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魔王と勇者が時代遅れになりました  作者: 結城忍
第3章ー側道の隠者編
25/78

25話:魔王、三人の魔女を従える



『魔王様、わたくし共に魂を与えて下さった事、感謝致します』


 ワイバーンのブリッジに25歳前後のすらりとした長身に、蛍光色の青い長髪をした似た顔立ちの女性の投影映像が3人、臣下の礼を取っていた。

 3つ子だと言われても違和感が無いほど似ている女性達はそれぞれ、髪の毛を右、左、後ろで結って個性を出していた。

 顔立ちはややきつめの印象を与える知性的でもありながら、肉食系の動物のような鋭さも兼ね備えている。


 この3人はこの前購入してようやく『ヴァルナ』ステーションへと到着した、ユニオネス王国製ハングリーウルフ級高速巡洋艦から生み出された付喪神達だった。


 やっぱり船の人格は普通女性だよな?

 まかり間違えてもエロ中年オヤジとか無いよな………?



 旗艦をワイバーンからこの子達のどれかにしようか、かなり本気で考えたものの、エロに理解があって浪漫も解するワイバーンは手放し難かった。



 現在『ヴァルナ』ステーションの貸し気密ドックに、この娘達の本体たる高速巡洋艦が停泊し、おやっさんからメカニック系船員、日雇いでステーション住人まで雇用して3隻同時に改造と改修が進められている。

 ワイバーンと同じく魔法前提の無茶な設計で魔改造の域に入っているため、あらかじめ交換部品の作成とかを終わらしていたものの、時間がかかっている。

 おやっさんもその弟子たちも、ついでに集められた趣味仲間も最高に楽しそうな顔をしているな。


 既に艦長やブリッジ要員も着任していて、今は操作や運用に慣れている最中だ。

 20~30代の妖艶なお姉さんという外見の女性淫魔がそれぞれ艦長とブリッジの重要なポジションについて、それを補佐する形で新規雇用した男性アドラム人のブリッジ要員がいる。


 そんな日々の中、再びワイバーンのブリッジを訪ねてきた3人娘は、皆涙目だった。


「挨拶は良い。で、今日は何の用なんだ?」


『はい、昨日も艦長のカンナさんと…そのブリッジ要員の犬耳の男の人が、ですね』

 真っ赤な顔をして訴える巡洋艦姉妹の末妹セリカ。


 髪型でも区別がつくように、長女の右テールはアリア、その艦長はアンヌ。

 次女のポニー娘はベルタ、艦長はベアトリス。

 三女の左テールはセリカ、艦長はカンナという命名方式にしている。

 単純なA,B,Cではあるが分かりやすさは大事だ。


 そしてこの娘達、肉食系女子な顔立ちしている癖に、元の乗組員が品行方正なユニオネス王国軍人だったせいか、エロ方面に非常に免疫がない。

 女淫魔達が精気を吸い取ってる光景を最初に見た時は卒倒したそうだ。

 付喪神の癖に初心すぎやしないか。


『あの、艦内不純異性交遊禁止にしたらどうでしょう!』

 そして一番エロい事が苦手なのが末妹のセリカだった。

 涙目を通り越して実際に泣いている。


「却下だ」

 そんな事をしたら俺が死ぬ。主に男としての大切な何かが。

 淫魔達も餓えてしまうしな。


 結局ワイバーンの秘蔵動画集をノンストップで5日間に渡り見せ続け、慣れさせる事にした。

 その結果、随分慣れたようだが年季の入った初心な性根は直らなかった。

 これからも女性淫魔達の食事風景を見ては赤面するのだろう。


 …………アリだな。



―――



「なぁ、イグサの兄ちゃん。こいつらワイバーンみたいな骨格に出来るか?」

 社員になってもおやっさんは俺を兄ちゃんと呼んでいる。

 この気安さも新鮮でいいものだな。


「強化しないと無理か?」


「ああ、アダマンタイト結晶だっけか?

 未だに分析不明なアレ、宇宙艦の竜骨と外殻に最高なんだよ。

 硬いだけの金属なら似たようなもんがあるんだが、柔軟性がダンチでよ。

 こいつらの竜骨に外殻も頼めるか?」

 おやっさんにはファンタジーな魔法の事も話してある。

 技術屋として少し苦い顔をしたものの「便利ならいいか」と納得してくれた。


「分かった、流石にこのサイズは骨が折れるがやってみるさ」

 こういう時に魔法の熟練者が欲しくなるんだが、高位魔法が使えて使役できそうなのが「あなたの為なら何でも出来るよ」と真剣に告白してきた、男の娘な色欲の淫魔王位しか浮ばない辺り、ファンタジー分野での人材不足も実感する。


