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告白です可?チョコまんです

あけましておめでとうございます!

今年もどうぞよろしくお願いします

 

 やあみんな、元気にしているかい?

 俺は頗る元気だ!


 ん?えらくウキウキしてるじゃないかって?

 分かっちゃった??

 そうさ、俺は浮かれている…何故かと言うと。


 今日がバレンタインデーだからさ!!!


「はい、先輩。本命チョコです。」

 そう言って綺麗な包装紙に包まれた高級チョコを押し付けてきたのは阿久根だ。


「あ、いや…本命はちょっと受け取れないよ。だって俺、好きな人いるから。」

 そうミヤは、阿久根へとスムーズに返した。


 この通り、阿久根に対する幽霊の妨害は、完全になくなった。

 呪いは解かれたと思われたのだが、阿久根への呪いのみ解呪だったようで、イトへの告白は未だにできない状態で、呪いは続行中なのである。

 そんな変わらぬ日々を過ごしている。


 だが、本日はそうあの日!?

 バレンタインデー。


 世の男共がソワソワする日であり、俺もそんな男の1人なのだ。

 そう、イトからのチョコを大いに期待しているわけだ。


 少し前に2月14日は学校へ来るのかとイトに聞かれてから、俺はずっとご機嫌だ。


 だが、その前に阿久根からも連絡があり、その日は授業もあるから大学へ登校するとは返信していたのだが、まさか、本命チョコと言って渡してくるとは…。


 あの告白以来、何とも言えない関係となってしまっており、彼女は諦めずに俺に絶賛猛アタック中だ。

 今日も授業が何限にあるとも伝えていないにも関わらず、教室の前で待ち構えていて、こうして捕まっているくらいに彼女の行動力は凄まじい。


「じゃあ、友チョコという事で、受け取ってください。本当は本命チョコだけど。」

 そう言って、阿久根は無理矢理、ミヤの手にチョコを握らせた。


 箱は小さいモノのこのチョコが超有名パティシエ作の数量限定チョコであり、可愛くないお値段であることを、ミヤは知っている。

 正直、少し食べてみたい気もあり、友チョコならばと、受け取ってしまうのであった。


 偶然、その様子をイトが見ていたのだが、ミヤは気が付いていない。


   ***


「最近、あの二人の距離がグッと縮まったのよね…お寺で何かあったのかな?もしかして、ミヤは私への告白を諦めてしまったとか??」

 阿久根がミヤへとチョコを渡す現場を見て、足早にイトは引き返し、そう友人の小倉唯が心配そうに追いかけていると、イトが唐突に切り出したのだ。


 最近、宮若の呪いを解くために寺へと泊まり込んだ話は聞いていたが、まさか、宮若が心変わりをしたと言いだすのではと戦々恐々だ。

 寺で何があったのか詳しく話すよう、イトに優しく促す。



「う~ん、未だにイトと宮若とは何も進展がないのか…告白は、やっぱり待つつもりなの?もう、こっちから言っちゃえばよくない?イトも宮若の事を好きなんだから、どっちから告白して付き合うことになってもイイじゃない。」


 小倉がそう言うと、イトは真っ赤に顔色を染め答える。

「そ、そうなんだけれどさ、勇気が出なくて…」


「そんな余裕ブッこいてると、あの()に掻っ攫われちゃうよ!!」

 後ろを親指で挿しながら、小倉は言う。


「そんな…彼が私を好きになる前、高校生の時クラス委員を一緒にやってる時から、私はずっと彼を好きなの!?告白できずに大学まで追って来ているのに。彼を取られるだなんて…」

