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転生生活7

フォーミュさんの館に到着

 魔法都市は思ったより大きくフォーミュさんの館に着く頃にはお昼時を過ぎていた。

 館の前に馬車を止めると一人の老執事が現れた。


「ようこそ、お待ちしておりました。 はじめましてフレア君」


 老執事はまるで僕のことを知っているようでした。


「会ったことがありましたっけ?」

「ははっ、そう思うのも無理は無いですね。 私は君が生まれてすぐに一回だけしか会っていませんから」


 終始にこやかに直立不動の姿勢を保っている老執事は、燕尾服を身にまとっていて、それがよく似合うような高身長だった。


「どうも、フォーミュさん」


 オブライエンさんが言った言葉に僕は驚いた。


「ふっふっふ、こうして執事の服装をして人を驚かせるのが趣味ですから気にしないでください」


 そう老執事、もといフォーミュさんは言います。


「は、はじめましてフォーミュラさん」

「フレア君、フォーミュさんだよ」

「あ、す、すいませんフォーミュさん」

「いいえ気にせずに、稀に言われることですから」


 オブライエンさんが訂正してくれてフォーミュさんはあっさり許してくれました。

 しかし、この執事っぽい老人がフォーミュさんだとは、僕が知っているどの魔法士像とも全く違う。

 冒険者の魔法士はなんやかんや言っても後方の支援、あるいは大砲役だが、フォーミュさんは、前衛もこなせそうな体格をしている。

 まあ、僕が知っている魔法士はほとんど冒険者なわけで、一般に街に住んでいる魔法士がどんな姿をしているかなど知らないのだが、フォーミュさんは、とても屋敷の主には見えない。


「どうも護衛の皆さんご苦労さまです」

「はい、それでは我々は、ギルドの方へ報告してきます」

「では、こちらを」


 そう言ってフォーミュさんは一本の羊皮紙をオブライエンさんに渡します。


「『姫巫女プリーストプリンセス』によろしくお願いしますね」

「あ、ああ」


 オブライエンさんは不自然な笑いを浮かべた後


「じゃあな、フレア君」


 と言って馬車に乗ります。

 続いてグレイさん


「またな」


 ブライトさん


「ばいばい」


 メイさん


「じゃあね~」


 と馬車に乗り込んでいきました。


「ふむ、君は、エリイだったね。 君は来ないと聞いていたんだが?」


 フォーミュさんは一人残ったエリイを見て首を傾げます。


「こっそり付いてきてました」


 フォーミュさんは、少し眼を開き


「ほう、あの馬車にこっそりと、ふむふむなるほど、君も一緒に泊まるかい?」


 不快な表情をせずにエリイに聞く。


「はい!」


 不安そうな顔をしていたエリイは、安堵した表情で答えた。






 フォーミュさん館は自分が暮らしていた民家とは比べ物にならないほどの館だった。

 館までの中庭がすでに村の半分くらいの大きさがあり、大きな館の扉を開くといきなり大階段があり二階へ続いていた。

 二階を見上げ用途するととても大きいシャンデリアが二階の天井に吊るさてれいる。


「二階に個室を用意していますが、ひとまずディナーにしましょうか」


 そう言ってフォーミュさんは階段の下の扉に向かっていきます。

 それについていき階段の下の扉に入ると中は食堂のような場所になっていた。

 具体的には部屋の中は左右に広い空間になっていて、左右の奥には扉がある。

 部屋の真ん中には大き机が置いてあり、向こう側の席に座るには回りこまないと行けない感じになっている。

 机の上には赤いテーブルクロスが掛けられていて。

 天井にはシャンデリアが吊るされていて玄関に吊るされたものよりは小さいですがそれが3つほどありました。


「これからここで食事を取るわけだが、何か欲しい食べ物はあるかい?」

「はいっはいっ! オムライスを食べてみたいです」

「僕もそれで」

「ふむふむ、なるほど」


 そう言ってフォーミュさんは指を鳴らします。

 すると右奥に有る扉が開き中から蓋を載せた皿が飛んできました。

 どうも、想像した魔法とぜんぜん違う魔法を目の当たりにして口がふさがらなかった。


「あれ? 用意してたんですか?」

「オムライスじゃないの?」

「いいえ、大当たりですよ」


 そう言って皿は目の前に置かれたように机の上に乗ります。

 フォーミュラさんは蓋をとると中から前世でも記憶に無い上等なオムライスが入っていました。


「ええ! なんで分かったの?」

「フフッ、私はこれでも高名な魔術師でね」


 エリイがすっかり懐柔されている。

 このおじいさんなかなかやるな。


「こんなことだって出来ます」


 そう言うと手の中に小さい花をポンッと出します。 手品かよ。


「わあ! 魔法士ってすごいのね!」

「魔術師です」

「魔術師って?」

「王族に仕える魔法士は宮廷魔術師という称号が与えられます。 一度付いた魔術師の称号は一生ものなんですよ」

「王族に仕えてたの?」

「ええ、魔法士の中でも魔法に造詣が深い者が取り立てられる特殊な役職です」

「フォーミュさん、なんで僕らがオムライスを食べるとわかったんですか? いや、それ以前に呪文を唱えずに魔法を使えるんですか?」

「ふふっ、その話は食事をしながらでもどうでしょうか?」


 フォーミュさんはにこやかに笑うと椅子を引いて


「どうぞ」


 とまるで本物の執事のように振る舞う。


「長い間宮廷に仕えていたものですからこういう立ち振舞が一番しっくり来るんですよ」


 見透かしたように話すフォーミュさん


「ではどうぞ」


 フォーミュさんは宙に浮いてテーブルを飛び越えて向こう側の僕らの前に降り立った。

拙作を読んでくださりありがとうございます。

至らない所だらけではありますが、評価の程よろしくお願いします。

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