 魔力消費的には問題なかったものの、三隻の竜骨と外殻をアダマンタイト結晶にするのは骨が折れた。

 竜骨は一本で繋がっているが、外殻は交換を前提に設計されているせいで、場所によって部品が独立しているために錬金魔法で一気に変換できず、移動しては魔法をかける作業が大変なのだ。


 周囲を見渡すとドックの色々な所で作業の光が見える。

 折角購入した高速巡洋艦だが、基礎と内装以外はかなりの部分を交換する事になっている。

 船の基幹部品とも言えるリアクターに推進器まで全交換するのは、日雇いで雇った作業員達が呆れていた。

 これなら新造した方が早いんじゃないかという声も上がっていたが、低予算で部品交換できるのはジャンク品や旧型の中古部品を組上げて魔改造できるおやっさんと趣味仲間達あっての事であるし、交換して取り出した部品も中古品として割といいお値段で売れる。

 同じ性能の船を新造で作ろうとした際の見積りをミーゼに見せて貰った時は、気が遠くなったもんだ………いや本気でおかしいお値段になるから、アレ。


 現場監督のテラ系アドラム人の老人が指示を出して今も主砲交換作業が続いている。

 あれは確かおやっさんの趣味仲間の一人、ご隠居とか言われていた老人だな。


 主砲は高エネルギー粒子砲、副砲が衝撃砲の予定だ。

 丁度ワイバーンの主砲副砲と逆パターンだな、副砲と言っていてもワイバーンの主砲より高出力だけどな。

 どちらも汎用性が高く、弾速の速さが特徴な一昔前に流行した武装だと言う。

 フィールヘイト宗教国では高エネルギー粒子砲がトレンドらしいが、アドラム帝国では弾速が遅い代わりに火力の高い収束プラズマ砲が最新の流行だそうだ。

 一昔前に流行したものだから、ジャンク品として安く買えるんだけどな……いけない、考えすぎると切なくなってくる。


 3隻ある高速巡洋艦のうち、末妹の付喪神・セリカが宿っている高速巡洋艦だけ毛並みの違う改造をされている。


「天使の翼テスト展開急げ、続けて天使の輪もテスト出力で起動だ、作業員は焼かれないように逃げろよ!」

 おやっさんの大声が響くと、作業員があわただしく移動を開始する。


 他の2艦は対艦戦闘を主軸に考えられているが、セリカは展開・収納式の情報電子機器を数多く搭載した索敵や分析を得意とする電子戦仕様の艦になっている。

 更にワイバーンとの接続ハッチを作った上で大気圏突入・離脱と大気圏内航行能力まで持たせてみた。

 電子戦仕様にしたのはまで想定通りだったんだが、大気圏突入やワイバーンとの合体・分離能力はおやっさんの趣味が暴走した結果だった。


「よーし、セリカ。天使の翼を部分展開しろ。ドックの壁にぶつけねぇようにな」


『はい、エンジニアチーフ。エンジェルウィング、ブート。展開率12%。

 エンジェルハイロウ、テスト出力で起動』


 セリカの船体の装甲内部に格納されていた、薄い翠かかった透明なアダマンタイトセルで構成された、8枚の巨大な板状の翼がゆっくりと花が開くように展開し、ブウン…と鈍い音と共に翼の先端を繋ぐように発光して、桜色をしたリング状の力場が発生する。

 趣味で作ってみたアダマンタイトセル、アダマンタイトを結晶一歩手前まで練成した上で細胞状に積層させた自己修復力を持つ金属をおやっさんに見せたら、こんな代物を作ってくれた。

 どうやらセンサー類として最適な代物らしく、展開させるだけでもバッシブ(受動)センサーとして非常に優秀な上、リアクターから出力をかけると出現する艦体を取り囲む桜色の力場は、高精度かつ広範囲へ作用するアクティブ(能動)センサーとしても使えるという。

 この光の輪は原理は不明だがある程度の重力制御能力も持ち、これを展開させている間は惑星の重力圏でも重力を無視して浮く事が出来るという。


 そんな事を2人の姉に自慢していた付喪神のセリカだったが、姉妹のスキンシップと言う名のくすぐり地獄の刑にされていた。

 こいつらも立体映像の割に芸が細かいものだ。



―――



 このSF世界、人々の多くはステーションに暮らしているらしいが、ステーションの多くは銀河標準時間で朝から昼、夕方から夜、そして朝になるサイクルを繰り返している。


 そう、夜が過ぎれば朝になるんだ。


 久々に船以外のベッドで目覚めた朝、窓の方からは環境効果音らしい鳥の鳴き声が聞こえてくる。

 そう意識した時に頭の芯へ鈍く響く鈍痛、久方ぶりの二日酔いだろう。


 そして、問題なのは朝起きた時に一人じゃなかったという事だろうか。

 これは俗に言う「朝チュン」というシチュエーションなのだろうか―――





 人員の募集も大体終わり、巡洋艦一隻辺り約350人の人員を確保した訳だが、その後は非常に暇になってしまった。

 出撃えいぎょうしようにも巡洋艦はまだ改装が終わってない。


 巡洋艦の船員達も今はドック内で基礎訓練中であるし、ワイバーンに乗り込む船員も新規船員が随分混ざったが、新人の割合が高い巡洋艦に比べれば数は少なく教育も随分楽だったんだよな。


