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転生した主人公たちは一度は俺ツエエ! に憧れたはずだ。
実際に転生を百回以上繰り返した私のステータスは数値上ではレベル一でもレベル五十並みであるはず。
なので、努力値振りをしないで適当に百レベルにしても本来の二十倍以上のステータスを持っているはずなのだ。
だから。
「訓練じゃなくて、魔物退治に行きませんか?」
私が倒れたあの日から半年がたっていた。
今では歩くのだって完璧にできていた。
完璧すぎて。
走らされていた。
「ほら、水玉のコントロールが疎かになってるよ」
魔法で作った四つの水玉を体まわりでクルクルと動かしながら。
パパンから水魔法のスキルブックを貰って発動までは簡単にできたが、この操作が意外と難しかった。
今の魔力では水玉を四つ出し続けるのが精いっぱいで、その内二つしか高速回転させられなかった。
ただ、これを走りながら行う理由が分からなかった。
「た、たいりょくが」
「極限状態の時ほど魔力操作が疎かになるものよ。それに、体力も魔力も使い切って初めて成長するもの。これを繰り返していけば、あなたが魔法職に就くにしろ、戦士職に就くにしろ、将来的に大きなアドバンテージになるのよ」
初めて聞く。
GRWでは魔力量は努力値とレベル上げによって決まっていた。
必要以上の訓練は成長に意味が無かったはず。
この世界では違うのだろうか?
でも、この半年で体力がついて屋敷の周りを走っても数周は余裕で走れるようになった。
最初は半周も走れなかったのに。
成長の仕方は、レベル上げだけじゃないのか?
「まあ、まだまだ時間はあるしな」
前世ではGRWで百回以上転生するのに三十年間しか費やせず効率重視でレベル上げしてきたが、この世界ではそれこそ転生するのに一生をかけてもいい。
「そんなことないぞ。ヒューマンは私達エルフと比べると半分も生きる時間が無い。急がないと私より強くなんてなれないし、結婚できる機会があればお前の事なんて待ってられないからな」
それはまずい。
「急がないと! 先生とラブラブ時間が減ってしまう」
「結婚できること前提で話を進めるな」
「エルフ自身その話題をよく口にするし、半ばもう落ちてるんじゃないか?」
「はあ!? 毎日熱烈に告白されるからって、こんなこと初めてだからって、赤ん坊相手に本気になるわけないじゃない!」
そんな事をいう先生だが、顔を真っ赤にして嬉しそうにする当たりパパンの言う通りなのではないだろうか。
「「……」」
パパンと私は視線を合わせる。
(いつまで待てばいい?)
(成人するまでは待ちなさい)
この世界での成人は十五歳だ。
もうすぐ、私が生まれて一年だ。
後十四年。
「待てなかったら、ごめんさない」
「異種族間は子供ができにくいというし、一、二年くらい早くお手つきしてもありじゃない?」
「さすがパパ、話が分かる!」
「お前達親子は!」
おっと、先生を揶揄い過ぎたか。
さて、話が逸れてしまったが。
「パパはどうされたのですか?」
「そうだ! もうすぐ、バルトンの誕生日だろ、何が欲しい?」
欲しい物。
なんだろうな。
しいてあげるなら。
「れべ、じゃなくて魔物討伐、かな」
「「……」」
パパンはおろか先生まで黙ってしまった。
おかしなことを言ってしまったのだろうか?
「ダメ?」
「ダメではないが」
「普通、子供は嫌がるものなのだがな」
だが、二人から了承を貰った。
これで本当にこの世界にレベル上げという概念が無いのか分かる。
今から誕生日が楽しみになったのだった。
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