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家ってチート?この家だけだよね?

 振り下ろされた。あー、これは死んだなー。

 短い異世界生だったぜ……疑似スローライフちょっと楽しめたからいいかな?

 いやよくない。俺はもっとスローライフを楽しみたかった。クソ、死にたくはなかった。

 ……遅くね?なんか遅くね?即死こなくね?

 そう思って目を開けると……なんと!俺の前にはあの素敵マイハウスが!まるで城壁の様に立って俺を守っている。

 様子を見ると家を警戒し、地面から立ち上がる龍が……え?家凄くね?

 まぁそれは別として……家が出たなら問題ないな。

 裏口の鍵を開けて中に入る。ただいま!マイハウス!

 とりあえず管理室に向かった。確か武装はだいたいあそこで使ったはずだ。

『マスター。危機一髪でしたね。』

「人工知能さん……まさか、お前が?」

『そりゃそうですよ。マスターに死なれると私だって困ります。』

「人工知能さんッ……!」

 人工知能さんは素晴らしい。これからは人工知能様とお呼びするべきかもしれない。

『とにかく、さっさと戦ってください。家の中にいればまず間違いなく死ぬことはないですが、どうせならマスターの経験値にした方が有効活用になります。』

「ん?経験値とかあるの?」

『そりゃありますよ。レベルがあって経験値がないわけないでしょう?』

「それもそうだな。」

 というわけで椅子に座る。やべぇ負ける気がしない。

「よし!早速やるか!とりあえず武器の性能確認がてらライフルでぶち抜こうかと思うんだが、ライフルのボタンはどれだ?」

『それもいいですが、マスター。このままだと冒険者達も巻き込まれて死にますよ。』

「あ……」

 忘れてた。ていうか生きてたんだな……龍はどうやらこっちにしか興味を示してないようで、突進しては弾かれてる。哀れぇ……

「えと……外に声流せる?」

『できますよ。スピーカーボタンを押してください。』

「スピーカーボタン……お、これか。」

『え~、ガリア達冒険者諸君!今からこの龍を倒そうと思うので、巻き込まれたくなかったら全力で逃げるように!一度忠告したので、やられたらまぁ……自己責任で。』

 そういうと猛ダッシュで撤退し始めた。なんか面白くてバカっぽい。これからはおバカ三人衆って呼ぼうかな。

「よし、じゃあライフルでぶち抜こう!ボタンどこボタン!」

『落ち着いてください……上から二番目、二番のボタンです。』

「これか?」

 ポチると機械音がした。

「外にライフル出た?」

『出てますよ。』

 やばいなこれは……厨二心が刺激されて、ついついテンションが上がってしまう。

「発射ボタンは、どれだ?」

『一律で中央の丸いボタンです。狙いはしっかりつけてくださいね。』

「どう狙いつけんの?」

『レバー動かして調整です。』

 レバーを動かすとディスプレイの映像が動く。いい感じに龍が、作戦を考えているのか動かないので、しっかり頭部に狙いをつけた。

「よし来たぁ!いけぇ!」

 ドガンッ!という音と共に高速で弾丸が撃ちだされる。その弾はまっすぐ進むと、龍の頭部をぶち抜いた。

 ……えぇ?目の前にいるのは首なし人形……首なしドラゴン?とにかく、一撃だったようだ。

『おめでとうございます、マスター。さすがの狙いですね。』

「いやいやいやいや……威力おかしくない?試し撃ちのつもりだったよ?」

『マスター。ここは異世界です。』

「うん。」

『異世界の脅威に、地球産そのものの威力でなんとかなると思います?』

「思わない。」

『ですよね。つまりこれは、異世界補正付きの超強兵器……とでも思ってください。』

「………」

 確かに、異世界で銃火器を使って魔物を屠るというのは厨二心が刺激される、素晴らしいことだ。

 だがしかし……超強兵器で一撃は、なんか違くない?

 やるせない気持ちを抱えて、異世界初勝負は終わったのだった。

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