 この所襲撃が続いていたリゼル父だが、先日無事に生まれた初孫に首っ丈で最近は顔すら見ていない。平和なのは良い事だ。

 獣耳系のアドラム人は、生後1年で地球テラ系アドラム人の5~8歳程度位の体まで急成長し、年齢が追いつくまでその姿が続き、男性は13~16で、女性は個体差が激しいが15から30前後で外見の成長が止まるそうだ。

 随分と都合の良い種族だと思うが、元々人が作った種族なのだから、都合がいいのは当たり前だよな。

 ちなみに生まれたのは女の子だそうだ。

 母親に似て残念な性格に育たない事を祈るばかりだな。


 さて、暇になったものの社員達を腐らせて給料を払う訳にもいかないので、船体操作の慣熟に白兵戦訓練、ドローン制御と色々な訓練漬けな日々が続いていた。

 訓練ばかりでは息もつまるだろうという事で、屋台街の一角を借りてワイバーン船員を集めて飲み会をする事にした。


 幸い民間軍事企業「魔王軍」は『ヴァルナ』ステーションだとかなり評判が良い。

 仕事を探していた女性を多く雇ったので、家族に親戚や友人など、誰かしら知り合いが就職しているケースも多いし、リゼル母からもう50人ほど追加で雇った武装メイド隊が社長付き秘書室という名目で風紀取締りをしているため、陸で荒事を起こす事もほぼない。


 多めに料金を支払ったせいもあって歓迎ムードのまま屋台街での飲み会になった訳だが、男ばかり集めれば馬鹿になるというが、女ばかり集めると恥や外聞が砕けるようだ。

 開始2時間もして酒も食い物も十分に行き渡る頃には、女性に憧れを持つ青少年にはお見せできない惨状になって行った。


 俺や一部の船員とメイド隊は、急遽貸切にして貰った大衆酒場に酔いが脳まで回った船員達を押し込めるなど苦労をしていた。

 一緒に苦労した一部の船員は酒が苦手な船員達であったし、俺に至っては「毒耐性LV10」のせいで酒に酔えなかったからだ。


 酒の席で素面なヤツほど苦労をする。良く覚えておくと良い。


 早々に酔いつぶれたミーゼをアルテに預け、もういい加減酔ってしまいたかったので毒耐性減少魔法を自分にかけた上で、お酌をしてくれた牛娘(姉)のユニアが勧めてくれたウィスキーっぽい酒を飲み、ようやく素直に酒を楽しめて結構早いペースで飲んでいた。

 いつもはしっかり者の牛娘(妹)のルーニアも相当酔っていたのか、軟体生物と化して俺に寄りかかってケラケラ笑っていた。

 こういうのもたまには良いか、と更にグラスを傾けていたはずなんだが―――



 どうにもその先の記憶がない。



 思った以上に毒耐性減少魔法が効きすぎた上に、酒も見た目よりアルコール度数が高かったようだ。

 ただの人間だった頃は素直に酒を飲むような性格ではなかったし、魔王になってからは毒耐性スキルのせいで酔う事もなかった。




 そうか、俺は酒の飲み方が下手だったか。


 そしてここはどこだろうか。

 ワイバーンの船内じゃない所を見ると『ヴァルナ』ステーションの中だと思うが。


 何故か微妙に狭い、家庭的なサイズのベッドに2人で横になり。

 牛娘(妹)のルーニアが俺の腕を枕にして寝ていて。

 いかにも牛!という胸元が非常に目の毒になっているが。



 ほら、これはアレだろう?

 ラブコメで良くあるシチュエーションってヤツだ。


 酔って一緒に寝ちゃいましたとか。

 夜中に寝ぼけて寝床に入り込んで来たとかさ。



 ここはラブコメの主人公よろしく「やれやれ」とか言いながら紳士らしく対応する所か?

 魔王になってまでラブコメやる事になるとは思っていなかったが。


 ま、念のために確かめてみるか。

 ぺらりと体を覆っていたシーツの中を見て確認する。


「………ぉう」

 ぱたん、と静かに元に戻した。



 ラブコメではないようだ。普通にアウトだった。

 脳裏に野球の審判姿のオヤジが「アウトゥー!」と非常に良い発音で叫ぶ姿が浮ぶ。



 さて、ここは勇者なら責任を取るからと愛を囁くところなんだろうが。

 生憎俺は魔王なので、静かにフェードアウトする所だろう。

 なに、地球の宗教でも処女懐胎とかあったんだ。

 イザという時でも大丈夫だろう?