 そう言って顔面蒼白になるイトに、小倉は後押しする。


「そうならない為にも、気持ちを伝えるしか、行動しないと駄目じゃん!!さあ、さっき買ったアレをサッサと渡しておいで!!それを渡せば伝わるよ。」

 小倉はそう言いながらイトを方向転換させて、背中を押した。


 不安そうなイトは、小倉と自身の持っている手提げを交互に見て、決断する。


「い、行ってくる!」

 イトは小倉の後押しで、ミヤの元へと戻るのであった。


 先程の場所へ向かう途中で、イトはミヤに遭遇した。

 ミヤはイトを見掛けて嬉しそうに掛けてくる。


「イト!」

 ミヤは笑顔で名を呼ぶ。


 イトは緊張していた。

 これを渡すことは、告白するも同じなのである。

 渡した瞬間に、ミヤに自分の気持ちが伝わるとなると、心臓の鼓動が早くなり、汗が滲み顔がこおばる。


 何か話さなければと思うものの、何も言葉が思い浮かばない。

 会話も出来ずにいたのだが、間が怖くなり、ニコニコと優しく微笑むミヤに手提げ袋から出した例のアレを勢いよく押し付けた。


 これで、ミヤは私の気持ちに気づいてくれるだろう。


 どんな反応を示すだろうか…

 何というのか??

