ボケとツッコミは必需品
ーードタドタドタドタっ!!
数人の慌ただしく走る足音が聞こえて来る。
近衛兵達が真也の部屋に転がる様に入って来た。
「ーー閣下!大変でございます!閣下の使い魔が監視の目を盗んでどこかへ行ってしまいました!」
「うん?オレならここにおんで?」
近衛兵の言葉に手を挙げるダイナマイツボディーの女。
真也は女を凝視する。いや、彼女の身体をいやらしく舐めまわしたわけではない。彼女の頭に生えている獣の耳を見たのだ。よく見ると獅子耳の様に見える。
「お前……もしかしてフィリアスか?」
「おう!久しぶりやなあ。主は元気にしとったみたいやなあ!何百年もおうてないからほんま心配したでー。もうオレのカラダに飽きたんかとおもうてたわぁ」
「「「なっ!?」」」
フィリアスの爆弾発言にルリーナや近衛兵らが真也を凝視する。
真也は慌てて否定する。
「えっ!?ちょっ!し、知らねえぞっ!?俺はマジで知らんからなっ!?」
近衛兵たちはいそいそと「し、失礼致しましたー」と、行って退散。間違いなく誤解。噂が広がる。そして蔑まれる。
「俺終わった……」
皆様にお知らせ致します。わたくし有永真也は本日をもって終了致しましたーー
生気を失った真也の肩にフィリアスが優しく手を置く。
「こういうこともあるさ。なあに心配するな主。あの夜の続きをしよう」
「ああ、そうだなーーとでも言うと思ったか!?なに考えてんだよお前はっ!?社会的に抹殺されたらどうすんだよ!?もう日の当たる場所に行けねえようになっちまったじゃねえかあっ!!」
半狂いの真也にフィリアスは笑って誤魔化す。
「まあ落ち着け主。人の噂も何日とやらって言うやないか。な?そんなカリカリしとったら前に進まれへんで?そやろ?」
何故か彼女の言葉が救いに聞こえる。全ての元凶は彼女であるはずなのに。
おろおろしていたルリーナが割って入る。
「あ、あのー本当にフィリアスさんなのですか?」
「おうよ!オレがフィリアスやで!」
バァン!!と言う効果音が欲しくなるくらい奇妙なポーズを取るフィリアス。
そんな彼女にルリーナは苦笑する。
「陛下の仰った通り案外可愛いですね」
「どこがっ!?」
またも突っ込む真也。この短時間に彼は突っ込みを何度もする羽目になっていた。
「話は変わるのだが主ーー」
「今度はなんだよ?」
呆れ返る真也に対してフィリアスは表情をやや固くする。
気になって真也は話を聴く姿勢をとる。
「ずっと外で立ち聞きしとったんやけどな」
「立ち聞きするな。お前は帰れ。はいハウス!」
扉を指差す真也であったが、フィリアスは真面目な表情を崩さずに続ける。
「それについてはほんまオレが悪かった。でも主にとっては大事な話や。聞いてくれ。イリアっちゅうあの小娘が心配なんやろ?やったら、オレが代わりに戦場まで追いかけてやることは出来るんやけど……どないやろか?オレは主の代わりに用事を済ませる使い魔や……なんぼでも頼ってええんやで?」
「お前……!お前……スゲえ良いこと良いながらなんで手を擦り合わせてんだ……?」
「報酬は主のそのお身体で!どうや!?」
「やるかアホっ!獣は獣らしく肉でも食っとけ!」
「えっ主……?ほんまは食われる方が好みやったんかっーー!?」
フィリアスさんはどうやらお笑い担当を引き受けてくれるようです。
と、言うことで次回もよろしくお願い致します!