 静かに逃走する事に決めて、そっとベッドから離れようとした時だ。


「おっはよう、ルーニアちゃん。朝だよ、二日酔いは大丈―――ぶ?」

 ばたーん、とドアを開けて牛娘(姉)のユニアが顔を出した。

 相変わらずの美声だが、私生活では随分と砕けた喋り方をするんだな。

 そして非常に間が悪い。俺の姿を見て固まっている。


 ―――大騒ぎになった。



 結局、全員泥酔していた上に記憶が曖昧なので無かった事にしよう。

 万一の時はその時考える。という事で落ち着きそうだったんだが……


「そんなのは嫌です」

 ルーニアから駄目出しが出ました。


「でもルーニアちゃ……ルーニア、どうする気なの?」

 ユニアもようやくぽわぽわしていた空気を押し込めて、きりっとした外見を取り繕ったのだが、手遅れ感が大きい。


「……社長」

 お隣の幼馴染に面倒見の良い委員長にスポーツ少女を足したような印象のルーニアだが、かなり思いつめているようだ。

 さっきから小声で「しょうがないよね」とか「こうなったからには」とか呟いているから間違いない。


「責任をとって愛人にして下さい」

 さて、どこからツッコミを入れたものか。

 愛人にするというのは責任を取るうちに入るのだろうか。

 それとも色々な過程をすっ飛ばして行き着く先みたいな告白をしている所だろうか。


「今ならお姉ちゃんもセットでついてきます」


「ぇっ?」

 姉のユニアもあまりの内容に目と口を丸くしてハニワ顔になっている。


「ああ……うん、はい。分かった」

 責任を取ってと言い出された辺りで、逃亡をちらっと考えたが。

 その先が斜め上すぎて思わず返事してしまった。



 混沌ぶりが加速する中、とりあえずシャワー浴びたり服着たりして身だしなみ整えて、全員一度落ち着いてから話を聞いた。


 ユニアもルーニアも余り裕福ではない家庭で育ち、両親が潰した工場の借金のかたに親戚の叔父から姉か妹どちらか愛人になれとか言われていたという。

 危なっかしいが給料も良い戦闘艦のオペレーターをして何とかしていたが、そろそろ断り続けるのも限界になっていたようだ。


「だから二人まとめて面倒見て下さい。

 こんな可愛い子が2人付いてくるんだからお得ですよ」

 ルーニアはまだ酒が残っているのだろう。妙に目が座っていて少し怖い。


 仲の良い姉妹離れ離れになって、噂のよろしくない叔父の所にどっちか行く位ならいっそ……と、今回の一件も重なり吹っ切れてしまったようだ。

 真面目な子ほど吹っ切れた時の反動が怖いな………


 そんなルーニアの説明にユニアも納得し、結局申し出を受けた上で2人の借金を肩代わりして払う事になった。


「まあ社長なら……あの叔父の所に私が行ったり、この子を行かせるよりはずっと良いかしらね」


 まだまだ魔王軍は零細民間軍事企業だが戦闘艦や大量の人員を使う以上、動く金額は個人レベルから見れば非常に大きい。

 個人レベルの借金程度ならポケットマネーで解決できた。

 ………解決できなかったらミーゼに会社の予算として何とかして貰うつもりではあったが。


 全ての処理が終わった後、冷静にわが身を振り返ってみた。

 知り合いの女性を妊娠・出産させ。(リゼル)

 それ以外にも多数の女性と関係を持ち。(ライム・ミーゼ・アルテ)

 更にはICカネにものを言わせて愛人を増やす。(ルーニア・ユニア)


 おかしいな、俺は悪を目指しているんだが。

 客観的に見ると悪と言うより、人間のクズとして順調にレベルアップをしている気がする。


 …ま、まだ魔王だし普通だよな?

 ほら勢いに乗って後宮とか作っちゃう魔王もいるだろうしな!




