胃腸風邪:ゲロ注意
こっそりと更新。
突然だが筆者はハヤシライスが結構好きである。それはもう母親が「今日の夕食はハヤシライス」と宣言した場合飛び跳ねて喜ぶくらいで、更にはカレーライスかシチュー、肉じゃがと宣言された場合、ハヤシにしようと交渉するくらいである。兄(カレー派)とジャンケンと言う名の真剣勝負をし勝ったら大喜び、負けたら舌打ちをすると言うくらいハヤシを愛している。ハヤシにバターライス(ハーブ入り)がつくと更に喜び、その日はずっと満面のニヤニヤ顏をするくらいだ。
そんな筆者は現在大学生で寮住い。面倒臭がりな為掃除洗濯はするが自炊をするのはまれで、するとしたらご飯を炊き、海苔シャケご飯にすると言うダメ女である。
そんなダメ女はなろう中毒読者で普段は読み専なのだがある事が起き、その事をネタに久々に書きたくなった。恥をさらしても他の読者にこの事から学んで欲しいと思った為である。これはそんな事件の話。(ここから先は閲覧注意。食事中の人は本気でやめて置いた方がいいです…言いましたよ?)
ごく最近、筆者は久々の帰省をした。久々にお袋の味っと言う奴が食べたかったのもあったし、母親がたまには帰って来いとせっついたからである。そんな訳で筆者は渋々と言った様子で帰ってきたわけである。作者は別に家族が嫌いとか言うわけではなく、ただ単に一人が気楽で好きで、かなりの面倒臭がり屋なので移動が非常に億劫だったのだ。更には若干レポートやのレポートやの試験やのレポートやので忙殺されていた為若干疲れが溜まっていた。だがお袋の味と言うニンジンで何とか頑張ってやってきたのである。…非常に欲望に忠実な奴である。
そんな単純な作者を母親は完璧に理解していた様で、帰ってきた瞬間「おかえり、今日はハヤシライスよ!楽しみにしていてね!」と元気のでる魔法の呪文を唱えた。
筆者はこれに多いに喜び、玄関で高笑いをあげる始末。そんな様子をみた兄は「チョロイン」なんてほざきおったがそんなのを気にする寛大な作者ではなかった。作者はその夜、年頃の娘のくせにハヤシライスをおかわりし、また夜食に食べようと算段をつけた。だが後悔はしなかった。ついでにハヤシが家族に取られすぎないように威嚇、もとい脅迫し、睨みを聞かせてから眠った。明日の朝ごはん(ハヤシ)を思いながら。
だがそんな幸せに浸かっていた作者に悲劇が起こる。夜中の十ニ時頃、家族全員が寝静まったそんな頃、筆者は気持ち悪さで目が覚めた。今までお腹が空いて目が覚めた事があったものの胃が気持ち悪くて起きた事のなかった作者は驚いた。
(なんや、気持ち悪いな…胃がムカムカする。…まあ、気のせいやろ。寝よ寝よ)
だが能天気な作者はそのままそれを無視して寝る事にした。いや、寝ようとした。だが「気のせい」では誤魔化せないくらいのムカムカ度で、ついに作者は若干冷汗を掻き始めた。
(あかん、こりゃ二度寝したらあかん奴や。吐き気がする。神殿で回復せねばあかんやつや。…面倒やな~もう)
この決断に至るまで数十分。面倒臭がりな根性で何とか耐えていた。…言い訳をすると彼女の部屋は神殿から最も遠い。
そんな彼女はノロノロと忍足で神殿に向かった。
(ああ、こりゃ吐いた方が楽かもしんない。そしたらさっさと二度寝しよ)
彼女はそんな寝汚い事を考えながら便器の蓋を開け、便座に片手を着き、もう片方の手で二本指を突っ込み吐こうとした。苦労はしたが何とかちょっと吐けた彼女だったが、未だ気持ち悪い。
(まあ、ええか。ちょっと楽なったし、ハヤシ吐くん勿体無いしな)
そんな調子で作者はまた寝た。
だが明け方三時頃、
(うわ、なんか出そうやわ!こりゃあかん、マジあかん!神殿~!)
