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転生生活17

ひとまず入学まで来ました。

あれ? 旅をするはずだったのに?


 入学当日までフォーミュさんの館でテーブルマナーの練習や勉強をやらされた。

 でも、魔法の練習もできるのでそこでストレス発散をしていた。

 最近は、エリイも魔法の練習を行うようになった。

 闇魔法の特性は浸食だそうだ。

 ちなみに光魔法の特性は拡散だ。

 闇魔法の性質を利用した魔法が影操り。

 これと言って攻撃力はないのだが、影を動かすことができる魔法だ。

 これを強化していくと相手の視覚を奪う魔法になるらしい。

 なんとも地味な魔法だな。


「『わが意に従い模れ』……よし、ほら見てフレア君、うさぎさんだよ!」


 そういってエリイは自分の影をうさぎの形に変える。


「かわいいな」


 そして面白いな。


「えへへ~」


 エリイがな。 とまでは言わない。

 まあ、そんな感じで魔法の練習をしていたエリイは、相手の視覚を奪うところまではいかないまでも相手の視覚に障害ペナルティを与える程度の魔法にまで成長していた。

 これが、早いか遅いかはわからないが、『雷の矢は相手を射抜く』を覚えたのは5歳ごろで、魔法の適性がわからなかった当時は片っ端から覚えた呪文を唱えていたが全然ダメだった。

 そんな中一人の魔法士が使っていた『雷の矢は相手を射抜く』を覚えて使うと発動したのが初めてだった。

 その後、いろいろな魔法を覚えようとしたが結局その魔法しかまともに制御することができなかった。

 そう考えるとやはり魔法学校の環境はいいな。

 試験を受けるだけで魔法を使えるようになったもんだもんな。

 そう考えて、入学後の魔法生活に夢を馳せるフレア君だった。 なんてね。



---



 入学式当日、エリイとともに魔法学校に向かう、入学式当日は、魔法都市あげての大騒ぎだった。

 試験の時でも結構な騒ぎだったが、それとは比べ物にならない。

 国中から人が集まるのだ当然だろう。

 とりわけ魔法学校は、派手なのだ。

 まさかの花火が打ち上がったり魔法学校の学生がパレードをするとは、見ていても魔法士に成りたいと思わせるものだった。

 空中に浮かぶ水と炎、そして帆船はんせんのようにのようなものを風で押して進む馬車、言うなれば帆車はんしゃか。

 それに大きな猫、端的に言うならシマシマではないトラに乗って手を振るとんがり帽子の美女、整列し行進する魔法士達、そして最後には宙に浮いて自在に空を飛ぶ魔法士たちが魔法学校の方へ飛んで行き最後に空に大きな花火が打ち上がった。

 最後の花火は前世の花火とは違い攻撃的なものだったことは示威行為でもあるようだった。

 もちろん、最後の花火が上がったときには鼓膜が割れるかと思うほどの歓声が上がったのであった。


「すごいな」

「そうだね」


 ポツリと呟いた声にエリイが返答してくれた。

 パレードが通った後に空から一人の男性が降り立ちそれを見た歓声が静かになる。

 その人は黒のローブを羽織り黒い装束に身を包んでいる。

 髪は短く自信に溢れた顔をしていた。

 彼の姿を見た女性は息を呑んだだろう。

 男性であっても無視することはできなかったはずだ。

 明らかに上位者のオーラを纏っていたのだ。

 『多重』のフェイム、フェイム・カリオストロそれが後で聞いた彼の名前だ。

 25歳にして三重詠唱を習得した数少ない闇の適正者であり重力魔法の使い手。

 魔法都市最高の魔法士、いや、魔導士である彼は宣言する。


「これより入学式を始める! 新入生は魔法学校のグラウンドに集まるように!」


 人が発したとは思えない大きな声でそう言い魔法学校の方へ飛んでいく。

 もちろん彼が飛んで行った後には、大きな騒ぎになったことは書くまでもないことだろう。



---



 フェイム・カリオストロ、その名前を聞いたのは入学式が終わりフォーミュさんのところに戻ったときだった。

 入学式は滞り無く行われた。

 賓客に王子が来ていたことには驚いた。

 第一王子 クレハンスト・ホーリー、彼は魔法学校の卒業生であり、国内有数の魔法士だそうだ。

 因みに驚いたのは王子が来たことよりも彼が中年のオッサンだったことに方が大きいのだった。

 あと、他の都市の貴族たち、ここらへんとは関わり合いになりたくないなと思ったぐらいだ。

 魔法学校の学生を示すバッチをもらい挨拶と学校の方針を聞いた、後解散、エリイとイブさんと一緒に帰ったのであった。


 帰った後は引越し準備、魔法学校は低級生は寮制でよっぽどの事がない時は基本的に学校に泊まることになる。

 イブさんは上級生なので、外の宿で止まることを許されている。


「う~ん、私も寮に戻ろうかな~」


 なんて言っていたイブさんをスルーしつつ部屋で荷造りをする。

 と言っても全然物を広げていないので、出したものを直すだけでいいのだけど。

 そんなこんなで、準備を終えてフォーミュさんの館を後にしたのであった。

 因みにエリイの準備は意外とかかったことはいいとして、イブさんをは結局残ることにしたようだった。


「ここが快適だから」


 だそうだ。

 そもそも、わざわざ合わせる理由も無いだろうに

 というわけでこれから魔法学校の寮に入り、そして新しい環境に身を投じるのであった。


 あ、それとユニコーンの首飾りはフォーミュさんに返しておいた。

 少なくともフォーミュさんの所属から離れるわけだしね。

拙作をご覧いただきありがとうございます。

学校に入学するまでが地味に長かった。

この調子では旅に出るのはいつになることやら


2016/12/14

追記

 あ、それとユニコーンの首飾りはフォーミュさんに返しておいた。

 少なくともフォーミュさんの所属から離れるわけだしね。


の二行を追加しました。

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