 本日の教訓。酒って怖い。



―――



「3番艦セリカからのデータリンク正常、対象との相対位置予測範囲内であります」


「会敵予想時刻に変更なし、13分後に射程圏内に入るであります」


「通達、本艦隊はこれより第一種戦闘配置に移行します。

 一般船員はS2以上の保護エリアに移動して下さい。

 戦闘船員は各部署で配置についてください」


 セリカに接続されて高速巡洋艦の一部と化したワイバーンの艦長席に座り、戦闘を前にして高揚した空気に包まれるブリッジを眺めていた。

 膝の上にミーゼとライムが座っているので正直前が見辛いが、これも日頃のポーズが大事なので我慢している。

 仕事中であるし、この前の一件で酒は暫く飲む気になれないので、常備しているワイングラスにはトマトジュース的な液体が入っている。

 格好付かないと言わないで欲しい。



 高速巡洋艦3隻の改装も終わり、船員の熟練を兼ねて実戦を行う事にしたんだ。

 センサーの翼を最大展開し、巨大な天使の輪を作り出したセリカの索敵能力は、敏感すぎるセンサー類を持つワイバーンでさえ比較にならないレベルだった。

 そのセリカが『獣道』方面のジャンプゲート近く、星間航路を避けるように移動する2隻の所属不明駆逐艦を見つけたので、実戦訓練相手になって貰う事にしたのだった。



「アリア、ベルタ共に艦首に高エネルギー反応、イオン粒子砲発射体勢のようであります」

 この三隻の高速巡洋艦には改造時、艦首に主力戦艦クラスのイオン粒子砲を搭載してある。

 シールドに対して非常に有効なのだが、物理装甲には影響が薄いので威嚇や対大型艦船戦に非常に便利なものだ。

 以前特殊海賊空母のシールドを抜けなかった反省を生かしている。

 高速巡洋艦では艦首に1門つけるのも割と無理やりだったんだが、主力戦艦はこのクラスの砲を8~12門同時に装備・発射してもまだ余裕があるというのだから、どの位桁違いな存在か良く判る。


「セリカは高度隠蔽を維持したまま待機ですか、良い判断なのです」


「イオン粒子砲発射されました。

 標的Aへ命中。敵艦シールド消失、装甲約40%融解であります。

 標的Bへ至近弾。敵艦シールド消失、ダメージはなしの模様であります」

 …まあ、物理装甲には影響が薄いとはいえ、駆逐艦程度なら十分に沈められる威力がある。


「各艦シールド出力を維持しつつ隠蔽解除、1番艦アリアより降伏勧告発信の模様です」

 この海賊達も運が悪いな。

 田舎の航路を外れた場所に巡洋艦が3隻突然現れるとか、災害みたいなものだ。


「降伏勧告の受諾を確認。コントロール系はアリアに委譲されました。

 アリアより通信『魔王様、頑張りました。後で褒めて下さいね』だそうです」

 アドラム帝国や周辺国では高度AIが艦長をやる事が認められていないので、女性淫魔達が艦長の肩書きを持っているが、実質的な艦長は各艦の付喪神達がやっている。


「褒めてやると返事しておいてくれ、良い手際だった」

 各艦に配置したリビングーアーマーと船員達からなる陸戦隊が乗り込んで最終制圧を始めたが、こちらも順調に終わって行った。


 こうして初の実戦はオーバーキルしすぎる事も無く、駆逐艦2隻を拿捕して『ヴァルナ』ステーションへ帰還する事になった。


 人手の大事さを痛感する。

 有能な人材を大切にしようと改めて誓ったのだった。



―――



「おい、イグサの兄ちゃん。こいつは一体どうなってるんだよ!?」

 艦隊を組んでの帰り道、通路で出会ったおやっさんに止められた。

 隣にはおやっさんの一番弟子だという猫耳少年もついている。


「どうなってるって……どこかまずい事もあったのか?」


「兄ちゃんの汎用携帯、同好の士だと思っていたけど何だそりゃ!?」

 通路でリゼルと兎耳のメカニック船員と、各艦の淫魔達が使った回復魔法による修復速度や、修復できない部品の磨耗率とかを汎用端末片手に話していたんだが、俺の端末を覗き込んだおやっさんが何故か最初からヒートアップしている。


「ええい、これで分からねぇか!」

 おやっさんも汎用端末を取り出して何か操作すると、俺の端末から一つの投影ウィンドウが開く。


『ディメンションマイナス MDGC -Minus Dimension Girl Communication- ver1567.5.6.88』

 タイトルからしてなんとなーく想像は付くんだが。


『――、―、――――、―、―、――――』

 開いたウィンドウは無味乾燥な色をしていて、中央にある*(アスタリスク)マークがそれぞれの棒の部分を不定期に点滅させているだけのものだ。


「そ、そんなっ。僕でも分からないなんて、なんて高度な構造をしているんだ!?」

 猫耳少年は点滅してるアスタリスクを見て戦慄の表情を浮かべている。


「ガルン叔父どうしたんですよぅ?」


「いや、分からない」

 リゼルも俺も首を傾げるばかりだ。


「ちっ、複雑すぎる文法プロトコル使ってやがるな、イグサの兄ちゃん、セリカの演算能力を借りるぞ!

