表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

異世界から帰ってきたとして、あなたはそれが自らの現実だと受け止める事が出来ますか?

作者: 高辺 ヒロ

 青信号が点滅する。

 

 もう二度とあんなに苦しくて、辛くて、悲しくて、楽しくて、嬉しくて、喜ばしいと感じる事はないだろう。


 全てをおいて戻ってきた。

 共に同じ時を過ごした人々も、深い絆で結ばれた仲間も、愛した人でさえも……。


 気がつけば異世界に行く前に、異世界に行く数分前にいた横断歩道。


 もう二度とあんなに苦しくて、辛くて、悲しいのはごめんだ。

 でも……あんなにも楽しくて、嬉しくて、喜ばしくて、何より愛おしいのなら。


 ふと横を見れば俺を殺した、俺を異世界へと連れて行ったトラックが。


 あれに轢かれればまたあの世界ゆめに行けるんだろうか、戻れるんだろうか。

 行けないかもしれない、戻れないかもしれない。

 ただ痛いだけかもしれない、ただ死ぬだけかもしれない。


 それでも……。


 それでも俺は赤信号の横断歩道を渡る。


 さあ待ってろ俺の世界ゆめ、さあ待ってろ俺のげんじつ

「今行くよ」

 

 

短編はいつも思いつきで書きます、どうも高辺ヒロです。

今回も愛犬の散歩中に思い浮かんだ話しみたいなものを、文章にしてみました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 短い文章ですが、実に多くの興味深い事柄が含まれていると思います。 現在、ライトノベルで異世界物がこれだけ受け入れられているのは何故だろう? と誰もが一度は考え、結論を「現実世界に夢がないか…
[良い点] 折角帰ってきたのに……。 もう主人公にとって一度死んだ前の世界の事は夢になってしまっていたんですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