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まずは現状把握が大切です

歩きスマホをしていた俺は足元の穴に気付かず落ちた。

落ちた先が、地下のアトラクション施設……らしいのだが、地下なのにやたらとリアルな大自然で閉塞感はまるで感じない。


地下アトラクションに落ちた……と思っているが、俺が落ちてきたハズの穴とかはどこにも見当たらない。

Wi-Fiは繋がる。

SNSは見れるが反応は出来ない。

検索したら専用アプリをダウンロードしろときた。

そのアプリの案内にしたがって入力した結果ーーー何故か目の前にアバターがいる。


「……はっ?」

呆然とする俺ににっこりと笑った。

うっ…可愛い!

そりゃ自分好みにカスタマイズしたんだから可愛いに決まってる。

しかも俺に笑いかけるんだ。

ドキッとしても仕方ないだろ?

そんな、誰に弁解してるんだか分からない俺に、彼女が自己紹介し始めた。

「私はシエル、この世界の案内AIアバターよ!なんでも聞いてね!」

そう言ってコミカルにお辞儀した。

動いた!

どこから投影されてんだ!?

えっ、最近のアトラクションってこんなにハイテクなの!?

凄くない?

「優耶?」

ハッ!?

「あ、ああ…大丈夫。」

AIって言ったよな?

じゃあこの子に聞けばいいんじゃね?


「えっとよろしく。あのさ、俺ここから外に出たいんだけど……出口って何処かな?」

そう、何はともあれ出口だ。

こんなハイテクなアトラクション、入場料がいくらか分からないが、バイト乗り換え中の身としてはこんな不可抗力で途中参加のアトラクションに余計な出費を強制されるのはご遠慮したい。

「ん~出口?そんなの無いかな?」

「……はっ?」

「草原の切れた所がここの出口って言ったら出口だけど……?」


どういう事だ?

「ここは地下の何かのアトラクション施設なんだろ?俺は穴に落ちただけなのにここに居たんだ。どこかにエレベーターか最悪階段でも良いから地上に出たいんだけど!」

俺はAIに出来るだけ具体的な答えを出して欲しくて予想も交えた質問をした。

彼女はキョトン顔で小首を傾げて沈黙する。

きっと検索中なんだ。

くそッ、かっわいいなあぁ


そんな事を考えてると彼女がゆっくりと瞬きして、僕を見た。

「優耶。ここはアトラクション施設じゃないよ。だから地上はここ。」

「え?」

「ここはフォルカッシュ島の南東にある女神様の箱庭。」

「はっ?」

「優耶は多分コレ。」

そう言って胸の前辺りに宙に浮いたディスプレイを出す。

そこにはネットニュースの1つがアップされていた。


『歩きスマホの男性歩道に開いた穴に落ちる


昨日の午前11時頃駅前通りを歩いていた男性が突然開いた穴に吸い込まれるように落下した。男性は歩きスマホをしていたらしく、空いた穴に吸い込まれるように落下していく様子が防犯カメラで確認された。穴は直径1m程で深さは10~15mで底は地下水と土砂が混ざった状態になっており、男性はその土砂に埋まっていると予想されている。狭い上に深く、水が多く出ているため救助は困難を極めている。男性の生存は絶望的とみられる。』


「………………」

なんだコレ?

え?

土砂に埋まってる?

いやいや、生きてるし!

土なんて付いてないし!

え??

昨日?

ついさっき落ちたじゃん?

「ど、……どういう…こと?」

混乱する俺の頬を風が撫でていく。

彼女ーーシエルはキョトン顔で小首を傾げる。


「そうだ!通話!面接先に連絡しないと!」

俺はスマホの通話履歴から行く予定だったバ先(バイト先)に電話をかけたーーーが、繋がらない。

「おいっなんでネットニュースは見れるのに通話出来ないんだよ!?」

焦りのあまり言葉が強くなる。

「んー……この世界からのアクセスは認められて無いみたい。向こうからの情報はこの島限定で受け取れるみたいよ~。」

……

………………この()()!?


……まさか……まさかまさかっ!?

「ココ……異世界……なのか!?」

シエルはキョトン顔で小首を傾げる。

「あ〜えっと、ここは俺が元いた場所と違う世界って事か?」

俺が聞き直すと瞬きをして笑顔で答えた。

「はい。その通り!ここは優耶の元いた場所とは全く別の次元の世界です!」


マジか……

コレがウワサの異世界転生……


「ノンノン!異世界転移デスよ!」


チッチッチッと指を振って訂正された。


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