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転生生活14

 魔法道具屋襲撃事件、襲撃と言っても一つの商品を徹底的に潰された程度なのだが、それでも店の商品を壊されたのであればやはり襲撃されたと表現してもいいだろう。

 しかも僕たちが入った店はそれほど大きいものではない。

 その為一つの商品をぶちまけられるだけで大きな被害に見えるのだ。

 ……外からは見えなかったが。


 ひとまず壊されていたのは魔力増強ポーションと呼ばれるものらしい。

 最近人気の商品で飲んだ者の魔力を一時的に上昇させる効果があるそうだ。


 魔力の多さは人それぞれだが魔法士になれるかなれないかに直結するらしいので人気が出るのも当然と言われれば当然か。


 入荷して棚に入れたときにそのふざけた奴らが入ってきて棚の商品をそれも魔力増強ポーションのみを壊していったと言うのは何かふざけた程度ではすまない作為を感じるのだけど


「気にしなくていいよ」


 と被害を受けた本人の店長が言うのであれば気にしなくともいいか。

 一応、必要な魔道具を一式を購入、肘から手首までの長さの杖と魔法学校指定ローブ、そして羊皮紙のロールを幾つか。

 お金はイブさんがフォーミュさんから預かっているということで支払ってくれた。

 道具屋を出ると屈強な体つきをした兵士が立っていた。

 胸当てと手甲を付けているのだ兵士と判断していいだろう。


「ああ、君たち、この店で何か騒ぎがあったようだが何か知らないか?」

「私達がここにきたときは騒ぎの一つもありませんでした。 警備兵さん」

「そうか、数人の男が暴れていると言われてきてみたんだが……ん? そのペンダントは、君たちフォーミュ伯の客人かい?」

「はい」

「そうか、引き止めて悪かったね」


 イブが対応してくれたおかげで僕とエリイは対応せずに済んだ。

 体が大きくて威圧感を感じていたので助かった。

 あとフォーミュさんって有名人なのかな?


「それじゃ、次は、使い魔のところへ行きましょう」







 イブさんの先導で迷うこと無く使い魔専門店へ。

 専門店に入る前に幾つかイブさんに質問する。


「イブ、店に入る前に質問いくつかいいでしょうか?」

「ん? いいよ」

「使い魔って絶対に持ってないといけないものでしょうか?」

「いや、別に欲しくないなら欲しくないでいいんだよ。 ただ、いたほうが便利だからね必要ないというのならここは飛ばすけど?」


 後ろにいるエリイが僕の服を引っ張ったので振り返ると顔を左右にすごい勢いで振っている。


「わかった、エリイは使い魔が欲しいのか」


 今度は縦に激しく首を振る。


「わかった」

「相談は済んだ? じゃ、入ろうか」


 入った使い魔専門店は昨日と同じように色々な使い魔を販売していた。

 ただ、少し空いたように感じたのでなぜかと思ったら牛がいなくなっていたのだ。


「店員さん、ちょっといいですか?」

「はい、何でしょうか?」

「昨日いた牛って売れたんですか?」

「はい、もしかしてお買い求めでしたか?」

「いえ、ただ気になったもんで」


 一体どんな人が買ったんだ。

 とても気になるが


「お買い上げしたお客様に関する情報は教えることは出来ません」


 とのことだ。

 残念ながら、諦めるとしよう、重要なことでもないし。


「そう言えばイブ」

「はい? 何かなフレア君」

「イブは使い魔を飼ってないんですか?」

「いや? もちろん居るよジェムちゃん出ておいで」


 イブさんがそう言うと袖口からにゅるりと液体が湧き出てきた。


「スライムのジェムちゃんだよ」

「魔物ですか」

「うん、僕以外にも魔物を使い魔にしている人はいるよ? 動物のほうが多いけどね。 ありがとジェムちゃん引っ込んどいて」


 ジェムと呼ばれたスライムはイブさんの服の中に入っていきました。

 ……エロいな。


「服の中がどうなっているかは秘密ね」


 ウインクをするイブさん。


「決まりました」


 僕とイブさんの間に入るようにエリイが入ってきて黒猫をだいて


「この子にします」


 と、笑顔で言いました。 何故か若干顔がひきつっていることには触れないほうがいいか。


「うん、じゃあ僕はそのシロフクロウにするよ」


 そう言って店の一角につられている鳥かごを指差す。


「うんうん、ふたりとも決まったね」


 その後、イブさんが会計を済ませて使い魔の契約をそれぞれ交わす。

 契約と言っても名前を与えるだけなのだけどね。

 エリイの黒猫はリノ、僕のフクロウはラックという名前になった。


「よし、んじゃ、街中を見て回ってから帰りますか」


 というイブさんの一言で街中を見て回ることになった。

 前世の記憶で都会がどんなものなのかという記憶があるのだが、別世界の都会というものが気になって居るのは確かだ。 それも、魔法都市というのだから期待が高まってしまうのは仕方がないんだ。

 エリイもやはり田舎から出てきた以上は都会に大なり小なり憧れがあったようで目を輝かしている。




 フォーミュさんの館に帰ったのは日が暮れる前の夕刻、そこかしこから美味しそうな匂いが漂い始めたころだった。


「ただいま! あー楽しかった」


 館に入るなり第一声を放ったのはイブさんだ。

 するとフォーミュさんが階段の上から降りてきて


「おかえりなさい」


 と、言って出迎えに来た。


「楽しかったですか?」

「はい、イブのおかげで街を楽しく散策出来ました」

「それは良かった。ディナーが出来上がっているので食堂にどうぞ」


フォーミュさんは、そう言って食堂に入って行きました。


「ディナーかー今日は何だろう?」


イブさんはゴクリと喉を鳴らして食堂の方へ早足で行く。

僕とエリイもそれに続く


今日のディナーはパスタだった。

出来上がったばかりの物にしか見えなかったのは昨日と同じで用意して待っていたと言うことは館に着くタイミングが分かっていたことになるんだけどどういうことなんだろうか?

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