転生生活 謎の少年との出遭い
遅れてすみません
大きい緑の人を倒した後、模様を睨む。
「これは、何だ?」
と一人呟やいてみたものの答える者はいない。
しかし、どこかで見たことがあるような。
……前世か?
しかし、前世には、緑の人のような怪物は出なかったし、そもそも魔法なんてなかったはずなのだ。
今世の記憶にこの幾何学模様を見た記憶がない。
しばらく考えていると再び模様が光り緑の人が姿を現す。
少なくともあの模様をほっておくといくらでも緑の人が出て来るので雷の矢で仕留めて模様自体も魔法を撃ちこむ。
砂煙が立ち込め視界が悪くなる。
緑の人がまた現れないか見張るが、何も起きずそのまましばらくして煙が晴れる。
幾何学模様が描かれていた間部がえぐれて模様の一部分だけが残った状態になっていた。
「これで緑の人も出ないな」
しかし、この洞窟は何なのだろうか
何の説明もなく送り込まれたから何をすればいいかわからない。
とりあえず奥に進んでいく。
幾何学模様が気になるけど仕組みが分からないから何ともしようがない。
しばらく進んでいくと小部屋があった。
部屋の真ん中に幾何学模様がありそれ以外は特に何もない。
どうやら行き止まりのようだ。
「この模様に何か意味があると思うんだけど」
さっきの緑の人のように何かが出てこないとも限らないそんなことを思いつつも他にどうしようもないため恐る恐る模様に手を触れる。
ズドンッ
唐突に目の前の壁がはじけ飛ぶ。
模様の効果かと思ったが模様は光っていないし何よりまだ触れていない。
音のした方を見ると砂煙が舞っていた。
警戒しつつ見ていると人が出てきた。
僕と同じくらいの少年だ。
「ん? ここはダンジョンか?」
ツンツンはねた金髪に黒いコートを纏った少年は訝しげな顔をして周りを見渡す。
「そこの少年、ここはどこだ?」
金髪の少年は尋ねてきた。
しかし、僕にもここがどこだかわからない。
なので
「わからない、マリコ・ペンドラゴン領にいたんだけどいつの間にかここにいた」
と答えた。
少年は困ったように頷く。
「そうか、まあ、俺も似たようなもんだ。
俺のことはユウとでも呼んでくれ。
君は?」
「フレア」
「フレアか。
爆発しそうないい名前だな」
どんな感想だよ。
「ユウさんはどうやってこんなところに?」
「ユウでいいぞ」
僕の質問に対してそう言った後、天井を見上げて
「あ~、信じてくれるかどうかわからんが、この世界に来た時に土の中に埋まってなんとか抜けようと思ってだな、土の中を移動していると音が聞こえてその方向へ行ったらここに出たってところだ」
いやあ~、困った困った。
と頭を抑えて首を振る。
この世界に来た時?
そこを聞くと話しが長くなりそうなので必要なことを尋ねる。
「ここから出る方法とかわかったりしないですよね」
ダメ元で尋ねてみる。
「さあ? とりあえず君はそこの魔法陣から来たんだろ?」
そう言って幾何学模様を指差すユウ。
「いいえ? そこの洞窟から来ました」
「そうか、ならそこに乗ればいい。
幸い、その魔法陣は俺に読めるものだから効果がわかる。
乗れば対になる魔法陣にワープできるはずだ」
そう言って金髪の少年は魔法陣に乗る。
「じゃあ、お先に」
魔法陣が光るとその光は少年を包んでいき光が消えると同時に少年は消えた。
拙作をお読みいただきありがとうございます。