家、凄くない?女神に感謝しましたまる
驚愕した。もう確定だ。女神はマジでまともでいい女神だった!
外装を確認したらそりゃあ中に入るわけだが、とりあえず鍵は開いていた。玄関に五本くらい鍵が置いてあったので、これを使って戸締まりちゃんとしよっと!……五本もいる?家使うの俺だけじゃね?
まぁ、それはいい。ちなみに三階建てで、普通に日本にありそうなやつだった。三階建ての建物って時点で異世界さんではあまりお目にかかれないと思うのだが、三階建てなところだってあるはずだ?うん、きっと……
そして……俺が驚愕し、女神の評価を底上げした理由それは!家具だ!
冷暖房完備であってほしいとか思ってたが、冷暖房は普通にあった。すげぇ。
キッチンもあれば、風呂もあるしトイレだってある!ユニットバスではないというおまけつきだ。
ベッドだって普通にあるし、冷蔵庫も洗濯機も当然のように置いてある!果ては電子レンジまであるという徹底ぶり。これはワンチャン自宅(日本)超えたな?
アイテム袋の食材があるという話は聞いていたが、冷蔵庫の中にも食材が入っていた。料理は多少勉強してあるのでさらにありがたい。なんなら食器入れてる棚の下にある引き出しからカップ麺は出てきたし、冷凍庫には冷凍食品がある。俺のスローライフはこの家だけで完成した?定期的に食料さえ手に入れれば、もうオッケーな気がする。
そして食料なんて今は注文できる時代だ。近所にスーパーあるかな?……さすがに冗談だが。
ともかく、これでしばらく過ごせばいい。誰かがピンポン鳴らしたらその人を捕まえて食料運搬役を担わせよう。お金も置いてあったしな。うん、女神やばいね?
そんなこんなで生活し始めて、早一週間。食料はまだまだあるが……できれば町チカに建てたいな?でも近くの町ってどこだろう。グー○ルさんはさすがに家になかったし……
なんてことを思っていたら、ピンポンが鳴った。初めてのお客さんだ!
「は~い?何か用?」
扉を開けると、目の前には三人の人が。しかもボロボロだ?
「本当に……ひと頑張りいたのか……」
え、驚かれた!人の家ピンポンしておいて「いたのか……」は失礼じゃない?
そんなことを思っていると、リーダーっぽい人が頭を下げてきた。
「頼む!顔も知らない俺らが頼むのが怪しいことはわかってるが……助けて欲しい!」
助けて欲しい?害意あるものは入れなかったはずだし、本当に助けて欲しいんだろうな……
でも、まぁ助けてあげた方がいいかな?近所の町を案内して貰えば、食料の心配までなくなる。
というわけで、家に上げてあげた。
ボロボロなので回復しないといけないだろう。和室に行って、押し入れから段ボールを取り出す。中に入っているのは500mlペットボトル×24本。入っている液体は「ポーション」だ。段ボールにマジックでポーションって書いてあったので間違いない。
これは主に、飲むと元気になる上謎に爽やかな味がして上手いので、風呂上がりに飲んでいるのだが……怪我直すのには役立つだろうか?ゲーム的ポーションならいけるはずだが……
「おまたせ~、とりあえずどうぞ。」
コップに分けたポーションをあげる。
「……これは?」
「ん?ポーション。飲むと元気になるよ。」
そう言うと戦々恐々と口にする。失礼だと思わなくもないが、別に気にしない。あと謎の飲み物について聞いてポーションって答えられるのは普通逆の立場じゃないだろうか?いいけどさ……
飲むと急速に傷が癒えていく。おぉ~、確かに効果があるみたいだ。
「なぁこれ、フルポーションじゃないか?」
「フルポーション?」
話を聞くと、どうやらめちゃくちゃレアなやつで、欠損部位の修復までできるらしい。いつも風呂上がりに飲んでたよ!?もったいないことしたかもな……
ちなみに、入ってきた三人はリーダーらしきおじさんと、剣士っぽい若い兄ちゃんと、魔術師っぽい若いお姉さんだ……もちろん若いお姉さんにポーションはちょっと多くあげた。だって美人なんだもの。
「まずは……感謝する。あのままじゃ俺らは皆死んでた。まぁ、こんな砂漠に立派な家があるとは思わなかったが……」
「別にいいって。こっちも知りたいことあったし?情報料?」
こそこそと兄ちゃんとお姉さんが話している。「情報料って高くない?僕ら国家機密とか知らないよ?」「落ち着きなさい。私も怪しいとは思うけど……」酷くない?町まで案内してほしいだけなんだけどな……
そんな感じで、ちょっとお話が始まった。よく考えたら異世界初会話だ?