第2話
2年ぶりに書きました。第1話もかなり書き換えたので、もし前に第1話を読んでいる方がいらっしゃったら、そちらから読んでください。久しぶり書いたら主人公の名字を間違えるという失態をやらかしました……。ので急いで修正しました。
「あー疲れた・・・。」
本崎は家に帰るなりそのままソファに倒れ込んだ。―ただでさえ毎日のバイトに学校の宿題に家事までやってんのに、今日は勉強会もやったからなー。これで橋森に宿題まで出されたら、寝れねぇーじゃねぇーか。テストで取れない分授業態度はよくしとかないといけないから、居眠りできねぇーし―彼はそう思った。
「今日は宿題なかったし、飯食って寝よ。」
こんな日々が1ヶ月続いた。そして月末テストの日が来た。この学校は定期試験とは別に月末に5教科のテストがある。テストの日とテスト返却日はそのあとに授業はない。本崎はいつものように学校へ行った。彼が学校に着いたら、橋森が彼の元に行き話しかけた。
「ちゃんと勉強してきたんでしょうね?」
橋森はかなり上から目線から言った。
「お前との勉強会以外、やってねぇーよ。」
本崎はだるそうに答えた。すると橋森が怒った。
「な!あんた何様のつもり!?テスト前に勉強してこないとか!」
「うるせーな。『毎週土曜日2時間で次のテストで全教科50点以上まで、引き上げてあげるわよ。』って言ったのはお前だろ?」
「っ!!」
「あの時の約束忘れたとは言わせねぇーからな。」
「わ、分かってるわよ。でも、手を抜いたら約束は無効だからね。」
「抜くか。普段だって全力でやってんだよ。手を抜くくらいなら、とっくに学校辞めてるわ。」
「そ、ならいいわ。」
橋森はそう言うと自分の席へと戻った。そしてテストが終了した。急いで帰ろうと準備をしている本崎に橋森が話しかけた。
「で?どうだったの?」
「さあな。」
本崎はそれだけ言うと鞄を持った。
「ちょっともう帰るの?」
「用事だ。」
本崎は風のように去っていった。
「なんなのよ、もう・・。」
橋森は肩をすくめ、ぼやいた。そしてテスト返却日である次の日になった。橋森はいつもどおりの高得点に安堵したが、すぐに不安が襲った。本崎の点数が気にかかって仕方がない。担任の話が終わった瞬間、彼女は本崎の元に行った。
「どうだったのよ?全教科50点くらい取れたでしょ?」
橋森は普段から高得点しか取ったことがなかったため、50点くらいあたり前に取れると思い込んでいた。だが、本崎は鼻で笑って自分の解答用紙を机に広げた。
「残念でした、クラス委員さん。」
本崎の声には嫌味がこもっていた。机に広げられた解答用紙はすべて40点台と彼にしては高得点に値する点だったが、約束の50点に触れているものは1つもなかった。
「な、なんで!?50点はただの通過点のはずなのに!?これくらい取れるはずよ!?」
「ムカつく奴だな、お前。てめぇーみてーな天才と違げーんだよ、こっちは。そう簡単に点が上がんなら、端からあんな点数取んねぇーよ。」
本崎は本気で怒っていた。
「で、でも・・。」
「『成績優秀でクラス委員であるこの私が勉強を教えたのよ。ひどい点数なんて取るわけない。』ってか?」
「っ!!」
橋森が反論しようとすると本崎が彼女が思っているであろう言葉を言った。彼の言葉は橋森が言うとしていたこととほとんど変わらなかった。
「お前さ、ふざんけんのも大概にしろよ?」
本崎はそう言いながら立ち上がって、橋森の襟元をつかんだ。
「思いあがってんじゃねぇーよ!!なんでもかんでも自分の思いどおりになると思ってんなら、お前こそ正真正銘の馬鹿だ。お前は俺に何様のつもり!?つったよな?お前こそ何様のつもりなんだよ!人を下にみて馬鹿にしやがって!」
「本崎!!お前、クラス委員に何してんだ!!点数が悪かったことを人にあたるな!!」
担任が彼らの元へかけより、本崎に注意した。
「ちっ。」
本崎は橋森から手を放した。
「そんなつもりありませんよ。俺はこの学校にいられるだけの点数さえ取れればいいんですから。」
そう言って机の上の解答用紙をしまい、鞄を持った。
「失礼します。」
本崎はそのまま教室を出て、家へと帰った。
「橋森、大丈夫か?」
担任は本崎に触れもせず、橋森の心配をした。
「・・・・・。」
橋森は状況をうまく飲み込めずにいた。
「ったく、本崎の奴、点悪かったが素行はよかったのにやっぱり馬鹿は馬鹿か。」
担任はそれだけ言うと教卓へと戻った。
―な、なに本崎。なんなのよ。―橋森は戸惑っていた。成績優秀の彼女は今まで怒られたことがほとんどなかったからだ。一方本崎の方は家に着いていて、ベッドにうつ伏せに倒れていた。
「俺は・・・バカか・・。(俺が今の状況にあるのは俺のせいでも、ましてや橋森のせいでもねぇーのに。八つ当たりしちまった・・・。苦労してねぇー奴みるとイライラしちまうんだよな・・・。悪いくせだな・・。)ちゃんと、謝らないと。・・・バイト!忘れるとこだった。」
本崎は慌ててバイトへ向かった。
なかなかアイデアが降りてこず、もう書かなくてもいいかなって半分諦めかけたときにアイデアが降ってきてようやく書くことができました。