表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/120

転生生活 盗賊とはじめての魔法

遅れて申し訳ありません。

展開がおかしいことになったので書き換えていたら投稿が遅れてしまいました。

小説ってむつかしい(むずかしい)!

 エルフィールさんが来た夜はよく覚えている。

 僕が外の世界に興味を持った発端の人であるし何より魔法を教えてくれた人だからだ。

 もっとも、あの人に言わせれば勝手に覚えたと言うだろうけれど……。


 鐘の音が響き渡る。

 四回続けて間隔を置き繰り返される。

 緊急時の鐘の音だ。

 村の自警団はすでに動き始めている。

 何が起きたのだろうか。


「フレア、早く来なさい」


 父は僕に言う。

 父は床を開ける。

 はめ込み式になっておりぱっと見ではわからない隠し倉庫だ。


「ここは、もしもの時のために隠れる場所だ。 もうミレアが入っている」

「何があったんですか?」

「いいからここに入りなさい」

「あなたは?」


 床の下から母の声が聞こえた。


「俺は自警団と合流する。

 俺が心置きなく戦えるようにここにいてくれ」


 僕は渋々中に入る。


「いいね? ここを開けたらだめだよ」


 そう言って父は床を閉めて走っていく。

 足音が遠ざかっていった。


 どれくらい経っただろうか。

 一瞬にも長時間にも思えた。

 しかし、曖昧な時間も思考も女性の悲鳴が固定させた。

 聞き覚えがある声だ。


「もしかして!」

「ダメよ!」


 僕が出ようとすると母が引き止める。


「今は危ないわ!」


 声を抑えてはいるが今にも叫びそうな剣幕で僕に言う。


「今行かなきゃきっと僕は生きていけない」


 そんな僕の顔を見て母は、目をしばたたかせる。


「わかったわ。 絶対に無理しちゃだめよ」

「うん!」


 僕は床を押し上げて外に出る。

 床を元に戻し、外に出る。

 外には二十人ほどのガラの悪い人たちがいて村の人たちを一か所に固めそれを囲んでいる。

 あの人たちはおそらく盗賊だろう。


「やめて! 放して!」


 そんな声が聞こえた。


「くっ、……エリイ」


 声の方を見るとエリイの腕を盗賊が引っ張て来ている。


「これで全員か?」


 盗賊の中でもとりわけ装備がよさそうな男が毛皮の男に問いかける。


「ああ、これで全員のはずだ」

「おい! ウソをつくなよ?」


 盗賊のリーダーらしき男が一人の盗賊の方を見る。

 その盗賊はエリイの首にナイフを押し当てている。

 なるほど、脅されているのか。


「ちっ、いや、あと一人少年がいたはずだ」

「ほう、どっかに隠れてやがるな」


 くそっ! エリイが人質として矢面に立たされると思うだけでもはらわたが煮えくり返る。

 しかし、エリイを開放すればエルフィールさんは一瞬だけとはいえ自由に動けるはずだ。

 その一瞬さえあればBランク冒険者なんだ何とかなるはずだ。

 僕の作戦とエルフィールさんの強さに賭ける。


「おい、お前ら家の中を探せ!」


 盗賊たちは村人を囲む数人以外が

 民家に入っていくここに来るのも時間の問題だ。


「その少年の家はどこだ?」

「知らない」

「ふん、まあいい」


 僕は裏口から外に出て、できるだけ捕まっているエリイに近づく。

 そして適度な大きさの石を手に入れる。


 どうやら盗賊たちが一番警戒しているのは、エルフィールさんのようだ。

 エリイをエルフィールさんに近づけないようにしている。

 僕はこっそりと回り込む。

 隙を見てエリイを捕えている盗賊に石を投げつける。

 それと同時に走り出す。


 石はきっちり盗賊の頭を捕えて一瞬だけひるませその隙にエリイを確保する。

 しかし、そこまでだった。

 あっさりと追い付かれ囲まれる。


「くっそ、いってえ」

