転生生活13
ドアゴン街は昨夜に来た時より人通りが多いためか街の印象が全然違うように感じた。
昨日下見に来た服屋や魔法道具屋が視界に入る。
「昨日のうちに制服の採寸をしたんだったよね?」
「はい、あと他にも魔法道具屋とか下見しました」
「じゃあ、とりあえず魔法道具屋に行こうか」
そう言ってイブさんは僕の手を取ってグイグイ引っ張ってきます。
「イブさんちょっとまって」
と、反抗してみましたが、ガン無視で引っ張っていきます。
それをエリイが手とうで切り離して
「イブリスさん私が引っ張っていきますんで大丈夫ですよ?」
と言うエリイは顔は笑っているが笑っていないのがわかる威圧がある。
「ん? まあ、別にいいけど?」
イブさんは威圧感を感じていない様子で調子を変えずに言いました。
何この温度差
魔法道具屋に着く頃にはエリイは顔を赤くしたまま手を離してくれました。
まだ怒ってる、何でだろ?
「まず、ここで必要な物を買い揃えるんだけど」
イブはこちらを向いて尋ねる。
「二人は自分の魔力適性はわかってる?」
「ああ、俺は光、エリイは闇だ」
「ほえ? 闇? 珍しいね。 けど、もしホントにそうならほいほい答えないほうがいいよ?」
「なんで?」
「注目をあつめるんだよすごく珍しいからね」
勝手に解釈すると血液型がRH-ということが周りにわかると注目を集めるって感じか。
「魔法適性を聞いてきたということは適正によって用意するものが変わってくるのか?」
「ええそうよ、私は雷の適正だから電撃に関する補助魔法道具を使ったりするのよ」
「ふうん」
「じゃあ、中にはいってとりあえず必要な物を揃えてしまいましょう」
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魔法道具屋の中は昨日来た時より散らかっていた。
いや、違うな外から見た時はわからなかったが店が荒らされていた。
外から見てわからなかったのは荒らされている場所が一箇所で全体的に荒らされたわけではないからだった。
「おや、いらっしゃい、ごめんね。 今はこの通り店を荒らされてまともに物を売ることが出来ないんだ」
人の良さそうな男性店員は、接客の態度を崩さずに言いました。
両手に荒らされたときに壊れたであろう商品を抱えている。
どうやら後片付けの途中だったようだ。
「どうしたの?」
「気にしなくともいいよ、ちょっと気に入らないことを言ってしまった僕が悪いんだ」
店員さんは商品を陳列しなおしている。
「本当に? 警備兵の詰め所はここからそう遠くないからすぐに呼んでこれるんだけど?」
「だ、大丈夫! 大丈夫だから気にしないでくれ」
店の奥からぶっくりと太った人が出てきた。
「あ、店長」
「うむ、君はそのまま作業を続けてくれ接客は私がするから」
店員のおじさんに聞いた事の顛末によるといつも通り接客をしていると横暴な人たちが店に入ってきたとのこと。
その横暴な連中に注意すると店の中の商品を崩したりしてふざけ始めたらしい。
途中で何かに気付いて突然何処かへ行ってしまった。
とのこと、はて、どういうことなのやら。
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