ俺が、援護してくる」


 クーデルさんが飛び出して行った。

 迎え撃とうとする盗賊たちを吹き飛ばしながら


「すごいですね付与魔法エンチャント

「お前は使えないのか?}

「ええ」

「魔法学校で教えてるはずなんだけどな」

「僕、妖精クラスですから」

「あー、そう言えばそうだったな。

 巨人クラスの実力だからつい忘れてしまう。

 しかし、マリコ伯爵のところで学ばなかったのか?」

「いえ、何となく教える必要はないと思われたんでしょう。

 魔方陣を展開すれば似たようなことができますし」

「ああ、紋章術か。

 あれは、めんどくさいんだよな」


 うんざりした様子でアルヴァンスさんは目を細めた。


 しばらくこちらに流れてくる盗賊を仕留めつつ盗賊が最初の半数を切ったところで逃げる盗賊が出始め更に数が減ったところで決着がついた。

 生きている盗賊はみんな逃げてしまったようだ。

 残っているのは盗賊の死体だけだった。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

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