3-1《厚かましい式辞/Brazen Speech》
瞬速、非行
【悲報】新入生ワイ、何故か首席としてスピーチとか儀式とかするハメに
◇1:名無しの元引きこもり
助けて
2:名無しの転生者
でたわね
3:名無しの転生者
首席!?
4:名無しの転生者
スピーチとか面倒そうやな
5:名無しの転生者
儀式とは?
6:名無しの転生者
スピーチって入学式にやるやつか
7:名無しの転生者
試験であんなやらかししておいて首席ってマ!?
8:名無しの転生者
やらかし(全員再試験させる、無差別ハゲ晒し)
9:名無しの転生者
やらかしがヤバすぎる
10:名無しの転生者
むしろよく退学にならなかったな
◇11:名無しの元引きこもり
ワイも冷静になってよく考えたら流石にやりすぎたと思うわ。せやからなんで首席になってるのか分からんねん。
12:名無しの転生者
よく考えなくてもわかるのでは?
13:名無しの転生者
別にええやん首席になれたんやからもらえるもんはもらっとけ
14:名無しの転生者
スピーチはわかるけど儀式って何? なんか怖いんやけど
15:名無しの転生者
>>14
学校が用意した魔法陣に魔力流したらなんか光るらしい。これは心配していない。
16:名無しの転生者
余計意味がわからないんやが
17:名無しの転生者
光るって何? 照明係でもやるの?
18:名無しの転生者
よくその認識で心配にならないな
19:名無しの転生者
じゃあ何が困ってるんや? やっぱスピーチか?
◇20:名無しの元引きこもり
>>19
せや、儀式の前にスピーチがあるんやが何言えばいいのか分からんのや。スピーチしたことある奴いたら何言えばいいか教えてクレメンス。
21:名無しの転生者
うーん
22:名無しの転生者
スピーチねぇ……
23:名無しの転生者
掲示板に張り付いてる連中がスピーチなんかしたことあるわけねぇだろ
24:名無しの転生者
>>23
やめろ
25:名無しの転生者
>>23
まぁそれはそう
◇26:名無しの元引きこもり
ほならどうすればいいんや!
27:名無しの転生者
詰んだなぁ
28:名無しの転生者
あきらメロン
29:名無しの転生者
そういやワイの前世のパッパが中学の校長やったけど、式典の挨拶は三年ごとに使いまわしてるって言うてたわ、どうせ卒業するからバレへんしって。イッチも三年以上前の他人のスピーチパクればええんやない?
30:名無しの転生者
おお
31:名無しの転生者
ええやん
32:名無しの転生者
珍しくまともな案が出たな
◇33:名無しの元引きこもり
>>29
それや! 早速原稿探してくるで! 図書室とか探せばあるやろ! あと一時間で入学式始まるから急がな!
34:名無しの転生者
スケジュールギリギリすぎやろ
35:名無しの転生者
なんでもっと早く相談しなかったのか
36:名無しの転生者
試験のときもそんな感じだったしギリギリにならないと焦らないタチなんやろ
37:名無しの転生者
ワイかな
38:名無しの転生者
まるでワイみたいだぁ(直喩)
39:名無しの転生者
ワイもやで
40:名無しの転生者
このスレ先延ばし癖ある奴多すぎだろ! まぁワイもやけどな
41:名無しの転生者
というか入学式前なら授業もないし十分時間あるやろ。今まで何やってたんや?
42:名無しの転生者
>>41
今までナニやってたぞ
カワイイ女の子を視界共有して貼るスレpart8102
72:名無しの転生者
めっちゃ巨乳で露出度高い女戦士いた【bikini_armor_elf.png】
◇81:名無しの元引きこもり
>>72
でっっっっか! ふっっっっっと! えっっっっど!
