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253:名無しの転生者
ワイもゲーミング紋章見たかったわ。次やるときは視界共有して貼ってくれや。
254:名無しの転生者
ほんでその魔法陣がなんかあったんか?
◇255:名無しの元引きこもり
>>254
せや、その魔力バカ食いしてたクソデカ魔法陣なんやけど呪いが仕込まれてて、その呪いがあっちょっと待って、部屋にフレッド君来た。
256:名無しの転生者
また出たなフレッド
257:名無しの転生者
だからフレッドて誰やねん
258:名無しの転生者
それより呪いって何だよ、気になるんだが
◇259:名無しの元引きこもり
なんかワイが大変らしくて心配してる。
260:名無しの転生者
他人事で草
261:名無しの転生者
お前はいつも大変だろ
262:名無しの転生者
大変って何があったん? 逮捕?
263:名無しの転生者
式のスピーチで原稿パクったやん? そのパクリ相手が第一王子だったらしいねんけど
264:名無しの転生者
王子!?
265:名無しの転生者
シャレにならん相手から原稿パクってて草
◇266:名無しの元引きこもり
原稿パクったのもまずいんやけど、その原稿の内容がもっとまずいらしい。
267:名無しの転生者
どんな内容や?
◇268:名無しの元引きこもり
学校の理念に「同じ学生として身分は関係ない」って標語があるんやけど、原稿の中に「王族として~」みたいな文言が入ってたんやって。しかもそれ、王子が二年前に言って怒られたやつらしい。ワイが同じの読んだことで煽られたって誤解されて、めっちゃ怒ってるらしい。知らんわそんなん。
269:名無しの転生者
草
270:名無しの転生者
やばくね?
271:名無しの転生者
入学式で先輩煽るな
272:名無しの転生者
え、てことは何? イッチも王族宣言したってこと?
◇273:名無しの元引きこもり
>>272
あーそういえばしてたな、「王族として」って言ったあとに自分の名前名乗っちゃったわ。
274:名無しの転生者
えぇ……
275:名無しの転生者
不遜すぎる
276:名無しの転生者
王子どころか国にも喧嘩売ってるじゃねーか!
277:名無しの転生者
もう不敬罪で逮捕されるだろこいつ
◇278:名無しの元引きこもり
まぁやっちゃったもんはしょうがないし、これ以上変な輩に目つけられへんように頑張るわ
279:名無しの転生者
おうがんばれ
280:名無しの転生者
お前が一番変な輩定期
281:名無しの転生者
だから呪いって何なんだよ
◆
式典を終えた講堂は、ようやく静けさを取り戻していた。先ほどまで魔力の光に満ちていた天井には、今はただ、くすんだ石材の地肌が広がっている。その中央で、倒れた椅子を片付けながら佇んでいるのは、老校長──レオナルドただ一人だった。
「……ふむ」
視線を床に落としたまま、彼は小さく首を振った。
「やはり、言うべきではなかったか。──〝責任は私が取る〟などと……」
床に転がっていた一本の瓶を拾い上げる。魔力回復薬。中身はまだ少量残っており、液面が不自然に揺れていた。レオナルドは瓶を傾け、光に透かして眺める。
「この色……間違いなく腐っておるな……」
それ以上気に留めることもなく、瓶をゴミ箱へと放り込む。視線は、自然と天井へ向かった。──紋章は、すでに消えている。だが、脳裏にはまだ焼き付いていた。あの異様な輝き。神聖さを裏切るように、過剰で、奔放で──そして、あまりにも〝目立つ〟光。
「まさか、本当に成功するとは……」
独り言のように呟き、言葉を選び直す。
「……いや。成功と呼んでよいものか」
額に手を当て、思案に沈む。エイン──あの少年の足元に展開された魔法陣は、あらゆる点で常軌を逸していた。規模、構成、そして最終的な挙動。そのすべてが、既存の体系から外れている。思い出すのは、あの一言だ。
『コイツのせいで、ムダに魔力食ってたんだ!』
「……コイツ、か」
その言葉の意味が、今になって重くのしかかる。レオナルドは、ゆっくりと立ち上がった。この講堂の床下には、王直属の魔導職員のみが管理を許された【象徴陣】が封じられている。校長である彼ですら、正式な手続きを経ずに干渉することは禁じられていた。──だが。
「見てしまった以上、放置するわけにはいかぬな」
ひそやかに魔力を練り、詠唱を始める。
「【秘式顕現】」
青白い光が足元に広がり、床下に封じられていた構造が仮初めの姿を現す。そこにあったのは──もはや伝統でも格式でもない、〝改変された陣〟だった。長年守られてきた荘厳な構成は、随所が書き換えられ、繋ぎ直されている。
「……ふむ」
短く唸る。
「やはり、元には戻らぬか」
一瞬だけ、寂しげな色がその顔をよぎった。だが、次の瞬間には目を細め、姿勢を正す。研究者としての冷静な光が、瞳に宿っていた。
「ならば──見せてもらおう」
彼の書き換えた〝意図〟を。あのとき、講堂全体を覆った〝もう一つの魔法陣〟。多くの教師たちは、構造も意味も理解できず、ただ戸惑っていた。だが──
「……焦っておったな」
王都から来ていた職員たちだけが、明らかに違っていた。あれは驚きではない。〝見られてはならないもの〟を見られた者の反応だ。
(彼らは、知っておったのだな)
あれが、何であるかを。魔路の断面、断ち切られたパス、再接続された構文。改変の痕跡を丹念に追い、逆算していく。──そして。
「……あった」
本来、象徴魔法には不要な構文。だが、陣の中枢に、ごく自然に組み込まれている。
「主目的は……転送か。いや、正確には……」
魔力の流れを辿り、目を細める。
「……供給」
式典そのものが、別の〝何か〟を動かすための回路として機能していた。魔力を集め、送り、満たすための──隠された構造。
「これではまるで……」
低く呟く。
「この式典自体が、〝起動装置〟ではないか」
静まり返った講堂に、言葉だけが落ちた。代々受け継がれてきた象徴魔法に、密かに仕込まれていた〝何か〟。そして、それを暴いてしまったのが──あの少年だった。
「エイン……」
レオナルドは、わずかに目を伏せる。
「お主は、一体……何者なのだ」




