宝石を掘ろう
露天風呂と野天風呂
厳密に違いがある訳では無いらしいのだが、屋根や囲い等ほぼほぼ無くて、より自然な状態の屋外のお風呂が野天風呂……らしい。
森の中で屋根や囲いを作るつもりは無いから、俺が作るのは野天風呂だな。
さて、今日から魔石にするための宝石採掘に行こうと思う。
シエルに場所を教えて貰いながら進む。
夕方近くに目当ての岩山に着いた。
仕方がないとはいえやはり移動手段が徒歩のみというのはツラい…。
休憩はするが1時間に1回はヒールをかけないとあちこちヤバくなる。
まあ、ヒールかけ続ければずっと歩けるって事だけどな。
キャンプセットを出して虫除け雨よけの結界をセットして寝る。
翌朝、しっかり朝食を食べていざ洞窟探しへ!
「で、その洞窟は何処にあるんだ?」
シエルに尋ねた。
「そうねぇ…地図アプリ開けてくれる?……ここが現在地でしょ……それで…ここっ!ここに入口が有るわ。」
シエルは俺のスマホの画面上の一点を指さした。
「ここならそんなに離れてないな。」
俺は手元のスマホを確認しながら岩山の壁に沿って移動すると、程なくポッカリと口を開いた洞窟に辿り着いた。
「ここかあ…」
自慢じゃないが洞窟なんて見るのも入るのも初めてだ。
「当たり前だけど…真っ暗だな。」
目が慣れてないせいもあるかもしれないが、伸ばした腕が影になった部分から見えなくなるというのはお腹がヒュッとなる。
「……どうしたの?」
影の手前で立ち止まって腕を伸ばしたり戻したりとしていたらシエルや背中のネフに心配された。
「…あ、…いや、なんて言うか不思議体験してるだけ。」
『一寸先は闇』を満足するまで実体験したので前方を照らすように魔法のライトを浮かべて俺は洞窟探検を開始した。
鑑定眼のフィルターは鉱石、宝石、危険物を表示する様に設定した。
まあ、鉱石も価値が高い物のみに絞ってるからそんなに多くは無い。
入口から10m入ると反応が出てきた。
俺はスマホのストレージアプリから今日の為に買っておいたピッケルを取り出した。
「ククク…見せてもらおうか、その性能とやらを!」
俺はどこぞの少佐のセリフを吐きながらツルハシを振り下ろした。
ガキンッ……コロ…
一当てしただけで塊が転げ落ちた。
「…すっげぇ……」
さすが『ツルハシ親方…一振で貴方も立派な鉱夫に成れる』だ。
俺は夢中になって鑑定眼が示す場所にツルハシを当てていった。
地面に転がり落ちた岩石の塊をネフが拾い集めてくれる。
ある程度掘って洞窟から出て来たら、日光の温かさと新鮮な空気にしみじみと幸せを感じた。俺はドワーフにはなれないなと意味も無いことを考えてしまう。
さて、ネフが拾い集めてくれた岩石から宝石を堀り出そう。
机と椅子を用意し、まずは1つ塊を手元のトレーに置く。小型ハンマーとタガネで周りの余分な土や石を取り除きハケとブラシで磨くと、鑑定通り宝石の原石の端が見えてきた。
「おおおお…」
キラリと光るその石を見て感動してると、それまで横で黙って見ていたシエルが話しかけてきた。
「……優耶は、その塊から宝石を取り出したいんだよね?」
「ああ。」
何を当然な事を言うんだ?
「その、机で作業するのは趣味?」
「?……宝石の原石を取り出してる…ケド?」
「じゃあ、クリーンの魔法で良くない?」
「…………は?」
「だから、その塊にクリーンかければ余分な土とか落とせるじゃない。」
…な
…な
「なんだってぇぇぇっっっ!?」
膝から崩れ落ちたのは言うまでもない。