作者は忍足で真っ暗な廊下をペタペタとできるだけ速く神殿に駆け込んだ。そして便座の蓋を開け、ちょっと一息したあと盛大に吐いた。もうこれぞマーライオンのごとくと言っていい様に吐瀉物が口から吐き出した。思いっきり三回連続でかなりの量を吐いた。
ここまで読んだ者(もしそんな奴がいたら)はここで作者を憐れむか気色悪がるだろう。だが心配ご無用。筆者はなかなかしぶとい。そう、
(うを~!ちょー吐いたし!なんやこれ!すっげぇな!おい!マジマーライオンじゃね!?私、マーライオンとして就職できるんじゃね!?なんかスカッとしたわ~!なんか胃を丸洗いした様な爽快感!素晴らしいな、おい!私、こう言う感じで吐くならこれからも吐いてもいいよ!…ああ、でもハヤシライス吐くのは勿体無かったな…神様!今度吐くならどうでもいい食物の時でお願いしやっす!)
こんな残念思考でエセ関西弁が取れるくらい興奮しているなのである。さすが会う度に兄に「お前は小学生(低学年)男子か!」と突っ込ませるだけの事はある。だが本当にすっきりとしか言いようの無いような潔い吐き方だった。なんせ勝手に吐瀉物が出て行く感じで、胃や喉にそれ程負担がかからなかったのだ。普通吐いた後、胃が痛かったり疲れていたりするのだがそれがまったくなく、ゲーム風に言うと「胃ステータス:普通」と言うくらいすっきりしたいい吐き具合だったのだ。まあその分「精神状態:興奮/ハイ」と言う感じだったが。それもよかったのだが。
すっきりした彼女だったが、ここでまさかの悲劇。口の中にまだあった米粒(吐瀉パーツ)を便器に吐き出し、ゲロを流そうと思い、立った瞬間彼女は何気なく見てしまったのだ。そして嗅いでしまったのだ。自分の吐瀉物を。
そこには殆ど原型を留めたままのその晩の夕食が。ハヤシライス(殆どライス無し)があった。
マッシュルームも、ダイスドトマトも、牛肉も昨日の晩鍋に入っていた時と同じような状態で浮いている。全部殆ど原型を留めたままそこにある。色も混じり気の無い完璧なるハヤシ色。そんな完璧なハヤシから自分の胃液の匂いが立ち昇っている。更には錯覚なのかなんなのか、本当にハヤシの匂いも混ざっているでは無いか。そんな物を思いっきり嗅いで、そして見てしまった作者。ショックである。「精神状態:興奮/ハイ」が一気に正気に戻る。
だが正気になった作者は今度はつい、ゴクリと唾を飲み込もうとした。してしまった。そして自分の口に若干残っていた「胃液+ハヤシライスだったもの」の味見をしてしまった。ハヤシライスの味がするのに、苦いようなヒリヒリするような味、そして感覚。胸焼けが若干した。
後は触れば五感全部制覇だな(聴覚は吐瀉物が水面にぶつかり、跳ねる音を吐いている時に聞いたのでクリア)、とボンヤリ考えながらも筆者は直ぐにトイレを流した。手を洗い、すぐさま口をすすぎ、歯を磨いた。これで大丈夫、そう安心し始めた筆者だったがそこで気がついてしまった。
部屋中が、いや、家中がハヤシ臭くなっている事を。
これは作者にはさっき吐いた汚物と同じ匂いにしか感じられず、作者は困った。なんせ明け方の三時頃である。換気しようにも家族全員がスヤスヤと眠っている処を自分の事情のせいで起こしてしまうのはしのびない。息を吸う度になんだか吐瀉物の味がする。汚物に囲まれているような錯覚に陥る。空気も生ぬるく、風も無い。
(う、気色悪い!退避せねば!)
作者は逃げるように自分の部屋に入り、直ぐにエアコンを入れ、ファブ◯ーズで消臭をし、気休め程度には匂いがなくなり満足した後、寝入った。
これで終わりだったらよかったのだが作者はこの後3回程神殿に向かいましたとさ。つまり計6回ゲロにまみれた様な気分を味わいましたとさ。
そして図太い、鈍いと言われる作者でもさすがにその次の朝はハヤシを朝ごはんにするのは躊躇ったとさ。でも兄にハヤシが食べられるのは非常に悔しかった為、作者は相変わらずハヤシ好きなようである。
そして回復役の母親から正露◯と風邪薬をもらい、作者は直ぐ回復しましたとさ。
ヤマもなく、オチもなくおしまい。
今回の教訓:風邪薬偉大!正露◯偉大!そして吐く時若干トラウマにならないように食べ物はよく噛んで食べること。
今度こそおしまい。
なんか…すみませんでした!…お粗末さまです。
作者はトイレを神殿と呼んでいます。大学の教授が言ってました「トイレが本場の教会とかの次に祈りを捧げられる所だろ。「神様もう飲みません、だから許してください」とか「紙様~紙様が欲しい、誰か~!」てな具合で」。納得した作者は以来心の中でトイレを神殿と呼んでいます。