彼女 喪失編
私は某県立高校に通う高校二年生。
高校の偏差値は70近くあり、勉強はできる方だと自負しているが、がむしゃらに、文字通り「死ぬ気」で勉強をしたことはこれまでに無かったし、これからも無理はせずそれなりに勉強を続けていこうと思っていた。
控えている大学受験も、これまで通り無難に乗り切るつもりだった。
彼女に振られるまでは!!!!!!
今でも忘れられない。
私が彼女に振られたのは所属しているマンドリン部で合奏練習をしている時だった。
合奏練習中にも関わらず、不覚にも電源を切り忘れたスマホがポケットの中で振動していた。
不幸中の幸いにも合奏は激しめの曲を扱っていたので他の部員にスマホが鳴っていることはばれなかったが、休憩に入ってスマホを確認するとそこには何やら不吉なメッセージが届いているではないか。
「今から電話できない?」
先日喧嘩したばかりの状況からのこのメッセージ。
かなりヤバイ。
急いで外に飛び出し、彼女に電話をかける。
嫌な予感は的中、こう言われたのだ。
「私達、もう別れない?」
あなたは彼女に振られた経験があるだろうか?
血の気がサッと引いていくような感覚。
片思いの人に告白して振られるのとはまた違ったあの感覚である。
「おいおい、嘘だろ?ちょっと待ってくれよ!」
必死になるのはカッコ悪いと分かっていても、取り乱してしまう私に、彼女は無慈悲の鉄槌を下す。
「もう決めたことだから。」
こうして、私は成す術なく、めでたく「非リア充」に降格したのである。