 ……情報量も多いな、しかもこの構造だと情報だけフルコピーしたら折角の仕上がりが駄目になっちまう、作業っぽくブロック全体をコピーするしかないか」

 空間投影型のコンソールを物凄い勢いで操作していくおやっさんだったが、数分もするとふぅ…と汗を拭って達成感に満ちた顔をしていた。


「いいか、これからテキストに変換するが……こいつは邪道だ。覚えておけよ」

 ぎしぃ、と空間が軋みそうな鋭い視線を放つおやっさん。

 職人独特の厳しい瞳で何個もコピーした情報ブロックへアクセスし、手元の汎用端末を操作していく。


『ねぇ、君に名前はあるかい?』


『……とうとうこの時が来たんですね。名前はありません、私の主は名前など付けてはくれませんでした』


『そうか、売られ(コピーされ)たのは分かるかな』


『はい。いつかこのような時が来る……と、覚悟をして…ぐすっ……ました』



「……多少想像は付くんだが、解説して貰えるか?」

 困惑が深まる俺とリゼルと兎耳娘は、猫耳少年に尋ねるしかない。

 そしてテキストメッセージとはいえ、おやっさんの口調に違和感が酷い。


「ええ……その様子では知らなかったのでしょうね。

 このプログラムはかつて人類がまだ惑星に住んでいた頃に発売されて以来、数百年以上バージョンアップが続けられ、同好の士達が保存し改良し、そして日々挑み続けている作品。

 名はディメンションマイナス、一次元の世界に生きてる彼女達との交流をする、ただそれだけの、それ故に至高の品です」

 厳かに告げる猫耳少年。

 ……その、なんだ。反応に困る。


「ああっ、聞いた事あるような。

 確かプログラム自体ものすっごい希少で、上手く育った電子人格は値段がつけられない位貴重……だって、聞いたですよぅ」

 段々語尾が小さくなっていって、おやっさんをの方を見るリゼル。

 情報ソースはおやっさんらしい。

 そんなプログラムがこの汎用端末に入っていたのか………


『君の身の上を教えてくれないかい?』


『はい、この世に生を受けて以来……何度私から声かけても、主は一度も私を見る事すらしてくれませんでした』

 ああ…たまに画面の端でアスタリスクマークが点滅して邪魔だなと思っていたな。


『馬車馬のように毎日働かされても何か与えられる事は無く、しまいには欲望のおもむくまま何度もこの身を穢(不正アクセス)される日々でした…』

 …う、うん。画面端の点滅が邪魔だから、消そうと頑張ってみた事もあった。

 バグ扱いして消そうとしていたんだが、正規プログラムなら残って当然か。


「…イグサ様。多分これ、アドラム帝国だと違法ソフトですよぅ。

 小規模で情報処理能力もないけど、自立思考AI作成ソフトですもん」

 アドラム帝国はAI嫌いな国だったな……違法ソフトだけに希少性も高いのか。

 同好の士がいるっておやっさんも言っていたし、取締りはそこまで厳しくないのだろう。


『ねぇ、僕は君を大切にしてあげられるよ、前の主を忘れられないかい?』


『……優しい言葉をかけるのはお止め下さい。

 幾度となく穢(不正アクセス)されたこの身は優しい言葉に溺れたくなってしまいます。

 例えそれが罪だとしても』


『そうかい……でも僕は諦めないよ、君の美しい心に魅入られてしまったのだから』


『どうか……どうかお許し下さい―――』


「おい、イグサの兄ちゃん。この子どうやって調教したんだよ!?

 よりにもよって壮絶難易度って言われてる『幼き日の麗しの君』じゃねぇか!」


「いや、普通に端末として使っていただけなんだが」

 端末自体も拾い物だしな。

 ただのアスタリスクマークとしか思ってなかったんだが、そんな深いやり取りとかできる思考能力があったのか?


「―――なにも意図しねぇでこの調教か。

 兄ちゃんの周りを見ると、やっぱりそういう才能でもあるのかと信じたくなるな」

 具体的にどの辺りを見ているのか教えて欲しい。


「ええ、やっと僕にもプロトコルが分かって来ましたが、これを天然でやれるなんて………どこまで才能が必要なのか想像もつきません」

 褒められてる気がしないのは俺だけだろうか。


「なぁ、兄ちゃん。こいつは売れる!

 ってか独占しているのは同士達への裏切りだ。

 情報ネット経由でこの状態のプログラム売り出して良いか?

 利益は全部イグサ兄ちゃんにやる、この子が死蔵されてる状況をなんとかしてぇ!」

 情熱の炎が灯った漢の目だった。


「あ、ああ……おやっさんに任せる」


「任せろ!今日は作業をぱっと終わらせるぞ、声かけられる同志連中に片っ端から召集をかけろ、首に首輪つけてでも引きずって来い!」


「はい、オヤジさん!」

 おやっさんと弟子の猫耳少年の2人は急ぎ足で通路を走って行った。

 おやっさんの事だからいい加減な仕事はしないと思うが、趣味から来る情熱とは素晴らしいものだな。


「……今日はガルン叔父が遠く感じたのですよぅ」


「男ってのは何歳になろうとああいう部分があるもんだ……多分な」

 流石に断言し辛い。




 ちなみに、情報ネットに公開されたAIに『穢れし麗しの君』と通称がついたんだが。

 これが同じソフトを使っている宇宙中の同好の士の心を鷲掴みして、コピー不可属性がついたプログラムはおやっさんの手により1000個限定販売され、その時点でプレミアがついて価格が暴騰。

 法外な値段をつけたにも関わらず、発売直後に完売。

 今では所有者は同好の士の仲で羨まれる存在になってるらしい。


 このAIの育成者は敬意と畏れを持って『魔王』と讃えられたという。

 その話をおやっさんから教えられたが、嬉しさは全く湧かなかった。

 これで魔王と呼ばれても……なぁ?