43:名無しの転生者
草
44:名無しの転生者
何してんだこいつ
45:名無しの転生者
だからナニしてたんだって
46:名無しの転生者
スレ伸びすぎやろ
47:名無しの転生者
こんなスレあったのか助かる
◆
木目の深い扉をくぐると、職員室の中央で教師たちが机を囲み、視線を交わしながら、ある一人の新入生について、侃々諤々の議論が続いている。
「奴ほど無礼な生徒は見たことがない! 即刻退学にすべきだ!」
「人格に重大な問題があります。放置すれば、いずれ必ず事故を起こすでしょう」
「だが、魔法の才能は本物だ。あの年齢で、しかも独学で……」
「研究室に入れれば、相当な成果を上げるはずだ」
「他国に目をつけられたらどうする。籍だけは置くべきだろう」
「ならば、Eクラスに在籍させて飼い殺しにするのが妥当では?」
「む、無理です! あんな生徒、私の手には負えません!」
「実力だけで言えば、Aクラスどころか首席相当だぞ。周囲が納得するかは別として……」
「Aクラスには王族や高位貴族が多い。同じクラスにすれば、確実に火種になる」
「Bクラスで妥協すべきではないか?」
議論が一巡し、ふと静寂が落ちた。やがて、全員の視線が一斉に校長へと向く。
「……で、校長。あなたのお考えは?」
校長は椅子に深く腰掛けたまま、しばし黙考していた。やがて、静かに口を開く。
「ワシは──彼を首席に推そうと思う」
教師たちの目が、驚愕に見開かれた。
「校長、それは……!」
「なぜですか! あなたも試験で、彼に恥辱を──」
「やめろ」
低く、冷たい声だった。普段の温和な口調からは想像もできない声音が、職員室を支配する。
「その話は終わりだ、ハーゲン。……分かったか」
「は、はい……」
懐の深さで知られる校長でさえ、「無差別ハゲ晒し事件」については思い出したくないらしい。短い沈黙ののち、校長は静かに話を戻した。
「話を続けるぞ。彼は、あの年齢で打ち消し魔法を使った。それも、既存の術式ではない、完全なオリジナル。才能だけを見れば、疑いようもなく天才じゃろうて」
淡々とした口調だったが、その言葉には確信があった。
「規定にもある。『最も優れた才覚を示した者を、首席に選ぶこと』と」
教師たちは口を噤んだ。反論しようとしても、規定がそれを許さない。
「しかし、校長」
一人の教師が、意を決したように声を上げる。
「彼は平民です。そして第三王子殿下も、十分に優秀な成績を収めておられる。首席にするなら、王子殿下を推すのが筋では──」
「その言い方は、聞き捨てならんな」
校長は背もたれに身を預けたまま、視線だけを鋭く向けた。
「〝平民だから〟〝王子だから〟。それで生徒の価値を決めるのか?」
静かな声だった。だが、その一言で、場の空気が凍りつく。
「成績でもない。才能でもない。血筋だけを見て優劣を決めるなら──我々は、魔法を教える資格などない」
発言した教師は、何か言い返そうと口を開きかけ、結局、何も言えずに閉じた。校長はゆっくりと視線を巡らせる。
「なぁ、皆のもの。魔法学校が、なぜ設立されたか覚えておるか?」
誰も答えなかった。だが、誰一人として目を逸らさなかった。
「身分に関係なく、才ある者を見出し育てる。それが、本来の目的じゃった」
静かな語りが続く。
「だが今はどうじゃ。この学校は、王族と貴族の派閥争いの場と化しておる。首席は、いつしか王族か有力貴族の指定席になった」
教師の一人が、わずかに顔をしかめる。
「……だからこそ、じゃ」
その声に、確かな熱が宿る。
「彼でなければ、この閉塞した状況は動かん。規格外の才能、常識に囚われぬ気質、そして平民という立場──それこそが、この学校を変える力になる。子供たちには、派閥や政治ではなく、魔法そのものを見てほしい」
校長は、教師たちをまっすぐに見据える。
「彼の人格に問題があることは承知しておる。それでも──彼の才能は無視できん」
そして、はっきりと告げた。
「責任は、ワシが取る。彼を首席に選ぶことを、認めてほしい」
長い沈黙が流れた。やがて、教師たちは互いに視線を交わし、誰からともなく頷き始めた。
「……校長が、そこまで仰るなら」
「規定にも反していませんし、反対はできません」
こうして議論は終結した。エインは、Aクラスの首席として、魔法学校に入学することが決定する。
なお、校長が口にした〝責任〟という言葉が、後に彼の胃をもっとも蝕む呪いとなることを、まだ誰も知らない。




