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6


「それで、私はどうすればいいの?」


襲撃者を騎士団に受け渡すとアリスが私にそう言うのだった。

だが、もう安全なので。


「もう帰ってもらって大丈夫ですよ」


「どうやって?」


「どうやってって」


どうやってだろう?

GRWでは召喚獣はHPが全損するか、戦闘が終了すれば勝手に消えていた。

それはアリスも例外ではなかった。

アリス自身が帰りたいと願えば帰れるのではないのだろうか?


「帰りたいと願えば、帰れるはずかと」


「願う? うーん」


アリスは考え込んだと思えば、手を合わせて何かを唱え始めたり、「帰りたーい!」と大声を出したりするが、ダメなようだ。

どうしたものか。


「ゲームだと」


「?」


アリスは拳を振り上げると自身のお腹にめり込ませた。

あまりの威力に地面を数回跳ねると、そのまま気を失ってしまったのだった。


「あの人は何をしているのだ?」


ちょび髭の男が近づいてきた。

この顔は見たことがある。


「リジー男爵様」


パパンより少し年下だったはずだが、お腹が出ていたり、髭があるあたり年上のように見える。

パパンの方がかっこいいな。


「うむ。君がバードネル バルトンだったかな?」


「はい。お初にお目にかかります」


「なるほど、教会の言う通りか」


教会、何の事だろうか?

私の顔を見たリジ―男爵は何かを察したようだ。


「爵位騎士だから、知らないようだね。貴族や王族と教会のつながりは古く、強い。祝儀や鑑定などで珍しいスキルや優秀な能力が見つかった場合、報告してくれるのだ」


「そうなのですね」


つまり私の能力は彼らには筒抜けなのだろう。

私のスキルはその全てが称号スキルだった。

しかも、前回の転生後に手に入れたものだけ。

せめてもっと有用な称号スキルであれば。

まあ、後悔は後に立たずというし、ゴミというほどではないのでまだいいが。


それを知られていると言うと。


「どこまで、知っているのですか?」


「うーん。全部だが、全然だな」


「?」


「君のスキルの名前は知っているが、その内容はほとんどがまだ知られていないスキルだった」


「なるほど」


「教えてくれるかい?」


「それはちょっと」


「まあ、そうだな」


これは嬉しい状況だ。

スキルを持っていることは知られてしまったがその内容は知られていない。

これで、旨く行けば自信を強くも弱くも見せることができる。

しかも、今回持っている称号スキルは知られれば、弱点がすぐに分かってしまう。


「ご理解いただき、ありがとうございます」


「個人情報だしな。だが、一つお願いがあるのだが」


なるほど、これが目的か。

譲歩するから、こちらも何かしらの、という事か。

どんな、要求をされるのだ!?


「うちの娘と婚約なんてどうだい?」


「え」


「いや、まずは会うだけでも。考えてみてくれないかい?」


あれ?

なにかもっと、血なまぐさいものを頼まれると思ったのだが。

どういうことだろうか。


「あの、どうして私なのでしょうか?」


「どうしてって。君はバードネル家の唯一の跡取りで、バードネルはお金持ち、君自身もかなりの努力家で能力もかなり高い。自分の家に取り込みたいと思うのは当たり前だろう。それに最近貴族界隈がキナ臭くてな。冒険者ギルドという手駒も喉から手が出るほど欲しているのだよ」


「ですが、爵位貴族で」


「君の母親は男爵でだろ?」


「はい」


それが、何なのだろうか?


「この国の法律に血に王族の血が流れるなら階位を貰える。なら、後は実力が認められれば階位を貰えるはずだ。実力の面に関しては教会の話を信じればなにも問題ないだろう。であれば、まだだれも手を付けられていない君を我先にと思うのは当たり前ではないかい?」


「そう、なのですね」


その法律は知っている。

歴史の授業で習ったが、この国の貴族の全てが初代国王の血が流れているのだ。

なので、階位持ちの貴族の血が入っていれば証明の第一段階は満たしているとのことだった。

だが、遺伝の基礎知識が無いこの国では、階位持ちの貴族同士の子供でない場合王家の血が流れている証明をしなくてはいけないらしい。

そもそも血の一滴まで確認できるわけでもないし証明なんてできないだろう、と諦めていた。

だが、王族の血は偉大であると考えているこの国では、秀でた能力があれば認められるという事だったのか。


後はパパンのお金か。

聞いた話だと最近の異常気象で貴族の多くが資産を減らす、または借金をしなければ領地を経営できないほどだとか。


「夫人にも言いましたが、父様に聞いてみない事には。まだ、五歳ですし」


「その立ち居振る舞いは五歳とは思えないほどだが」


「老けて見えますか?」


「大人びていると言うのだ」


なんとなく、自分の立ち位置が理解できたな。

こんな事になってしまったが、とりあえずは目的が達成できたとみるべきだろう。


「リジー男爵と話ができてよかったです」


「こちらこそ」


そう言うとリジー男爵は行ってしまった。

さて、私も帰るとするか。


「ねえ」


あ。


「どうすれば、帰れるの?」






遅くなりました。

パソコンの調子が悪く、買い替えもできないので次の更新は未定になります。

今回のように誰かから借りれる場合、更新させていただきます。

いつも読んでいただいているのにすみません。

これからもご愛読していただけると嬉しいです。

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