転生生活 病気
整理がてら投稿溜まったのでだバーと投稿します。
ブンサンハシテルヨ
気が付くとベッドの上だった。
昨日の馬車が疲れになったのか体が重い。
しかし、今日は学校がある起きなければいけない。
僕が自分の体と戦っているとドアがノックされて、フォーミュさんが入ってきた。
「おはようございます」
この館の主であるフォーミュさんだが、見た目はどう見ても老執事だ。
何のためにそんな格好をしているのか未だに聞けてはいないが、今はそんなことより体が重い。
「おや、大丈夫ですかな?」
フォーミュさんが僕の近くにより顔を覗き込む。
そして手袋をはずして手を僕のでこに乗せる。
「ふむ、これは、今日は学校をお休みしなさい」
その行動で、僕がどういう状態なのか僕も察することが出来た。
不意にのどに違和感を覚えると同時に咳が出る。
「風邪でもこじらせたのでしょう。
ひとまず医者を呼びますので安静にしていなさい」
僕は、しんどさの理由に得心がいくとフォーミュさんの言葉に首肯した。
「さて、皆さんにはどうお伝えしたものか」
そう言ってフォーミュさんは、部屋を後にした。
僕は、考える。
このしんどさの原因となる風邪が、なぜ発症したのか。
しかし、頭に靄がかかり思考をすることすら億劫になる。
どうせしんどいのであれば、寝てしまったほうが楽だということはわかってはいるが、目を閉じてみても一向に意識が遠のいていかない。
そういえば、あの指輪はまだあるだろうか?
あのために遠出をしたのに手に入れなければ骨折り損だ。
とりあえず、誰か来たら頼もう。
そういうふうにしてふと、頭に思い浮かんだことを整理していった。
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「え~、フレア風邪ひいたの?」
学校へ行く準備を終えて朝食を食べていたイブリスが驚いたように言う。
その隣でサンドイッチをもぐもぐしていたエリイも食べる手を止めてその状態で老執事を見る。
老執事であるフォーミュは、二人が心配しないように笑顔で返す。
「ええ、おそらくはただの風邪でしょう。
なのでお二人は、先に学校へ行ってください。
体調が戻り次第向かわせますが、おそらく今日は休むことになるでしょう」
その言葉を聞いたエリイは、残っていたサンドイッチを口に押し込みさっそうと廊下を走っていった。
「は、早い……私も行かなきゃ」
エリイの無言の行動に面食らいつつも病気になったフレアを励ましてやろうとフレアの部屋へ行こうとするが、先に行ったエリイがワゴンの上に乗って戻ってきた。
「伝染ると大変ですのでおとなしく学校へ行ってくださいね?」
「は、はい」
「ふぁい」
老執事の圧力に思わず首を縦にふる二人、
「帰ってくる頃には症状も落ち着いているかもしれませんので、それまでの我慢です」
その後、二人を見送った老執事は一枚の紙に文章をしたためた。
「さて、これでよし。
しかし、少し嫌な予感がしますね」
フォーミュはそう言うと紙をもう一つの白紙の上に載せ手をかざす。
そして、上の紙を取ると下の紙に同じ文章が浮き上がる。
「さて、あなたはアルゼルさんのところへあなたはパレア様のところへ行きなさい」
フォーミュがそう言うと紙はひとりでに紙飛行機になり窓から飛び出した。
「杞憂で終わればよいのですが」
フォーミュは、飛んでいった紙飛行機を見送りながらそうつぶやいた。