転生生活16
軽く試験の内容とちょっとしたイベントです。
魔法学校入学試験当日、今日、この日を待ちわびていた。
というのも入学試験までの間、フォーミュさんの館でみっちりと魔法の基礎、そして体づくりを徹底させられたからである。
村での生活もそれなりにちゃんとしていたつもりだったけど、訓練と呼べるものは初めてだった。
一番躓いたのがテーブルマナーである。
魔法学校は、貴族が多い。
最低限のマナーを守らないものは先生からも忌避されるため、村育ちの僕とエリイはその最低限のマナーを習得せねばならなかった。
試験は一応受けることになっているけど内定をもらっているので形だけになるそうだ。
何ていうか、まっとうに頑張っている人には申し訳ないな。
兎に角、この入試が終われば、二週間後に入学式だ。 しかし、拙速なようにも思えるのは前世の記憶があるからだろうか?
まあ、早いことはいいな、魔法学校でどんなことが学べるか楽しみだ。
あと入学後はフォーミュさんにテーブルマナーを教えてもらわずにすむ。
学校で否が応でも教えられるからだ。
……よくよく、考えてみるとそれはそれで憂鬱だな。
……まあいい、それはいいとして、とにかくこれから魔法を学ぶことが出来ると思うと夢と希望で胸がいっぱいだ。
その前に入試だけどな!
入試でしたことは、魔法学校にある『魔導書』に触れることと、魔法を実際に使うこと。
そしてまさかのペーパーテスト。
普通の魔法士を目指す人は見るだけで興奮するであろう魔導書は一見本物かと思うくらい綺麗な装飾をしていたけど、偽物だとメイさんから聞いていたので感動は大きくなかった。
魔導書を写したものらしい。
というのも魔導書は、もっと汚いものらしい、いうなれば有能な魔法士の手記なので中身を見れたとしても読むのに苦労することなどよくあるとのこと見た目が綺麗な魔導書は大体偽物か写しらしい。
まあ、部外者に触らせるのに本物を触らせる訳にはいかないよな。
本物の魔導書は特別なのだから。
魔導書の写しも適正を見るだけらしいので、ひとまずそのことは置いといて、魔法を実際に使うという試験では呪文を一つ教えてもらえる。
適正に即した魔法だ。
僕が教えてもらった呪文は『光よ照らせ』である。
もちろん、普通に使うことが出来た。
もっとも、あまりに光が強すぎたため試験管が目をやられていたのは申し訳なかったかな。
とある大佐の如くである。
どうも『雷矢』以外のワードが制御出来ないようだ。もう少し弱くするつもりだったのに思った以上に強力な魔法になってしまった。
ちなみにペーパーテストでは、今国の歴史や道徳についてとかんたんな計算だけだった。
ぶっちゃけ小学生レベルだ。
ただし、試験の問題は段階的に難しくなっていた。
最後の問題は高校生レベルはあったかも知れない。
おそらくどれだけ答えれるかで、回答者の知識を試そうというところか。
前世の記憶がなければ全部は回答出来なかっただろうな。
テストが終わった後、エリイと合流するとエリイはぐったりしていた。
じっとすることが出来ない上に文字は少し読めるが、歴史や計算に置いてはほとんどダメだったそうだ。
まあ、フォーミュさんに多少教えてもらったらしけど、付け焼き刃だろうから仕方ないよな。
適正では驚かれたようだが、まあ、珍しいものを見たというからだろう。
闇の適性は少ないらしいし。
試験も無事終わり久しぶりにドアゴン街に向かうエリイと僕。
エリイは試験が終わった後も本調子ではないようだ。 動きがぎこちない。
「今日はもう帰ろうか?」
と尋ねてみると首を左右にブンブンと振り回し
「大丈夫」
一言言うだけである。
どうしたものかと思ったけれど、まあせっかくだし食べ物を食べようと提案する。
それにエリイは首肯しちょっとした食べ物を求めて二人でフラフラ歩いた。
ふと、ある露店に目が留まる。
前世の記憶にあるタコ焼きに似たものがあった。
しかし、よく見てみると肉の塊だった肉ボールというらしい。
肉団子と言った方がしっくりくるか
肉を団子にして丸いへこみがあるプレートで焼く、そして焼きあがった肉団子にたれをかける。
おいしそうなので8個買ってエリイと四つずつ分けて食べた。
普通においしかった肉ボールでそこそこ腹も膨れたし街の散策をしていたら唐突に後ろからの衝撃で倒れかけた。
「ごめんよ!」
そう言って少年は走り去っていった。
唐突のことに驚いたが、特に気になることもないためそのままフォーミュさんの館まで戻ったのであった。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
書いてみるとなんと難しいことか
やりたいことが全くできない
もどかしい