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ログ・ホライズン Previous flash  作者: コネスト
ミナミ・アキバ縦断
1/13

プロローグ

「無理無理無理無理!漏れるっ」

深夜11時49分。日付が次の日に切り替わる前。少年は、自分の部屋で悶えていた。

「諦めろ。良い加減トイレに行ってスッキリしてこい」

隣にいる少年の友人は不健康を心配しつつ、トイレに行くよう諭すが、全く聞く耳を持たない。部屋の中には明らかに高スペックなデスクトップパソコンが一台。男2人はその前に椅子を並べ座っていた。

「ダメだっ。後10分足らずでアップデートするんだ。この体験をもう逃したくないんだ。前回は寝落ちしたんだ!」

パソコン画面に映し出されていたのは、西暦2018年まで20年間、今でも一世を風靡しているMMORPG〈エルダー・テイル〉だ。圧倒的モーションとグラフィック、やりごたえのあるストーリーとシステム。そして、仲間との協力で、現実にも劣らない感覚を味わえるというゲームだった。何故、少年はトイレに行かないと危険な状態にあるにも関わらず、我慢をして画面の前で操作を続けているだろうか。それは、数分後にアップデートが行われるからだった。〈ノウアスフィアの開墾〉。様々な拡張が導入されるようで、日をまたいでもプレイしたい人間がいるようだった。少年もその一人だ。

しかし、その抵抗も虚しくだんだんと顔が青ざめる。遂には立ち上がり、隣に座っていた友人に、懇願するように言った。

「俺の分まで・・・頼んだ」

言い終わった途端、全速力で扉を抜け、ドタドタと音を立てながら少年はトイレへと去っていった。

「おぉ、頼まれた」

友人は、やっとか、と言わんばかりの表情だった。緊張するとすぐお腹が痛くなるのは何年も前から知っている。久し振りに会い、家に泊めてやるから遊ぼうと誘われたので乗ってみたら、廃人級ゲーマーになっていた。しかし、そんな彼をまんざら嫌にはならなかった。〈エルダー・テイル〉をプレイしているところを見たところ、とても面白そうだったし、実は前から気になっていたし、仲の良い女友達もやっているというので、キッカケづくりにはどうだろうかと思っていたのだった。さっき見たところの動きを真似して、自分でも動かしてみることにした。プレイヤーキャラは

シェイン 職業:妖術士/魔人 種族:ハーフ・アルヴ Lv.90

という感じだった。黒髪の中位な長さの髪で、結構整った顔つきだった。今トイレに行った友人の顔付きを思い出してみる。元々イケメンとかいう部類に入るため、うまく似せて作っていた。そんなキャラをのらりくらりと動かす。場所はプレイヤータウンの一つの〈ミナミ〉という場所で、本拠地は〈アキバ〉あるとトイレに行かれる前に聞いた。そんなことを確認しながら、続けていく。

丁度、ポーンという音が鳴った。時刻が0時00分、アップデートの開始時刻になった。

(見届けたぞ。お前の分まで)

なんかよくわからない達成感がこみ上げてきた。後は、トイレから奴が帰って来て、新ゾーンだのを確認してもらおうと考え、席を外そうとした時に、画面に炎によって、文字が浮かび上がってきた。

(はて、こんな機能あったのかな?)

マウスに触れたと同時に意識がプラックアウトし・・・


これから、どうなってしまうのやら・・・という感じですね。次からは異世界に突入します。

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