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「そろそろ着替えるから出てってくれないか?」
「はい」
フェリアは私の言葉に素直に聞いて部屋から出て行った。
それと入れ替わるようにシェミが入ってくる。
「おはようございます」
「おはよう」
着替えを手伝ってもらいながら今日の予定を聞く。
大体が稽古や授業だ。
歴史や法律の授業も学び始めたのだが、これもゲームの中だと思うとどこかやる気が出てしまうのが不思議だ。
だが、想像して欲しい。
前世のように歴史上の人物が何したの内容が思想やら戦争なのではなく、ドラゴンや魔王の討伐の内容だったら。
しかも、それが一つの物語のように続いているのだ。
長い冒険譚を呼んでいるようで不思議と次が気になってしまうのだ。
法律もこの世界では魔法という概念があるせいか前世の銃刀法のように犯罪を抑止する法律よりも、何をしたか、何が原因かで裁かれる法律などが多い。
しかも、刑の執行は貴族の裁量によるものが多い。
覚えることが少ないのだ。
では、何をメインに学ぶかというと今まであった罪と罰を勉強するのだ。
その中にはかなり過激なものもあり、面白いのだ。
「準備ができました」
「ありがとう」
「……」
「どうした?」
何か言いたそうな顔を私に向けてくるので、思わずシェミに言葉をかけたがその顔が心配そうな顔に変わる。
「根を詰め過ぎではありませんか?」
「そうかな?」
「そうです! まだ、祝儀も前の子供が毎日勉強や訓練です。本当はもっと遊びたいだろうに」
なんか勘違いさせてしまったのだろうか?
好きで勉強や訓練をしているのだが、それを環境がそうさせたと思わせてしまったのだろう。
でも、この状況はパパンで予習済みだ。
「ボクは貴族です。そして、バードネル家を継ぐものです。次期冒険者組合のギルド長になりたいとも思ってます。それには実績も実力も必要だから」
「バルトン様」
「でも、これはボクがやりたいから、やるんだ。強制でも義務でもないから、安心して」
「かしこまりました」
こういえばパパンも感動して、これ以上に何かを言ってくることは無かった。
それに実は遊ぶという事、友達を作るという事が苦手だった。
前世ではゲームという共通点や学校という空間で友達を作ることができたが、この世界ではそれが無い。
ここでは、平民は昔からの幼馴染たちで友達グループが形成されていて入りずらい。
貴族だとお茶会などで友達を探すのだが、私が爵位騎士だからかだれも話をしてくれないのだ。
「レイミは元気?」
「はい。そとで遊びまわっています」
「ならいい」
レイミはシェミの娘なのだが、前にあった際に私の顔を見て硬直したと思ったら逃げ出してしまったのだ。
顔の造形は母様似なのでパパンのように厳つくはないのだが、目や髪が赤いのが気味わるかったのだろう。
パパンも人生の中で気味悪がられたり、揶揄われた事もあったと話していた。
そういう事なのだろう。
「仲良くなれたらと思っていたのにな」
「そう思って頂けたらあの子も喜ぶかと」
そんなわけないだろ。
私の事を怖がっているのだから。
さて、それよりも。
「フェリアは、どうだ?」
「しっかりと勉学に励まれています」
フェリアは思った通り平民ではなかったらしい。
本人は隠しているようだが、食事や歩き方一つしても普通ではない。
それが小さなころから身に付けているという事は、貴族か、王族か。
どんな過去があろうともベースがある物はその後につながりやすい。
なので、パパンと話し合って私が受けているような授業を受けさせているのだ。
だが、一部の使用人からよく思われていないのだ。
この先彼女がどういう立場になるか分からないため、使用人たちも表立って何かすることは無いようだが、陰口は少なくないらしい。
「準備できた?」
フェリアが我慢できなかったのか部屋を除いてくる。
彼女も先ほどのパジャマ姿ではなく、シンプルなドレス姿に着替えている。
「今終わったよ」
「じゃあ、朝ごはんに行きましょ」
「ああ」
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