「はは、だせえな」

「うるせえったく、クソガキが!」


 頭から血を流した男が近寄ってくる。

 エリイを後ろにかばう男の拳が僕の顔に飛んでくる。

 避けれないが顔をひねりダメージを抑える。


「おうおう、ふんばるねえ!」


 囲っている盗賊たちが喚きたてる。


「ガキに耐えられてやんの」

「ちっ、調子に乗りやがってこのクソガキが!」


 蹴りが飛んでくる。

 とっさに後ろにいるエリイを横にずらす。


「ぐぇ」

「きゃあ!」


 数瞬、真っ暗な空が視界に広がりそして衝撃のあとに天と地が何度も入れ替わる。


「げほっげほっ」

「フレア!」


 エリイの悲鳴に似た叫び声が聞こえた。

 痛くて立ち上がれない。


「ったく、よくもなめた真似してくれたな」


 ざっざっざっ、暴力が近づいてくる音がする。

 そして僕の頭の上に何かが乗る。

 ぐりぐりと抑え込んでくる頭が割れそうだ。

 エリイが喚きたてるが男が「うるせえ」と言うと同時に鈍い音がして何かが地面に落ちる音がした。

 エリイが殴り飛ばされたのだろうか


「おい、ちょっと待て」


 そこで止める声が聞こえた。


「何ですかい隊長? まさかやめろなんて言いませんよね?」


 威嚇するような声色を出す盗賊。


「ああ、やめるんだ」

「おいおい、ふざけんじゃねえぞ」

「まあ待て、お前がやろうとしてることよりもっといいことを思いついた」

「ほう?」


 盗賊は足を退ける。

 頭の圧迫がなくなり少し楽になった。


「で、隊長何をするんですか?」

「なに、せっかく魔法を使えるやつがいるんだ。

 ちょうどよくないか?」

「なるほどね」


 そうして盗賊が離れていく足音が聞こえる。

 僕は顔を上げる。

 そこには隊長と呼ばれた男らしき盗賊とエルフィールさんがいた。


 まさか


「おい、せっかくだ、お前の魔法を見せてくれ」

「ちっ、わかった」

『雷の矢は相手を射抜く』


 

 その言葉が聞こえた直後体に激しい傷みが走った。


「ぐう」


 すぐに傷みから解放させられたが、体が痺れる。


「なに!? 耐えただと」

「おい、何手加減してんだよ。

 いや、そうか。

 お前もなかなかエグイな」


 そう言って隊長が笑う。


 痺れと同時に僕は体の中に流れる何かに気が付いた。

 そして、何となく言葉を呟く。


『いか、づちの矢、は、相、手を射抜く』


 体の中に流れる何かが外に出て飛んでいくのを感じた。


「うげぇ!」

「な、なんだと!」


 あたりが騒然とする。


「おい! 隊長が!」

「そのガキをさっさと殺すぞ!」

「クソガキが次から次へと」


「待て!!」


 盗賊たちが騒ぎ始めたが、エルフィールさんが一括する。


「俺が仕留める。

 俺の魔法を勝手に使いやがって!」


 見えないが、何か嫌な感じがする。


「おい小僧! 死にたくなければ俺と魔法を打ち合って超えてみろ!」


 何が何だか分からないがとにかく魔法を撃たないといけないみたいだ。


「行くぞ! 3・2・1」

『雷の矢は相手を射抜く』

『雷の矢は相手を……』


 何故か途中でエルフィールさんが詠唱を止めた。


「ふ、これで解放される」


 まさか! 自殺するつもりなのか!

 しかし、どうやら事態は思わぬ方向へ向かった。


 パリンッと何かが砕ける音がした。


「全く、ようやく外せたか。

 まさかこんなところで光の適性者が出て来るとは思わなかったが僥倖だったな」

『天雷よ悪しき者どもを裁け』


 その呪文が聞こえたと同時にあたり一帯に轟音が響き渡った。


「よくやったなフレア、ふっ、神童と言ってもいいくらいの天才だな」

拙作をご覧いただきありがとうございます。

時間がぁあああああああ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