転生生活 竜種討伐 出発
章が変わって竜種討伐編
さて、無事に竜種を討伐できるのか。
みたいな感じでやっていきたいと思います。
TRPGを戦闘の参考にしようとしたけどムズイ。
キャラのHPとか考えたことなかったよ。
錬金術師ギルドで必要な物を揃えた僕らは、ここまで来た箱馬車とは違う幌馬車に乗り込んでいた。
どうやらこれから移動するのはこの幌馬車になるようだ。
馬車に子供たちが先に乗り込み僕が乗り込む前にパレアさんが後ろから笑顔で言う。
「さあ、取り敢えず手に入った情報で一番近い村まで行くわよ」
「冒険者ギルドに寄らないんですか?」
パレアさんの言葉に反応して僕は振り返り、質問をする。
「冒険者ギルドに中抜きされるのは馬鹿らしいじゃない?」
「元々は、冒険者を連れて行く予定だったんでやすが、エリイ嬢のお陰で冒険者の荒くれどもを連れていかなくてよくなりやしたから」
パレアさんの答えに補足説明を入れるウィグラさん。
パレアさんはウィグラさんを睨んだ。
「あ、こらそれは、言わない約束でしょう?」
「そんな約束は、してないでやすな。
契約外でやす」
「はあ、これだから」
「まあ、そこら辺のことは置いときやしょう」
「……仕方がないわね」
経費的にかなり助かったということなのだろう。
竜種を相手にするとなると上級レベルの冒険者が必要になる。
そのレベルの冒険者となると動かすのにそれなりのお金が掛かるものなのだ。
それを軽減できたことを言うのは確かにいやらしい話だ。
「さあ、行きましょう。
そんなに時間はないでしょうしね」
「はい」
今度こそ皆乗り込み出発する。
因みにウィグラさんとクーデルは御者台に乗っている。
馬を繰るのはウィグラさんのようだ。
箱馬車のように椅子がないため各々適当に座っている。
そのおかげと言うべきか、僕がまたパレアさんの膝の上に座るという状況にはならなかったが、エリイとイブが左右をがっちり固めている。
「あらあら、すっかり警戒されてしまっているわね?
ボリス?」
「え?」
ぽかんとした顔をさらすボリスがおかしくて思わず吹き出しそうになるがこらえるが、左から噴き出す音が聞こえてきた。
そちらを見るとイブが必死になって笑いをこらえて体をプルプル震わせていた。
「パレア様、冗談はおやめください」
「ふふ、ごめんね。
けど少しは空気が軽くなったんだから許してね?」
「分かりました。
確かにこれから戦う仲間と険悪な関係はまずいですから」
「なら少しばかりあなたの話でもしてみれば?」
「それは、酒の席でする話であります。
それよりもこれからの戦いに付いての連携について詰めていく方がいいでしょう」
「それもそうね。
なら、あれを使いましょうか」
そう言ってパレアさんは、袋の中から板状のものを取り出してきた。
僕は何処か見覚えのあるその板を見てパレアさんに尋ねる。
「それは?」
「戦争遊戯、それの小型版で戦闘遊戯と言う代物よ」
板の上には縦横無尽に線が引かれている。
ただし、適当にと言うわけではなく縦、横、斜めに等間隔に平行に線が引かれていることに気が付く。
まるで、前世の記憶にある将棋と呼ばれる盤にそっくりでしかし全然違う物だった。
そして、パレアさんは何か金属のようなものを取り出して呪文を唱える。
『我が意に従い形どれ人形形成』
パレアさんが唱えると金属の塊は見る見るうちに人の形をかたどっていく。
「さあ、これから時間はあるし簡単なゲームをしましょう」
僕は、何となくパレアさんが取り出した板と作り出した人形を使って、戦闘に付いての大まかなやり方を説明するのだと思い頷く。
しかし、イブとエリイはよくわからなかったようで首を傾げている。
エリイかわ……じゃなくて、ひとまずパレアさんの説明に集中せねば、どういう風にするかは分からないしな。
「ゲームってどんなのですか?」
「まあ、作戦会議の続きみたいなものだと思ってくれてかまわないわ。
今回はより精密に詰めていくことになるわ。
ある程度、自分がやられる状況をイメージできた方が、やられる確率は下げれるからゲームと言っても適当にやっちゃだめよ?」
パレアさんが笑顔で話しているが、空気が引き締まる感じがした。
とても重要なことだとエリイもイブもはっきりと理解できたようである。
「それじゃあ、始める前にクーデル?」
「ん?なんだ?」
「少し潜るからよろしくね?」
「あ、ああ、それか。
分かった」
クーデルは、神妙な面持ちで頷く。
その表情を見ると少しばかり怖くなってきた。
エリイとイブもそうみたいで僕の腕に抱きついてくる。
タイミングがほぼ同時だったのでつい心の中でお前ら双子か。
と突っ込んだ。
「これからどうするんですか?」
僕は、恐る恐るパレアさんに尋ねる。
「だから言っているでしょうこれからやるのは『戦闘遊戯』っていうゲームよ。
そのための準備は、整っているからあとはあなた達の心の準備次第ね」
そう言って、僕たちに作り出した人形を渡してくる。
その人形は驚くほど自分に似ていた。
「その人形に魔力を入れるのよ。
そして、その人形を板の上にのせてそれから目をつぶるの」
僕たちは言われた通り人形に魔力を込めて、そして人形、と言うより駒だなこれ。
まあいいや、人形を板の上に置き目をつぶったのであった。
拙作をご覧いただきありがとうございます。
さて、来週も無事に投稿できるのかが心配です。
頑張れ自分、負けるな自分。