 期待と不安を胸に抱き、イトは強く、それをミヤの腹部に押し付けた。


「ゔっ。」

 とミヤが声を漏らした時、ミヤの後ろから腕が伸びた。


 次の瞬間、ミヤは首を羽交い絞めにされていた。

 ギブギブと、首に巻き付いた腕を叩く。


 首から腕が離れると、お叱りの声がした。

「おっせーぞ!!今日は研究室発表会だと言っただろう!!早く教室へいくぞ。」


 そう言い放ったのはミヤの研究室の先輩の霧島であった。


「ハッ、すみません。今すぐに行きます!」

 ミヤは慌ててイトへと背を向けた。


 だが、すぐにイトを振り返り、

「ごめん、イト!今から重要な発表会なんだわ。終わったらすぐに連絡するから。」

 そう言って、慌てて走って行ってしまった。


 イトの心は肩透かしを食らい、宙ぶらりんとなり、何とも言えないモヤモヤだけが残った。


    ***


 2時間後。


「じゃあ少し休憩ね。」

 准教授がそう言うと、各々は背筋を伸ばし、ストレッチをする。


 院生の学会発表の模擬として研究室内で披露していたので、今まで真剣に聞き入っていたのだ。


 そう言えばと、先程イトから手渡された荷物に目を向けた。


 ビニール袋を押し付けられたのだが、何が入っているのかはまだ確認していなかったのだ。

 袋を引き寄せ、中身確認する。


 袋に手を入れ、何か生暖かなものが手に当たる。

 チョコかと期待したので少し残念である。


 それは、ふんわりと柔らかく、まだ少し暖かい。

 手で掴み、中から取り出してみると、コンビニで売られている中華まんであった。


 それも、いつも食べている菓子パンメーカーが発売している冬季限定のチョコまんだ。


 ミヤはイトの優しさに笑顔になる。


「お!?チョコまんか!!お前、彼女いたのか??」

 隣の席に座る霧島がチョコまんを見てそう言った。


 その横に座っていた横川が口を挟む。

「霧島さん、ミヤは片思い中ですよ。彼女は居ません。」


「え、そうなのか?バレンタインに女からチョコまん渡されていたから、あの子が彼女なんかと勘違いしたわ。違ったのか、すまん。」

 霧島が謝った。


「バレンタインデーにチョコまんもらうって、何か意味あるんですか?」

 ミヤは知らなかった。


「え?お前知らないの??今流行ってるぞ!」

 霧島が教えてくれた。


 今、テレビで放送している【私の初恋は難しい】通称 わたむずの有名な名場面なのだという。

 わたむずとは、不幸体質で現実逃避気味のオタク少女が、ある日、入学した学校で二次元の推しにそっくりな先輩を見つけ、ストーカーまがいな行動を取る。

 その後をつけていた際に、その先輩の親友に警告される。

 そして、その親友先輩にオタクがバレて、2人が恋をする話だ。

 オタクだから漫画の内容を参考にし実践したりするのだが、うまくいかない所が面白いのだと言う。


「お互い好きなんだが、もどかしくてね、ヒーローは主人公が自分の親友の事が好きだと勘違いしているし、主人公もヒーローは慈善事業で優しくしてくれているのだと勘違いしていてもどかしかったんだ。でも、先週の放送で、漸く、先輩が主人公の気持ちに気がついて、積極的に動いたんだ。バレンタインデー、部活帰りにコンビニの前で待ち合わせをして、主人公の持っていたチョコまんを齧ったんだよ。そしてこう言った“バレンタインだから君からのチョコが欲しかった”って“プレゼントは受け取らないんでしょ”という主人公の問いに、先輩が“君からならいいんだ。君の気持ちは知っている。俺の気持ちと一緒だ”って言ったんだ。」


 つまりは、バレンタインデーにチョコまんを彼女が渡すのは両思いの証となり、今、恋人たちや思い切って告白する人の間でバク流行りらしい。


「…両想いの証…」

 ミヤは呆気にとられた。


 そうであってほしいとは幾度も想っていた事であるが、現実にその可能性をほのめかされて、思考が嬉しさに溢れ、一時停止した。


「チョコまんは両想いの証……それ、マジですか??」

 ミヤは再度確認する。


「おう、本当だぞ。高視聴率ドラマたからな、色々なメディアでも取り扱われているし、SNSではバズるっていうのか?それだ!本当にお前、知らないのか?今、コンビニのチョコまんは品薄だぞ。」

 逆に聞かれてしまう。


「はい、このところ忙しかったし、テレビ見てなくて、それにもともと恋愛ドラマはあまり見ないので…」

 ミヤは今にもはち切れそうな気持を抑えて、先輩に対応した。


 その後、少し電話してくると、席を立ち、居ても経っても居られずに、イトへと電話を掛けた。


 時計を見ると、イトが受けると言うっていた講義すでには終わっている時間だ。


 “出ろ!!今すぐに出てくれ!”

 想いが通じたのか、コール音が途切れ、あの幸福の声が聞こえた。


「もしもし、ミヤ?」

 イトの声はミヤの細胞1つ1つに染みわたる。



「あ、あっ、今大丈夫??あ、あのさ、チョ、チョコまんありがとう!!!」

 どういたしましてと言う、先程よりも少し緊張感のある声でイトが返し、沈黙となる。


「あっ、あのさ、もしかして、イトがくれたチョコまんって、バレンタインデーなの?」

 ミヤもかなりぎこちない。


「そうだよ。」

 イトもさらに緊張した声で答える。


「あ、あのさ…あのさ、これって、俺の勘違いじゃなければ、ドラマの意味で俺は受け取っていいの?」

 勢いよく、ミヤは確認した。


「うん、そう。」

 イトも間髪入れず、返した。


 ミヤはどうしようもなく舞い上がった!!

 ずっと告白したかった相手からの自分を好きだと言う告白なのである。

 嬉しくて、嬉しくて…

 部屋の天井を平泳ぎしそうなくらいであった。


両思いだったのである!!!


