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フランスの壁

「それではこれより歩兵の進軍を行います!」


「ご武運を!」


ドイツ軍は砲撃によって敵の拠点を弱体化させ、歩兵による直接の攻撃によって占領を着々と行っていた。


「中隊長、我々も戦線をより前進させましょう」


「いや、待って。まだ気が早い」


「そうですか?」


ラインハルトは言い知れぬ不安を抱いていた。このままフランスが何も抵抗してこないはずがない、ラインハルトの頭の中には未知の敵に対する警戒心が芽生えていた。













「ペタンさん、俺に用ってなんですか?」


「おい!言葉には気をつけろと何度言ったらわかるんだ!!」


軽い口調の若いフランス兵がペタンのいる作戦室に顔を出した。


「まあ、良い。此奴はそういう人間だ」


若い兵士に怒鳴った将校はペタンに宥められて渋々黙った。


「さて、『トーマ』。私はお前に頼みがあって呼んだのだ」


ペタンに言われて、トーマは姿勢を正す。


「は!この『ロベール・トーマ』、ペタン将軍の頼みとあらば謹んでお受けします!」


「調子の良いやつめ……」


隣にいた将校は小声で愚痴をこぼす。トーマはニコニコしていたが。


「ドイツ軍は現在、ヴェルダン地域を攻撃中なのはわかるな?そこで、私はこのヴェルダンを死守しなければならない。だが、敵にはどうやら噂に聞く『砲撃王』がいるらしい。お前は退けられるか?」


トーマは興味津々で尋ねた。


「『砲撃王』?!かっこいいですね!なんですか、その称号!?」


「東部戦線で広まった名前らしい。とにかく、そいつは砲撃の達人だ。お前は倒せるか?」


トーマは首を上に傾けてしばらく考えた。将校たちは少し緊張しながら彼の所作を見る。

トーマは考えた挙句に指を鳴らして答えた。


「良いですよ。その王(・)様(・)だかなんだか知りませんけど、俺なら勝てますね。要はヴェルダンを守り切れば良いのでしょう?」


「そうだ。やってくれるな?」


「わかりました〜」


トーマは軽い感じで答えた。将校たちは、トーマが防衛戦の担当をすることに異議を唱えなかったーー。












ドイツ軍は急襲的な攻撃によって順調に敵陣地の中を進むことに成功していた。進軍中の兵士の中には少しばかり油断するものも現れていた。


「実はさ、俺たちってもう勝てるんじゃないか?」


「なんでだ?」


「だって、この都市押さえたらパリまで直線だろ?」


「まあ、確かに」


「やっと戦争終わるぜ」


呑気に会話している最中、彼らの隊列に爆風が生じた。


「なんだ!?」


「敵!!!」


突然、多くの砲弾がドイツ軍を襲う。予期せぬ攻撃は、ドイツ軍の混乱をもたらした。

ーーそれを遠くで眺める者が一人。


「当たってるかな〜」


「砲撃は完璧と思われます!」


トーマは双眼鏡でドイツ軍のいる場所を確認していた。蟻のように散開してゆく敵軍を見て、トーマはにやにやする。


「お馬鹿さんだね。敵には大砲がないとでも思っていたのかね」


「全くその通りでありますな」


「これじゃあ、歯応えないなぁ。味方が到着したら、もっと圧力かけちゃうか」


トーマは尚も笑っていた。

読んでくださりありがとうございます。次の作品が投稿され次第、ぜひ読んでいってください。

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