転生生活 夢
整理がてら投稿、……へえ、もう4年たってるのかー。
orz
火事が起きている。
夜であるはずの外は、赤々と照らされていた。
そして、逃げ惑う人々、その人々は全員が僕が知っている人だ。
「なるほど、これが君の記憶か」
その声に驚く。
周りを見渡すが誰も居ない
「これは、暗い気持ちになる記憶だな。
これはいったいどういう状況なんだ?」
謎の声に答えを返そうとするが、声が出ない。
しかし、なぞの声には僕の考えたことが分かったようだ。
「なるほど、自分たちが暮らしていた場所を襲われたと言うことか。
同じ姿の種族であるのに襲い掛かるとは理解できないな」
僕もそうだよ。
「なるほど、人によって考え方が違うのか。
君は、あの青年と同じでありながらそうではないな」
その声に疑問を抱くと記憶は懐かしい前世の記憶へと移った。
「これは、君の記憶でありながらそうではないな。
君はいったい……いや、聞いたところで仕方が無いか」
僕は思う、あなたこそなんなのだと。
「私か? そうだな、私はいったい何なのだろうか?」
うーむとなぞの声は考える。
「わからないな。
こういったときはどうすればいいか知っているか?」
その質問に僕は、答えを思い浮かべることが出来ない。
「なるほど、わからないか。
しかし、君のような人は多いのだろうか?
記憶が二つ以上ある人は」
その疑問に答えるならいないと言うだろう。
しかし、全く居ないかと聞かれたら分からないと答えるだろう。
「なるほど、希有なのかもしれないな。
しかし、落ち着いているな。
大抵の生き物は、驚き暴れるのだが、こうしてゆっくりと話せるのは君が初めてだ」
それもそうだろう、自分の意思以外のものが夢に出て来てあまつさえ話しかけてくるのだ。
気味が悪いだろう。
「なるほど気味が悪いか、それなら君が大丈夫な理由はなんだ?」
前世の記憶ぐらいしか思い当たるところは無い。
「なるほど、君がそうなのか人がそうなのか確かめてみるか
ん? これ以上入れない?
どういうことだ?
あの男にはあっさりと入れたのに……なんだこの壁は」
謎の声は、困惑したように言う。
あの男?
壁?
「ああ、今の宿主だが、彼の中に入るのはとても簡単だったんだが、……まあ、なんとかなりそうだ」
これ以上どこに入ってくるつもりなんだ?
「心配しなくていい。
君と一つになりたいだけなんだ」
僕は、嫌な感じをひしひしと感じていた。
何かが、剥がれて行くような何かが近づいてくるようなそんな感覚だ。
やめろ! それ以上僕に近づくな!
「う、わ、わかったわかったから感情を抑えてくれ」
謎の声は怯えるように言った。
嫌な感覚が収まり気分が落ち着く。
「なるほど、この壁は封印なのか。
なら触らない方がいいな」
謎の声は落ち着きを取り戻したようで、落ち着いた話し声になった。
「しかし、君が冷静な理由もなんとなく分かったよ。
なるほど、君と一緒に居ると面白そうだし君の近くに来るとしようか」
謎の声はそう言って気配を消した。
はっきりとしない感覚が押し寄せてきて僕の思考に覆いかぶさっていく。
そして……。