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タクシーの運転手
「秋人さぁん。」
「おっ、麻子ちゃん。どうしたの?」
20代後半の男の人。
「長崎さんから。コレ、ここの部分が気になるそうです。だから、本当に自殺かもう一度調べ直して欲しいそうです。」
資料を渡す。
秋人さんは頭をぽりぽりかきながら受け取った。
「まったく、長崎には叶わんなぁ。」
「ですね。」
あははって笑った。
「じゃあ、失礼します。
あっ、何かわかったらココに連絡してください。」
それは、あたしの携帯番号。
「あいよ。お疲れ様。」
あたしは礼をして出て行った。
また、タクシーをよんだ。
「あ、あれ…?さっきの…。」
「うん。すぐ戻ってくるって思って。」
「あの、あなた…誰ですか?」
「俺は、タクシー運転手だよ。」
「…。」
なんか怖くてあたしは黙った。
「ついたよ。」
「ありがとうございました。」
あたしは降りる。
気にはなったけど、まぁ、いっか。