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転生生活 27 中二病患者(暗黒騎士)との邂逅

ちょっとしたイベントです

 エリイとともに久しぶりに街に出た。

 イブさんが詳しいので今回も道案内を頼んだ形だ。


「ねえねえ、、どこに行きたい?」

「いや、そもそもこの町に何があるかなんて知らないし、エリイは希望はない?」


 僕はエリイに尋ねる。


「うーん?」


 エリイは首を傾げて


「どこでも!」


 と言い切った。

 うん、かわいいな、……じゃなくて、つまり希望はないってことだな。


「じゃあ魔法道具屋にしよう」


 結局、行き先を決めたのはイブさんだった。

 いや、本当にイブさんに付いてきてもらってよかったよ。



----------



 着いたのは、一度来たことがあるお店だ。

 今回は店の中は荒らされてないようだな。

 ふと大きな黒い鎧が置かれていることに気が付いた。


「店長さん、あの鎧は?」

「お客様、あの鎧はお客様です」


 店長の発言に首を傾げると鎧が動き始めた。

 一瞬、『うごくよろい』かと思ったが、鎧の中に目があるのを見つけたので、中に人がちゃんと入っているのが分かった。


「かっこいい鎧ですね」

「当然! 我が暗黒剣に耐える数少ない鎧であるからな!」


 すっげえいい声で返してくれるが内容が痛い人だ。


「吾は、ダークナイトと申す。

 汝、名は何と言う?」

「え、え~っと、フレアと言います」

「暗黒剣って闇魔法の?」


 そう言って割り込んできたのはエリイだ。


「然り、暗黒剣は闇魔法の極致の一つである」

「わ~、フェイム先生が言っていた通りだ」

「ふむ、あの男か。

 あの男もまた闇魔法の極致に入る者の一人であるな」


 独特なキャラクターに僕は若干引きながらも話せる人ではあることは理解できていた。

 しかし、


「エリイ、ダークナイトさんのことを知ってるのか?」

「うん、授業で言ってた。

 闇魔法の中で暗黒魔法に分類される魔法を使いこなせる存在は世界でダークナイトさんただ一人だって」


 なんだって、そんなすごい人がこんなところにと思ったのは僕だけじゃなかったようで、


「ダークナイトさんはこんな魔法道具屋さんに何を買いに来たの?」


 とイブさんが質問した。


「いや、ちょっと探しものをしててな。 もし、知っていたらいいんだがこの程度の大きさの剣を作れる人はいないか?」


 そう言って出してきたのは棘のような木の剣だ。

 爪楊枝として出されたら信じてしまうだろう。

 ただ、ちょっと凝った作りになってるとは思うだろうけど。


「これは?」

「吾の相棒の剣だ」


 そう言った後小さな剣を何処かにしまう。


「ああ、決して強くはないが諦めを知らないやつだ」

「そうですか」

「そんなに小さい剣を使うのってどんな人?」


 イブさんが尋ねる。


「人……ではないな。 光の妖精だ」

「光の妖精が剣を握ってるの?」

「その通り驚きであろう?」


 黒い鎧の人は両肩を持ち上げて手の平を上にあげて首を振りありえないといった仕草をした。


「だが、信念はあるのでな剣ぐらいはまともなのをあげようと思ったのだが、……ふむ、小話に突き合わせたな。

 お礼と言っては何だがこれをやろう」


 そう言って黒鎧の人は3つの黒い石を差し出してきた。


「これは?」

「吾が力の欠片だ。

 知り合いは『暗黒石ダークストーン』と呼んでいた。

 では、機会があればまた会おう」


 そう言って黒鎧の人は店を後にした。


「っは~、あれが『暗黒騎士ダークナイト』様か~」


 イブさんは大きく息を吐いた。


「知ってたのか?」

「うん、フェイムさんほど有名じゃないけど闇の竜クラスの実力を持つとされる人物だよ」

「なんでまた、そんな人がこんなとこに?」

「さあ、さっきの小さい剣を造るためとか?」

「そんな有名な人なら頼む所なんてどこにでもあるだろうに」

「それこそわからないよ」

「エリイは、知ってた?」

「えっ? うん、……いやっ違っ! 知らない人」


 エリイの挙動が若干不審だ。


「どうしたんだ?」

「なんでもない」

「本当に?」

「うん」


 そこまで言うんなら追求するわけにも行かないか。

 エリイの頭を撫でる。

 一瞬、ブルッと震えたが、撫でられるがままにされている。

 やっぱりエリイはかわいいな。

拙作をご覧頂きありがとうございます。

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