「イトが俺を、好き…」

 そう、無意識のうちに呟いていたミヤは、声に出て居た事さえ気が付かなかった。


 だが、その言葉の途中で、いつものように妨害が入った。


 ボン!!という破裂音が携帯電話の向こう側から聞こえたのだ。


 我に返ったミヤは、慌ててイトへと、何があったのかと質問をする。


 その時、同室に居た小倉が窓から顔を出して叫んだ。

「イト!!斜め上の部屋から煙が出てる!早く逃げよう!」


   ***


 イトは焦っていた。

 小倉が叫んだ直後、逃げるためにドアノブを回し、ドアを開けようと試みたのであるが、自習室の前にある大講堂から多くの人が出てきているようで、ドアが開かなかったのだ。


 ドアの向こう側では、怒号も聞こえてきていたので、無理に開けられなかった。


 その際に、ガンッと言う何かが扉にぶつかる大きな音もしたのだが、その時は気にもしていなかった。


 実は、外側で、誰かがドアノブに強くぶつかり、鍵が歪みロックが掛かってしまったようだ。

 つまりは、開かないのだ。

 それに気が付いたのは、煙の臭いが室内へ侵入する頃であった。


 パニックに陥った、


 小倉もパニックに陥っていて、脱出方法を考えてもらおうと、頭の良い菊池へと今の状況をSNSで送った。


 煙の臭いが酷いので、イトと小倉は屈み、背を低くして考えを巡らす。


 その時、ドアを叩く音がして、外から大きな声が必死に声を掛けてくる。


「イト!!いるのか?返事をしてくれ、無事か!?」


 声の主はミヤであった。


「いるよ!私達は無事。けれど、ドアが開かないの!!」

 イトが震える声でドアの外に居るミヤへ必死に訴える。


 ミヤは外からドアの様子を探る。


「歪んでいる…ドアノブの所に強い衝撃を受けて、歪んでいるようだ。古いノブだし、中のロックが勝手に掛かったのかも、引っかかっているのかもしれない。そこに下敷きはある?隙間にそれを差し込んで、回してみて欲しいんだ。」

 ミヤがそうアドバイスを送る。


「やってみる!!」

 イトが部屋に漂う気持ちの悪い臭いに、顔を歪めながら、そう言い放ち、即座に行動へ移した。


 机の上に散乱していたノートの間から親しきを引っこ抜き、言うがまま従う。


 すると、カシャンと言う音がして、ドアは開いたのであった。


 ドアが開き、ミヤはイトに突進し、抱きしめる。


「無事で良かった!俺達は同じだったんだな。でも今からそうじゃない、チョコまんだ!」



   ***


 少し前に遡る。


 ボンと言う破裂音はキャンパス中を駆け巡っていた。


(何だ?)

 皆がそう考えた。

 その後、菊池の携帯に連絡が入った。


「あ、おぐちゃんからだ。」

 菊池がスマホ画面を確認すると、小倉からのメッセージが表示されていた。


「え…何か、さっきの音、爆発音だったみたい。おぐちゃん、イトちゃんと一緒に、部屋に閉じ込められちゃっているみたい…助けてって。」

 菊池が、隣にいた宮崎へと画面を見せると同時に、五島がそのスマホをひったくる。


「マジか!?」

 五島は急いでイトの居る場所を確認し、走った。


(桜ちゃん、無事でいてくれ!!)


 走って向かうと、人の群れにぶち当たる。

 煙の立ち上がる校舎の周りに、多くの野次馬が押し寄せていた。


 イトが居るのは、自習室の1002号室、煙の上がっている部屋の隣の真下の部屋だ。


 目視で確認した時に、隣の野次馬の会話が聞こえてきた。


「研究室でコンロ使っていたらしいよ。鍋パだって。」

「え、それでボヤに?」

「ああ、火が机の上に山住になっていた書類に燃え移ったらしい。」

「さっき聞いたんだけど、消防、駆け付けるの遅れてるらしいよ。」


 その言葉が耳に入った瞬間、五島は行動に出て居た。


 イトたちのいる部屋の真上に向かう。

 扉を勢いよく開けるが、火事の影響なのだろう、誰も室内には居なかった。

 

 窓を開け、真下を覗き込む。

(この下に桜ちゃんが!?怖い思いをしているだろう。急いで救出しなければ!!)


 五島は、右側のカーテンを力いっぱい引っ張った。

 カシャンという音を立て、カーテンは外れる。

 左側のカーテンの先に結び付け、長さを増やした。


 唾を飲み込み、義島は覚悟を決め、窓の外へと身を乗り出した。

 

