転生生活 竜種討伐 帰り
一旦区切りです。
この後の話が割と整理がついていないのでしばらく投稿できないかもしれないです。
そうなったら他の作品を整理ついでに投稿します。
魔法都市に戻ったのは、すっかり日も暮れた頃だった。
それでも魔法都市には、いくつもの灯りが灯されている。
僕たちは、その灯りの内の一つである錬金術師ギルドの前まで来ていた。
「とりあえず、備品を返してもらうからエリイちゃんついてきてもらって、フレアくんとイブリスちゃんには装備を返して貰おうかしら」
そう言われて、僕らは、それぞれ借りた装備をパレアさんに渡す。
「ありがとう」
「結局使うことなかったですけどね」
「使わないに越したことは無いわよね?」
「確かにそうですね」
パレアさんの言葉に僕は首肯する。
戦闘は、命のやりとりである以上なにが起きるかその時になってみないことにはわからない。
命を落とす結果に繋がることは十分にありえた。
「さて、報酬のことなんだけど」
「はい」
「後日、クーデルに届けさせるわ」
「分かりました」
「一人十万ミリスでいいかしら?」
「え!」
「少なかったかしら?」
「いえ、思ったより多かったので」
石竜がどれくらいの値段か分からなかったし今回したことはただ、付いていっただけだからもっと少ないかと思っていた。
「報酬は、山分けにしてあるわ。
ただ、準備費とかの金額分は貰ってるからきっちり山分けってわけじゃないわ」
パレアさんの言葉に頷く。
そりゃそうだろう、ただ遠足したようなものだからね。
馬車とかを用意するのにもお金がかかったりしたはずだ。
「それじゃあ、エリイちゃんを待っててね。
フォーミュじいさんのところまで送ってあげるから」
そう言い残してパレアさんは錬金術師ギルドの中へ入っていく。
エリイは、こちらを見た後パレアさんの後についていった。
「あとはあっしがひきうけやすのでお二方は中で休みやせんか?」
「俺は、そうさせてもらう」
「そうだな。
いろいろ準備もあるし後は頼んだ。
じゃあなフレア」
「はい、さようならクーデル」
二人は馬車を降りるとギルドの中へ入っていった。
二人を見送った後、ウィグラさんが真剣な表情で僕に話してきた。
「さて、フレアの坊ちゃんに一つだけ聞いておきたいことがございやす」
「はい?」
「ホンジョウ・クルトという少年に心当たりがあったりしやせんか?」
「ホンジョウ・クルトですか?」
どこかで聞いたことがあるんだけど、どこだったっけ?
「知り合いにはいませんね。
その少年がどうしたんですか?」
「最近よく小耳にはさむ名前でしてね。
知らないのでしたら問題ありやせん」
ウィグラさんの言いたいことが分からず首を傾げる。
「そのホンジョウ・クルト?
がどうしたの?」
イブが、ウィグラさんに尋ねる。
「できれば、関わらない方がいいということでやす。
大きな組織から目を着けられている人物でやすからね」
なるほど、忠告といっったところかな?
「どんな人物なの?」
「噂では、情に深い人物とかきれい好きとかききやすね」
「へえ、きれい好き?」
「情に深いですか。
なんでそんな人が大きな組織から目をつけられるんですか?」
「いえ、むしろそのせいでという方が正しいことなんでやしょう。
戦闘能力が高いというのも目をつけられる一因でやしょうね」
なるほど、大きな組織とやらに目をつけられるんだ、相当強いんだろうな。
「わかりましたできる限り関わらないようにします」
「そうしたほうがいいでやしょう。
自ら危険な状況になるような行動はしなほうがいいでやす」
ウィグラさんはしみじみと呟く。
「待たせたわね」
ウィグラさんの話が終わって、疲れのせいもありうとうとしているとそんな声が聞こえてきた。
「終わりやしたか」
「とりあえず荷物は全部出してもらったわ。
さあ、エリイちゃん乗ってもうすぐ帰れるわよ」
パレアさんの言葉にエリイが頷き馬車に乗り込む
「さて、それではだしやす」
「じゃあ、またね?」
「はい、さようなら」
僕は軽く頭を下げてエリイが小さく手を振る。
イブは、いつの間にか夢の世界に旅立っていた。
もうすぐ帰るから戻って来い。
「イブ?」
「ああ、そのままにしてあげて、護衛って案外大変らしいからね?」
「わかりました」
「しっかり体と心の疲れを癒すためにもあなたたちもちゃんと帰ったら休むのよ?」
「わかりました」
心の中で苦笑しつつ頷く。
さすがに疲れた。
もう少しでベッドの上で休めると思うと体から力が抜けていく。
今日の記憶はここまでで終わった。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
人の作品が投稿されるのが遅く感じるのに自分が投稿するとなると時間が経つのが早く感じる。
ウヴォア