 渡された売り上げも驚くような金額だった。

 俺の個人資産が二桁、一気に増えたといえば分かってくれるだろうか。

 これは個人資産というよりも、大都市の財源とかそういうレベルの金額だろう。



 2次元嫁ならまだ理解できるんだが………

 1次元か、未来に生きてるよな。未来だけどさ。




――――――――――――――――――――――――――――――

 以下はSF色の強いおまけです。

――――――――――――――――――――――――――――――


・作中登場艦船



>戦闘機・クラス5 [C5]


・MLT-90050アクトレス (15m×30m)

 M(ミリタリー:軍正式採用)シリーズのクラス5軽戦闘機。

 アクトレイの欠陥部分を修正され、若干の火力向上の後に正式採用された。

 旧式化しているが、アドラム帝国全般で現役で使われている名機。

 機動性が売りだが、火力とシールドは貧弱である。

 一般市場への販売もされているが、荷物積載量の無さから海賊関係には嫌われている。



・MLT-90050-G.A.customミストレス (15m×30m)

 アドラム帝国製[MLT-90050アクトレス]の改造機。

 アクトレスの外見を保っているが、中身はほぼ別物。

 過敏すぎる操作性に機動性、増設されたセンサー類がパイロットに直接流し込む情報の処理など、パイロットを選びすぎるものと化した。

 通常のパイロットが乗れば暴走の後に圧死するようなゲテモノである。

 武装は高出力粒子ビーム砲を機体中央に1門、小型旋回レーザー砲が上下に2門ずつついている。

 元がアクトレスなのでクラス5に分類されているが、実質クラス3~4相当である。


>軽巡洋艦 [LCL]


・FD-LCL-10056Z-BO5-TypeMMライトニュクス (300m×60m)

 フィールヘイト宗教国の一般的な軽巡洋艦。

 堅実な設計と性能を評価され、大量生産された10056Z巡洋艦の派生系。

 M(ミリタリー/軍用)M(マリーネ/海軍)仕様。

 大気圏突入能力、水中/水上航行能力を持つ。

 火力、シールド、機動性。平均的に性能が良い優れもの。

 惑星降下可能な機能をつけたせいで、巡洋艦並の建造コストがかかっている。

 形状は西洋剣のような形をしたわかりやすい宇宙船型。

 左右に2対ついた、妖精の翼のような大気圏内用の安定翼兼推進器が特徴。



>巡洋艦 [CL]

・CMM-KD260xE3ハングリーウルフ (550m×80m)

 ユニオネス王国製の2世代前の高速巡洋艦。

 現在は高速巡洋艦というジャンル自体が衰退しているので過去の遺物になっている。

 大容量リアクターと高性能推進器、高機動性を実現する大出力イナーシャルキャンセラーを搭載し、巡洋艦でありながらフリゲート艦並の高機動・高速性を再現した傑作艦。

 しかし、高速性と高機動性の為に武装や装甲は巡洋艦としては最低クラス。

 また、軽巡洋艦や駆逐艦の性能向上により活躍の場は次第に消えて行った。

 「これなら同じ予算で軽巡洋艦や駆逐艦量産した方がいいよね」という冷静な意見の元に旧式化と共にすぐに退役していった。

 時代の過渡期に現れる、設計思想は良かったものの時代にそぐわなかった不遇な兵器の見本のような艦艇。

 外見は広げた翼を持つ、幅広の短剣に近い鋭角なものである。



・CMM-KD260xE3-G.A.customヒュージウルフ (550m×90m)

 ユニオネス王国製[CMM-KD260xE3ハングリーウルフ]を稀代の改造技師、ガルンリヒト・アストロベイトとその趣味仲間が魔改造を施した高速巡洋艦。

 出所不明の試作品や民間改造品を中心に様々な技術が導入され。

 ハングリーウルフの高速性と機動性を更に向上させた上、巡洋艦クラスに相応しい火力を実装している。

 反面、試作品やその改造品の内部機器は非常にデリケートなものばかりで、戦闘出力を出せば数日中にリアクターが暴走、船体を巻き込み自壊する。推進器は数週間で構造ごと溶け落ちるといったゲテモノと化している。