   ***


 ミヤの視界には、もの凄い光景が飛び込んできていた。


 五島が、窓をけ破り、突入してきたのだ。


 ミヤは咄嗟に少し離れた位置に居た小倉の手を左手で、大きく踏み込み、力いっぱい引き、ドアの方へと引っ張った。

 そして、抱きしめていたイトを体で覆うように庇う。


 何から庇ったのかと言うと、窓の割れたガラスからだ。


 ミヤの頬に、破片が飛び、小さな傷をつける。

 背中には、小さな引っ掻き傷のような切り傷ができ、血の滲む跡が出来た。


 だが、お陰でイトや小倉は無傷であった。

 小倉は強く引っ張られたため、少し腕に痛みを感じたが、ガラスの被害が全く無かったので、文句は言えない。


「ミヤ!!大丈夫!!!!」

 イトが心配し、ミヤを見上げる。


「何ともないよ。イトは?」

 ミヤはそう答えた。

「大丈夫よ…」

 イトは盤面蒼白のまま、すっぽりとミヤの内側に納まっており、身動きが取れなかった。


「っ、桜ちゃん、無事か?」

 声のする方へと皆の視線が集まった。


「キャッ!先輩、血が!?」

 イトが短く悲鳴を上げる。


「ハッ!?五島さんですか??大丈夫ですか???」

 小倉が心配な声を発した。


 その声に、イトも反応し、

「先輩!?だ、大丈夫なんですか??」

 と、声を掛ける。


 それもそのはず、五島は血まみれであった。


「大丈夫だ、それよりも桜ちゃんが閉じ込められていると聞いて助けに来たんだ…」

 そう、五島が話したと同時に、ミヤは救急車を呼んでいた。


「救急車をお願いします。場所は〇×大学です。血まみれの患者がいます。ガラスで切ったようです。」


 どうやら、五島の救出作戦は失敗に終わったようだ。

 逆に、自身が怪我を負い、貧血で倒れ、一晩入院する羽目になった。


  ***


 翌日、イトは五島の入院する病院へ、小倉と共に、訪れていた。

 ミヤも一緒に来たがったが、バイトがあり、来られなかったのだ。


 ミヤはイトを助けに来た五島が怪我をしたという事実から、恩着せがましく、甘えたり、変な事させようとしてきたり、交際を迫るのではと心配していたのだ。


「先輩はそこまで腐った人じゃないよ!」

 とそうミヤを説得し、お見舞に来たのだが、間違ったかもしれないと、イトは思い始めていた。


 先程から、ああ痛いと言う言葉とセットで小さなお願いをさせられている。


 今は不安になるからと、手を握ってくれと言う謎のお願いをきいている最中だ。


 小倉はそれを訝しげに見つめる。

 先輩だし、包帯ぐるぐるな状態たから、注意が出来ないでいた。

 その時、電話が胸ポケットの中で震え、画面を見ては急いで病室を出て行ってしまった。


「やっと2人になれたね。」

 五島はこれを狙っていた。


「ごめんね、変な難題を怪我にかこつけてやってもらっちゃって…俺の好きな人にやってもらいたいリクエストだったんだ…」

 五島がポツリと語る。


「好きな人?」

 イトはその言葉を拾い、聞き返す。


「ああ、俺は、君のことが好きなんだ。」

 シンプルな、この男にしては手の込んでいない、シンプルな告白であった。


 先日のガラスを蹴破るあの事故の際に、君達の雰囲気がガラリと変わっていると、救急車に運ばれながら、そう感じていたのだという。

 だから、今日は好きなことをしてもらい。告白し、蹴りをつけようと考えたのだと言う。


「君達が両想いなのに、割って入る気はないよ。でもさ、迷惑かもしれないけれど、答えはちゃんと欲しい。俺が未来を向くために。」

 五島は、これまでに見た和やかな笑顔ではなく、強い眼力をイトへ向け、そう告げてきた。


「ごめんなさい。私は宮若君が好きです。五島先輩とは付き合えません。助けに来てくれて、ありがとうございました。」

 深々と、イトはお辞儀し、答えた。


 病室のドアが開き、小倉と共に、菊池と宮崎が入ってくる。


 ワイワイと、いつも以上に明るい声が病室にこだまする。




あと少し、終わりに近づいているというのに、月1投稿が出来ずにすみませんでした。

最後まで牛歩ですが、進めていきますので、よろしくお願いいたします☆

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