転生生活12
かなり短めです。
食事が終わると魔法学校の準備をするために再びドアゴン街に行くことになった。
「昨日行ったので今日は三人で行ってきてもらえますか?」
「「え?」」
僕とエリイは、思わず驚きを声に出してしまった。
エリイの方を見るとこちらを向いて顔をしかめてすぐにそっぽを向く。
「これから一緒に住む者同士親交を深めるためでもあります。 それに、何かトラブルに巻き込まれないようにこの首飾りを二人ともつけていてください」
そう言ってフォーミュさんは、馬に角の生えた装飾の『ユニコーン』の首飾りを僕とエリイに渡す。
イブはすでに『ユニコーン』の首飾りを首にかけていた。
「当家の縁のものであるという証明になります。 それに悪意を向けてくるものに反応するため護身にもってこいですよ」
フォーミュさんはニッコリと笑う。
なるほど、この屋敷にかかっている読心の劣化バージョンみたいなものか?
「フレアくんの考えるのと大きく違いませんが、詳しく説明させていただくと、悪意を持って、あるいは害意を持ってその首飾りの持ち主に近づくとその存在がわかるというものです。 声を拾えるわけではありませんので悪しからず」
便利なもんだ
「はいはーい、イブちゃんがしっかりはっきり案内するからどっしり構えて付いてきてね!」
大丈夫か?
「ひとまずイブリスさんに案内を頼みます。 ただ、イブリスさんは余計な場所を案内しないように」
「はーい」
「イブリスさんは一応在学者なので必要なものはある程度わかっているので案内には丁度いいでしょう。 それと、エリイさん」
「は、はい!」
唐突に名前を呼ばれて驚くエリイかわいいな。
「あなたには、一応これも渡しておきます」
フォーミュさんは手品師のようにどこからとも無く、光沢すら無い吸い込まれそうな黒い珠が嵌った指輪を出してきてエリイに渡す。
「この指輪をつけていてください」
「いいのですか?」
「お守りだと持って、大事にしていてください」
「フォーミュさんそれは何?」
「お守りです」
イブが興味津々で尋ねるが、フォーミュさんは答えてくれなさそうだ。
「今日、フレアくんとエリイさんの服ができてますが、まあ取りに行くかどうかはお任せします」
そう言うとフォーミュさんは二階に上がっていった。
拙作をご覧いただきありがとうございます。