転生生活 別荘
遅れてすみません。
少し話が行き詰まっているせいで遅れてしまいました。
気がつくと洞穴の中にいた。
ただし、今までとは違い通路の奥から光が見える。
その明るさを見て外に続いていると確信する。
足元を見てさっきの場所に戻ることが出来ないということが分かり外に向かう。
「ユウか、何者だったんだろう、あの白い鎧の人も」
オーガをあっさりと倒したあとに出てきたあの白い鎧。
僕が横を通っても反応しなかった。
あるいはユウも通り抜けれたのではないかと思ったが、ユウの最後の表情を見てそれはないと確信していた。
あれは、決意をした表情だ。
オーガをあっさりと倒した人がする表情ではない。
それだけの存在なのだろうあの白い鎧の人は、
外に出ると明るい日差しが視界に入ってくる。
日が傾きつつあるがまだ夕方前だ。
一体ここが何処なのか検討がつかないけれど、周りは木々で囲まれていた森の中だろうか?
ただし、一つだけ気になるものがあった。
見つけたと言うよりは最初っから視界に入っていた。
前世で言うところのログハウスだ。
ただし、少々大きい。
館と言うほどではないが、しかし、記憶にあるログハウスよりは大きい。
別荘だろうか?
ひとまず、何処に行けばいいかもわからないからログハウスに向かう。
ログハウスの前には二体の鎧ゴーレムがいた。
お城にいた鎧ゴーレムと同じ鎧だ。
下手に近づかないほうが良いと判断してどうしようかと思案していると館の扉が開きお城にいた執事と同じ顔同じ姿の人が出てきた。
「お待たせいたしました。
私の名はセバスチャンといいます。
どうぞ中へ」
言われるがまま彼についていく。
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彼についていくとある部屋に通された。
その部屋は書斎と言っていいほど本が並んでいた。
沢山の本棚がありその本棚を背に椅子と机がある。
机の主は不在のようで今は誰も座っていないので座り心地が良さそうな椅子が見える。
「ここでしばらくお待ちください」
セバスチャンは、そう言って主が不在の机の前に置かれている来客用のソファに腰掛けるよう促される。
固辞しても仕方がないので唯々諾々とソファに座る。
セバスチャンが部屋を出てしばらく経ち少々待つのが暇になってくる。
待っている間部屋を見渡す。
机の上には幾つかの書物に書類らしきものそして、主の趣味だろうか犬のようなぬいぐるみが置いてあった。
しばらくしてなんとなくあの座り心地が良さそうな椅子に座りたくなってきた。
入ってきた扉を開き誰も居ないことを確認すると椅子に向かっていきそして座る。
包み込むような座り心地に驚く、このままここで座っていたいぐらいだが、ここに座っているのは流石に不敬すぎるので降りようとする。
その時である。
「いやあ、ごめんごめん、来客が来ていたからね。
連絡が遅れたよ。
しかし、もうあの洞窟を抜け出してくるとは早かったね」
おすわりの体勢から立ち上がりぬいぐるみが声を出した。
「おや、おやおや、勝手に人の椅子に座るとは」
「す、すみません!」
椅子から飛び降りる。
「あまりに座り心地が良さそうなので座ってしまいました」
やってしまったと思いつつ犬のぬいぐるみに向かって頭を下げる。
傍から見るとおかしな子供に見えただろう。
「ふふ、いや、それなら仕方がない。
実際、その椅子は私が持っている椅子の中でも自慢の一品だ。
その良さをひと目で見抜いたあんたに免じて許してやるさ」
犬のぬいぐるみが許してくれた。
「ところで私が誰かわかるかい?」
「マリコ伯爵ですよね?」
「ああ、正解だ。
とりあえずおまえさん、今の状況をしっかりと理解しといてもらわないといけないからね。
その別荘に今クーデルを向かわせている。
細かいことはクーデルから聞くんだね」
そして、唐突に話が終わった。
犬のぬいぐるみが再びお座りの体勢になったからだ。
とりあえず来客用のソファに座り直し、クーデルさんが来るまで魔力制御の練習をすることにした。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
何処へ行こうというのだフレア……いや、ほんとに