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転生生活 冒険者相互扶助会

遅れてすみません

 ゴブリンの討伐も終わり冒険者相互扶助会に報告に戻ってきた。


「お帰りなさいませ」


 受付の前まで行くと受付嬢が挨拶してくれる。


「ただいま、早速だが報告だ」

「はい」

「まず、ゴブリン共は特にこれと言った特異性は無かった」

「はい」

「だが、ゴブリン共を率いているやつがオーガだった」

「なるほど」

「オーガは一体しか見ていないがあるいはもっと入ってきている可能性もある」

「分かりました。 そのように報告しておきます」


 クーデルさんが報告している間、受付嬢は何かを書いていた。

 おそらく報告書だろう。


「しかし、オーガ相手によく無傷で勝ちましたね」

「ああ、フレアがいなかったら結構消耗してただろうな」


 そう言って、クーデルさんは僕を持ち上げる。


「クーデルさん一人だけでも達成してたと思いますけどね」


 僕は、お返しにクーデルさんを持ち上げる。


「ところで、討伐の証拠は無いでしょうか?」


 受付嬢がそう尋ねた瞬間空気が凍る。


「黙っていたらわかりませんよ? ミスタークーデル・ドレイサー」

「う、それがだな、フレアのせいでな。

 多分確認できない」

「どういうことですか?」


 受付嬢の笑顔がこっわいこっわい。

 あとあっさりと僕を売りやがったミスタークーデル・ドレイサー。


「ゴブリン共を一網打尽にするために少し強めの魔法をミスタークーデル・ドレイサーの指示で撃ちました」

「お、おい!」

「その影響でゴブリンの巣と思われる洞窟が崩壊しました」

「分かりました。 調査員を派遣いたしますが、調査費を依頼達成料から引かせてもらいますね」


 ニコニコ笑いながら話す受付嬢に尋ねられると必然的にで得る言葉は一つだけだった。


「「はい……」」


 ああ、もしかしてクーデルさんはこれのことで顔を青くしてたのか。

 しかし、僕はオーガを確認してないし、オーガを倒したところも確認できていない。

 あるいは生きているかもしれない。

 オーガの生命力はかなり強いらしいしね。


「クーデルさん、もしかして僕の魔法の強さを侮ってました?」

「いや、その、あれだ、洞窟の脆さを計算に入れてなかった。

 城や試練の洞窟と同じ感覚で指示してしまった。

 すまない」

「ま、まあ、失敗してしまったことは仕方がないですし、次の依頼を受けましょう!」

「そ、そうだな!」


 気を取り直してと言っても冒険者相互扶助会に出される依頼は少ない。

 というのもペンドラゴン領では、ほとんどゴーレムたちが困りごとを解決してしまうからだ。

 まあ、対外的には騎士団となっているけど、公然の秘密と言うやつだ。


 そんなペンドラゴン領で数少ない依頼が、ゴーレムでは対処しきれないモンスターたちだ。

 ゴブリン程度ならなんとでもなるが、魔法をそれも高位の魔法を扱い更に強大な膂力を持つと言われているオーガなどが出て来ると若干程度話が変わってくる。

 ゴーレム騎士団は五体で一つのグループを形成している。

 なので五体でゴブリンの集団程度ならなんとか出来るが、それにオーガが加わると荷が勝ってしまうのだった。

 今回あっさりと殲滅したのはひとえに僕の魔法の威力をフル活用できた結果だ。

 もちろん僕に接近されたら、完全詠唱などしている余裕はなくなるので今回のように簡単に依頼を達成出来たかわからない。

 初日にライラさんに大量にゴーレムを使って包囲しなくともゴーレム五体に囲まれたら僕は死ねる。

 まあ、オーガも単体でゴーレム部隊を相手にすればあっさりと殺られていたかもしれない。


「ミスタークーデル・ドレイサー、盛り上がっている所申し訳ありませんが、ペンドラゴン伯爵から伝言があります」

「なんだ?」

「『フレアを連れて戻ってきなさい』とのことです」


 どうしたんだろう?

 クーデルさんを見るもこちらの視線に気がついたクーデルさんは両肩を上げる。

 分からないのか。


「分かった。

 フレアとりあえず戻ろうか」

「はい」


 そうして僕らは冒険者相互扶助会を後にした。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

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