転生生活 魔法都市への道 青年と少女
遅れてすみません。いつもより短めです。
異世界モノって読む分には楽しいけど書くのって難しい!
まず、魔法陣を前方に配置する。
ゴブリン共が通る瞬間を狙うためある程度距離を取って展開する。
「クーデルさん前方に魔法陣を展開しました。
すり抜けてくるゴブリンは任せます」
「分かった」
魔法陣を展開した場所にゴブリンたちが足を踏み入れる。
『雷よ満ちよ敵を焼き焦がせ』
「「「グギャアアアアアアアア」」」
複数のゴブリンが断末魔を上げる。
しかし、こちらに向かってくるゴブリンを全て対処できるわけではない。
「フッ!」
「グギャッ」
クーデルさんの一閃はたやすくゴブリンを屠る。
しかし、息が上がり始めている。
まだまだ戦えるだろうけど少し不安だ。
「はぁはぁ、ちょっと多いな」
愚痴りながらも難なくゴブリンを切っていく。
一気に仕留めることはできない僕は、定期的に魔法陣を使いこちらに向かってくるゴブリンを減らす。
そして
「グギャ」
クーデルさんが最後のゴブリンをたたき切る。
「フウ、これで全部か」
「そのようですね」
周りを見渡し魔物の生き残りがいないか確かめる。
「君たちは、何者だ?」
ゴブリンに囲まれていた剣士の青年が剣を構えながら話しかけてきた。
見た目は軽鎧を身に着けたごく普通の冒険者だが、身のこなしは洗礼されている。
目立つと言えば、漆黒の髪に珍しい刀を持っていることか。
警戒しているようだが、今の彼とその回りの状況から敵対したいと思う人はあまりいないだろう。
剣士の回りには夥しい数のゴブリンの死体が転がっているが、青年は息が上がっていないのがその強さを物語っているからだ。
「はぁ、それはこちらが聞きたいことだ。
魔物を集めて狩るという危ないことして、ダンジョン組合に目をつけられたいのか?」
クーデルさんの言葉に反応して剣士の青年は答える。
「どうしても魔石が必要だったからやったことだ。
それで目をつけられのであれば仕方がない」
「仕方がないだと?」
「ああ、しかし、お前たちは『ヒュドラ』という組織を知っているか?」
「いや、知らん」
「そこの少年は?」
僕は、首を横に振り知らないことを示す。
「そうか、まあこれ以上潜っているのは体力的にきついだろうから上がるか」
「まだいけます!」
青年がダンジョンから出ようとした時、青年に守られていた少女と言っても16歳くらいに見えるから僕よりは年上だろうからお姉ちゃんと言ったほうが正しいか。
橙色の髪を飾りのように結った美少女だ。
しかし、その顔は一分一秒を惜しむかのように険しい。
「しかし、体調を崩したら元も子もないぞ。
帰りの分の体力は考えているのか?」
「うっ」
「それじゃあ、これは迷惑料ってことで」
青年は構えを解き刀を収める。
そして腰にかけている袋から銀貨二枚を手渡してきた。
クーデルさんがそれを受け取る。
「入場料分か」
「こちらもかつかつなんでね。 失礼」
クーデルさんが銀貨を受け取ると青年は僕たちが来た方へ歩き出した。
「もう」
少女は、頬を膨らましながらも青年についていく。
「ごめんなさいね」
そう言い残して。
拙作をご覧いただきありがとうございます。