転生生活 理不尽再び
城に戻りそのままヘリオス・ハーグの先導で最初に連れてこられた部屋へと案内される。
部屋の中では、マリコさんとスフィリアさん、そしてがライラさん待っていた。
「やっと戻ってきたのね」
「ああ、しかしどうした? みんなお揃いで」
「端的に言うとねファブリオン侯爵が宣戦布告してきたわ」
マリコさんの言葉に僕は聞き間違いかと思った。
「は? 何の冗談だ?」
どうやらクーデルさんもそう思ったようだ。
「正確にに言うと送られてきたのは軍事演習の申請なのよ。
その内容は実戦形式での軍事演習、実質、宣戦布告と同義なの」
国内の領主同士が戦争を行う。
と言うと角が立つから建前としての軍事演習なのだろう。
「軍事演習の申請を蹴ることは出来ないのですか?」
僕は、気になったことをマリコさんに尋ねる。
「できるわ。
ただし、私の立場上どうしても軍事演習を受けなければならないのよ」
「どうして」
「私が伯爵になった理由が関係しているのだけど、とにかく、軍事演習は受け入れるわ」
「けど、別に負けたからって何があるわけでも」
「いいえ、もし負ければ侯爵の私兵を私の領地に配備する口実を与えてしまうわ。
そうなれば、よっぽどな事がない限りあいつらに私の領内ででかい顔をされることになるわ」
面倒臭いことになってるな。
「だから、当分の間、フレアは、外出禁止ね」
「え?」
「まあ、警備のゴーレムを演習に回すから領内の警備が薄くなってしまうの。
かと言って国境の方のゴーレムを使うわけにもいかないから仕方ないのだけど、今まで通りというわけにも行かなくなったわ」
「そんな急に危険地帯になるんですか?」
「いいえ、危険なのはあなただからよ。
まだ、確定させていないとは言え魔導書盗難の犯人として狙われているのだからね」
え~、まだ、疑い晴れてなかったのか。
「というわけで、クーデルは引き続きフレアの護衛、城はスフィリア、国境のゴーレム達はライラに任せるわ」
「「「はい!」」」
しかし、魔導書盗難の濡れ衣とかどうやって晴らせばいいんだ?
無理だろ!
「フレア、どうせならあの洞窟に再挑戦してみる?
前回は、自力で超えたわけじゃないでしょう?」
「それはそうですが」
「なら決定ね」
「へ?」
いつの間にかマリコさんの手には懐かしい本が
『転移十五ページ試練の洞窟 対象フレア』
あ、懐かしい詠唱って感心してる場合じゃ。
駄目だ全身が金縛りにあったように動けなくなった。
逃げれない。
「じゃ、今度はきっちり自分の力で攻略しなさい」
最後の言葉の後、視界が真っ白に染められた。
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さてやって来ました試練の洞窟、二回目となる今回ですが、前回は金髪の少年のおかげで楽々抜け出せたけど、今回はあんな強力な助っ人を期待はできません。
したがって、今回は攻略に難航するかと思います。
一回目で罠とかあるところは大体わかっているけれど間違いなく進むのが手間取るだろうな。
上を見上げてこの洞窟のことを思い出そうとすると魔方陣が目に入った。
そういえば前回この部屋を入念には調べてなかったな。
さいわいなことに今回は魔方陣に付いての知識はあるのであの魔方陣が何なのかはすぐにわかった。
けれど、一回目の時は、殺す気じゃなかったのか?
たしかクーデルさんですら一週間掛かったって言ってたけど、食料とかどうして手に入れてたんだろうか?
まあ、考えていても仕方がない。
おなかが減ったらこの部屋に戻ってこないといけないのが難点だけど、まあ罠にさえ気を付けていれば何とかなるかな?
拙作をご覧いただきありがとうございます。