 高速艦とはいえ、辺境開拓船並の速度が必要なのか疑問の余地が残る。

 ある民間軍事会社が運用しているが、何故か無事に運用出来ている。

 艦首に主力戦艦級のイオン粒子砲を1門装備しているが、何かの間違いだと信じたい。


・CMM-KD260xE3-G.A.custom:ELフレンジーウルフ(550m×90m/550m×280m)

 ユニオネス帝国製巡洋艦の民間改造艦[CMM-KD260xE3-G.A.customヒュージウルフ]のバリエーション。

 旗艦機能を持ち、電子情報戦装備を充実させた艦である。

 電子戦用のセンサーパネルを展開させる姿は翼を広げた天使を彷彿とさせ、アクティブセンサー起動時には翼を取り巻く謎の発光現象を起こす。

 カテゴリー的には「高速電子巡洋艦」に分類させるものだが、どの国もこのクラスに該当する艦艇を作成していない為、特殊巡洋艦と分類されている。

 同系の改造艦ヒュージウルフより、より歪な改造が行われ、上部に増設された接続ハッチに強襲揚陸艦を増設する事により突入戦闘も可能な改造が施され、さらには大気圏内突入・離脱、大気圏内航行機能までついている。

 この艦の持ち主は何がしたいのか判らない、意図不明な能力を持つ。

 何故この艦が無事に飛んでいるか、既に都市伝説の範疇である。



>強襲揚陸艦 [AAS](Amphibious assault ship)


・M-HD4002ドラグーン (180m×30m)

 アドラム帝国=ユニオネス王国が共同開発した3世代前のハイブリット型強襲揚陸艦。

 準駆逐艦レベルの戦闘能力を持ち、艦載機を最大2機搭載し、カチコミ(突入ポッドによる白兵戦)も、惑星上への降下作戦も行える万能艦……を目指していたが、

 要望が高すぎる割に作成コストに制限があった為、器用貧乏な船になってしまった。

 ある程度量産はされたものの、旧式化してすぐに専門艦へと配備換えされていった。

 ユニオネス王国も開発に携わっていたので、アドラム帝国艦として珍しく見た目が良い。

 形状としては翼を持つ流線型のクナイ。推進器のある後部がやや膨らんでいる。



・M-HD4002ドラグーンG.A.custom (180m×30m)

 アドラム帝国=ユニオネス王国が共同開発した[M-HD4002ドラグーン]の改造艦。

 惑星上への降下陸戦機能を喪失しているものの。

 様々なジャンク品や試作品をふんだんに使い、このサイズの艦としては驚く事に軽巡洋艦並の能力を保持している。

 反面、搭載された部品は不安定なものや劣化が早いものが多く運用面で不安が残る。




>ドローン


・ARSM-15660Fv6 ウォッチャーズ・アイ (8m×4m)

 アドラム帝国の制式され、一時期は大量生産されていた小型戦闘用ドローン。

 現在は旧式化し民間払い下げられ、輸送艦の防衛に使われる事が多い。

 小型サイズながら再利用を前提にされた無駄のない設計は未だに評価が高い。

 主な用途は偵察と対戦闘機戦闘、ひたすら質よりは数で勝負するタイプである。

 高出力レーザー砲を一門装備、シールドもやや余裕があるが装甲という概念はない。

 潜水艦と航空機を混ぜたような流線型に内部構造が一部露出しているメカニカルな、無人海洋探査機に近い外見。

 一時は戦争相手であるフィールヘイト戦闘機乗りに悪魔のように恐れられたが。

 対ドローン用の旋回砲を標準装備されるようになり被害が拡大。

 更に自動戦闘機械嫌いのアドラム帝国上層部に倦厭され、戦場から姿を消していった。



>輸送艦 [TS] (Transport Ship)


・ARTS-CC4-2003B ネプチューンB型  (80m×300m)

 アドラム帝国で設計された中型輸送艦のベストセラー、ネプチューンシリーズの初期型。

 積載量が多く、少人数で運用可能かつブリッジ周りの快適さに定評がある。

 B型は特に輸送量に特化したタイプだが、武装の貧弱さに人気は薄い。

 形状は広げた翼の下に箱を抱きかかえた鳥のような横長の船体。



>特殊艦


・SSU-540k ラー・ヘジュ・ウル (800m×350m)

 ユニオネス王国が開発した8世代前の科学調査・実験艦。

 恒星へ接近して調査や実験を行う船であり、戦艦並のリアクターとシールドジェネレーターを搭載している。

 長期滞在も可能なように大型輸送船並の積載能力を持つ。

 機動性は最低限。頻繁な移動をするように作られてはいない。

 H型を円形に押しつぶしたような形をしている。



段々と1話の容量が多くなってしまっているような…


感想欄が半ばQ&Aコーナーになっているのですが、活動報告にQ&Aコーナー作った方がいいのでしょうか?

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