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転生生活 逃走と図書館

 階段を降りていくと次に出たのは見る限り本しかない階層だった。

 まるで魔法図書館のように本棚が天井高くまで伸びていた。

 そもそも天井自体かなり高い。

 ここに降りてくるまで長いなと思っていたけどこういうこともあるのか。

 しかし、変わった城だなぁ。

 普通クーデルさんがいた修練所は一階にあるのが普通なのにしかもその下に図書館か。

 本当に変なの。


 っとそんなことを考える前にさっさとこの階層も抜け出さないと。


 とりあえず上の階と同じように反対側にあると思い走って抜けていくと唐突に声が響く。


「こらああああああああ! 図書館で走ってはいけませえええええええん!」


 その声に思わず立ち止まってしまう。


「あれ? 君は誰? 新しい子かな?」


 後ろから声が掛かったので振り返ると、白いローブを纏ったお姉さんが立っていた。

 整った顔に丸い眼鏡を掛け髪を三つ編みしている理知的な印象を受ける人物だ。


「え、えっと」

「え? ちょ、ちょっと待ってね」


 そう言って眼鏡のお姉さん待ったをかけるとうんうん頷いて。


「うん、わかった。 ふ~む、君の名前はフレアだね?」

「は、はい」


 今、なんか連絡をしたよね。

 そりゃ、鎧の人たちの連絡の速さも納得だ。


「私の名前はスフィリアだよ。

 よろしくね?」

「はい、よろしくお願いします」

「じゃあ、お姉さんと謎解き勝負で勝ったらこの階層を通っていいよ」


 と言い、あまりにも唐突なことの運びに目を白黒していると問題を出してきました。

 逃げた方が良いんじゃないかと思ったが、目の前の眼鏡のお姉さんから逃げれるような気がしない……。

 と言うのもクーデルさんは油断を突いて気絶させたから良かったもののこのお姉さん既に障壁を自分の周りに張り巡らしている。

 ある意味、村から出る時に出会ったメイさんに似ている状態だ。

 あの時は、鎧自体が魔力の障壁みたいなものだったな。

 多分だけど鎧の性能としての鉄壁だったのだろう。

 まあ、何にせよ鉄壁から魔法をぶっ放していくスタイルか……戦闘は絶対に避けたいな。


「では問題その一、朝は四本の足で歩き昼は二本の足で歩く夜は三本の足で歩くこれなーに?」


 その問題はすぐにわかったけどむしろそれで正しいのか少し逡巡して


「人間?」


 と答えた。

 前世でもかなり有名な問いだけにむしろこの答えで合っているのかと疑問に思ったが、お姉さんは目を見開いて


「正解! よくわかったわね。 じゃあ、後二問ね」


 という言葉を聞いて納得した。

 あくまでも小手調べと言うことか。


「次は、そうね。

 問題その二、とある国で王が死にました。

 次の王を決めるために六人の王子と王女が話し合いをしました。

 あなたは六人の意見をまとめて王を決めなければなりません。

 あなたは前もって幾つかの情報を持っています。

 第一王子は、内政を重視し

 第二王子は、軍を重視し

 第三王子は、農業を重視し

 第四王子は、商業を重視し

 第一王女は、文化を重視し

 第二王女は、外交を重視しているそうです。


 そして、六人の王子と王女の話し合いの中から注視すべき発言を抜き出しました。


 第一王子は最も第二王子は王に向いていないと言い

 第二王子は第二王女よりは第四王子の方が王に向いていると言い

 第三王子は自分は王より園芸の方が向いていると言い

 第四王子は自分より第一王子が向いていると言い

 第一王女は他人を貶めるものは王に相応しくないと言い

 第二王女は第四王子が嫌いだと言いました


 以上の発言から最も王に相応しい者を決めて下さい

 ただし、不満を持った人がいれば内乱になる可能性があります」


 えっと、まず問題としては、六人の発言を覚えなきゃいけないな。

 はい、無理です。

 なので光魔法で発言をメモしていく。


「ほうほう、そんな光魔法の使い方が、なるほどなるほど」


 とお姉さんは言いますがこの障壁のほうがすごいと思います。

 いや、何がすごいかというと魔力制御が完璧だ。

 多分、光で文字を書くなんてお姉さんなら簡単に、あ、出来てますね。


「ふむ、それほど難しくはないか、なるほど」


 まあ、それはさて置き一応全部書いたけど問題の意味がわからないよ……。


「すみません王に相応しいとはどういうことですか?」

「ん? そうね、王としてしなければならないことがあることを知っている者が相応しいでしょう」


 王としてしなければならないことを知っている者、ん?

 それって少しヒントとしてほぼ答えを教えているも同然じゃないか?

 そう思いながら問題を見る。

 うん、間違いないね






「第三王子です」

「ほう? なぜそう思ったの?」

「まず前情報はこの問題に関係は無いでしょう?」

「ふむ!? そ、その通りだよ」

「だから、王より園芸をしたいと言っている第三王子は王をすれば園芸をできないということを分かっているような発言をしています。

 なので、第三王子だと思いました」

「ううむ、正解よ。

 でも、前情報が関係ないって何で分かったの?」

「だって、第一王子が内政を大事にするという時点で第三王子と第四王子そして第一王女と被ってるでしょう?」

「ええ」

「そして第二王子と第二王女も外国に目を置いている以上政治的に何を優先すべきかを考える必要は無いと考えました」

「なるほど、神童かぁ。

 じゃあ、最後の問題」


 神童と言われて首を傾げてみるがそんな僕を見て苦笑いする眼鏡のお姉さんは腕を組んで、最後の問題を出しました。


「では、問題その三、ここに1つあたり一キロの16個の玉がありますその中に一つだけ一キロ重たい玉があります。

 その重たい玉を見つけなければなりませんそのために秤を用意しました。

 さて、最低何回秤を使って重たい玉を見つけることが出来るでしょうか?」


 ふむ、少し計算しないといけない問題のようだ。

拙作をご覧下さりありがとうございます。


5/18

スフィリアの容姿説明を追加しました。

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