転生生活 竜種討伐 戦闘遊戯・後
すみません遅れました。
詠唱とか考えてたら時間がいくらあっても足りない。
前に考えた詠唱がどうしてもちらついてしまうため少しだけ変えましたが使ってやりました。
問題点は戦闘らしい戦闘を行ってないところ、本番どうしよう。
「ああ、その前にまず想定している戦闘場所を構築しないといけないわね」
『フィールド展開、タイプ森林地帯3、コンディション晴れ1』
パレアさんが呪文のようにそう唱えると真っ白な空間は、たちまち現実感のある森林地帯へと変貌した。
「準備万端、ボリス」
パレアさんがボリスに対して何かをささやきボリスが頷く。
「では、始めるとするか。
各員戦闘配置につけ」
ボリスの言葉通り僕たち子供組は後ろに下がる。
「目標補足、戦闘を開始する。
パレア様は、ゴーレムの準備を
初手はフレア、お前の全力を打ち込め」
「分かったわ」
「はい」
僕は、みんなの前に出て、ボリスの言われたとおり全力を打ち込む。
これで終わりにするつもりで、3つの魔法陣を展開する。
それと同時に
『世に広まりし微細なる
更に小さき雷よ
一重二重と重て
重ねろ千鳥の声上げて
更に重なれ十重百重
唸れ轟音轟け雷音響け重雷の大槍よ』
完全詠唱、いや、疑似多重詠唱を唱える。
『纏い穿て』
疑似多重詠唱による最大火力の雷槍に魔法陣による雷槍を纏わせて岩の塊に叩き込む。
直後、轟雷の爆音が響き渡る。
「クーデルが推すのもわかる威力ね」
「これほどとは」
「うわぁ、私の壁で止められるかなこれ」
「ふふふ」
しかし、全力の僕の攻撃の後、咆哮が響き渡る。
これでも倒しきれないのか。
一旦魔法陣の展開を中止する。
魔力消費が案外バカにならないからね。
「さてここからが私達の戦いよ。
ボリス頼んだわよ」
「承知しました」
「クーデル、ウィグラは、ボリスの指示に従いなさい」
パレアさんの言葉にクーデルとウィグラは頷く。
忘れそうになるけどこの二人は、本人じゃないんだよな。
しかし、話さないな。
話せないのかな?
などと考えている内に岩の塊が近づいてくる。
『硬化』
ボリスが呟くとボリスの肌の色が変色していく。
あれは、何の魔法なんだろうか?
「パレア様!」
「ええ、分かってるわ」
そう言ってパレアさんは何かを投げた。
投げた物が落ちた場所が隆起して小山が出来きて小山から二本の腕が生えてきた。
「あれがゴーレム」
初めて見るゴーレムに思わず驚く。
今まで見たゴーレムはどれも人形をしていたので小山の形をしたゴーレムを見たのは初めてだ。
「足止め頼んだわよ」
パレアさんがそう言うとゴーレムは両手を前にして岩の塊を受け止める体勢をとる。
そして、岩の塊がゴーレムにぶつかる。
僅かにゴーレムが押されるが、踏み止まったようだ。
「悪くないわね」
「パレア様、まだまだこれからであります」
ここで僕はどうするか。
今、石竜は、ゴーレムの影に隠れてしまっているため魔法で攻撃できない。
まだ、魔方陣は展開しているけど攻撃を届かせるには回り込まないといけない。
ただ問題が、魔方陣で出した魔法でダメージを与えられるか不安だ。
最大火力をぶち込んで倒れないこと自体僕にとってかなり衝撃的なことだった。
僕が逡巡している間にも戦闘は進んで行く。
「クーデル、ウィグラ、相手の足を封じてくれ」
ボリスの言葉にうなずき返すクーデルとウィグラさん。
クーデルが愛剣である錬金銃剣『フリード』を抜く。
ウィグラさんが何をするのか観察しようとしたが、ウィグラさんの姿がなくなっていた。
「あれ?」
「どうしたの?」
「ウィグラさんがいなくなってる」
「ウィグラの仕事は、見てればわかるわ」
パレアさんの言葉に僕は頷いておく。
クーデルが、なにか銃剣に何かを詰めて引き金を引く。
すると石竜の足に液体がつく。
その直後石竜の横側から何かが飛んできたかと思うとクーデルがつけた液体のところにぶつかり爆発した。
「爆発した!?」
「爆裂の魔石を火種にして、爆発スライムの粘液を起爆させたのよ」
見事に石竜の足に攻撃を炸裂させたことでゴーレムの押す力が強くなる。
「今のうちに側面へ回り込みましょう」
「わかったわ」
ボリスの言葉にパレアさんが応じる。
「さあ、行きましょう」
パレアさんに言われて頷く。
ボリスが石竜と僕たちとの間に立ち回り込む。
「ここならいけるでしょう?」
「はい」
さて、せっかくなので新しい魔法も試してみるか。
魔法陣を3つ展開して雷の矢を放てるようにする。
『道はある
今ここに示すは雷の道
雷道一閃』
雷の本来の性質を利用するため狙いを定めずに済むのがこの魔法の利点だ。
そして一発の威力こそ低いが、継続して相手に攻撃を当て続けることができる詠唱だ。
詠唱で作った雷の道が通ったことを確認したあと、魔法陣で展開した雷の矢を放つ。
これはあくまで準備段階、まだこれからやることがある。
これをしないとどこに飛んでいくかわからない。
これほど丈夫な的は、早々ないから試すにはちょうどいい。
『世に広まりし微細なる
小さき雷の精霊よ
一重二重と重なりて
重ねろ千鳥の掛声上げて
更に重なれ十重百重
叫べ轟音轟け雷音響け鈍雷の鉄槌よ』
現れたのは雷の塊、鉄槌と名付けているが、実際のところはただの球体だ。
イメージが合わないせいか違和感がある。
もちろん球体という詠唱も考えてはいたのだけど、一番安定的に威力が上げれるのが、鉄槌だったから仕方がない。
『雷帝の鉄槌』
雷の矢が雷の球体を運んでいくような形だ。
そして僕自身、この魔法をしっかり把握できてなかった。
直撃した後の衝撃波が押し寄せてきた。
その衝撃波に押されて僕は、後ろに吹き飛ばされた。
拙作をご覧いただきありがとうございます。