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アルジ往戦記  作者: roak
90/300

第90話 希望

◆ テノハ ◆

そこは、森に囲まれた静かな町。

日没前にアルジたちは到着する。

ひっそりと建ち並ぶ家々。


アルジ(この町にマスタスが…)

エミカ(それらしい魔波は感じないけど…

 ばったり出くわさないといいな…)


アルジたちは町の中を歩く。

小さな弁当屋を見つけた。

そこで夕食を買う。

さらに、町の中を歩く。


ミリ(本当に静かな町…)

リネ(マスタスはこの町で魔術の学校を…

 どうして…?)


日が沈み、辺りは暗くなっていく。

すれ違ったのは、数人の農夫だけ。

アルジたちは町の外れに小さな宿を見つける。


リネ「…今日はここで休みましょう。

 疲れをとって、明日に備えましょう」

アルジ「ああ」

エミカ&ミリ「はい」


受付を済ませ、部屋に入る。

空いていたのは1部屋。

狭い部屋に4人分の布団が畳まれている。

その宿は古く、傷んでいた。

床には大きなシミ。

戸には無数の小さな傷。

そして、壁には太いひび割れ。

アルジたちは小さな座卓を囲み、食事をとる。

誰も何も話さない。

ただ弁当を食べる。


リネ「やだな…」

エミカ「…え?」

リネ「これじゃまるでお葬式」


リネは笑う。

だが、ほかに誰も笑わない。

アルジも、エミカも、ミリも。

明るい口調でリネは続ける。


リネ「食事が終わったら、

 魔術の特訓を始めましょうか」

アルジ「特訓…」

リネ「そうです。アルジさん。あなたの…」

アルジ「オレのか?」

リネ「魔術を教えてくれって言ったでしょう」

アルジ「…ああ。確かに。

 でも、今日じゃなくても…」

リネ「今日だからしなきゃ」

アルジ「リネ…それはどういう…」

ミリ「いいね、やろう」

リネ「決まりだね。

 ミリもエミカも手伝ってくれる?」

ミリ「はい、手伝います。

 アルジ、ビシビシやるからね」

アルジ「…ああ」

エミカ「………」

リネ「さあ、エミカも」

エミカ「…はい。でも、どうしてこんなときに…。

 だって、明日は…」

リネ「私だって、明日のことを考えたら、

 気持ちが張り詰めて、くたびれてしまいそう。

 そんなときだからこそ別なことをやれば、

 少しは気が紛れて心が落ち着くと思わない?」

エミカ「………」


アルジたちは食事を終える。

空になった4つの弁当箱。

部屋の隅のくず入れに入れる。

リネは座卓を湿らせた布で丁寧にふく。


リネ「さあ、アルジさん。ここに手を」


座卓にアルジは両手を乗せる。


リネ「手のひらを上に」

アルジ「こうか…」

リネ「想像して。あなたの手から魔力が出てる。

 その魔力が形を変える。見えなかったものが…

 実体をもって現れる」

アルジ「実体をもって現れる…か」


アルジは自分の手のひらをじっと見つめる。

リネは笑みを浮かべる。

エミカもミリもアルジの手を見ている。

だが、何も起こらない。


リネ「ところでアルジさんは…」

アルジ「ああ」

リネ「どんな魔術が使えたらいいと思うの?」

アルジ「どんな魔術がいいか…か」

リネ「希望した魔術が使えるようになる…

 わけじゃないんだけどね。

 こういうのが使いたい。

 そんな思いがあれば早く目覚めることもある」

アルジ「…そうだな。オレは…」


少し考えてからアルジは答える。


アルジ「火術がいいな」

エミカ「!」

リネ「そう、火術」

アルジ「ああ」

リネ「どうして?」

アルジ「強くて派手だからな」

リネ「とても単純だね。

 でも、そういう気持ちは大事」

アルジ「それと…」

リネ「それと?」

アルジ「初めて見た魔術がエミカの火術だった。

 旅を始めて、すぐのことだ。

 エミカの火の球を見て…すごいと思った。

 オレもああいうのを出したいって思った」

リネ「そういう感動も大切だね」

エミカ(照れるじゃないか…)

ミリ「でも、氷術の素質があったりして」

アルジ「そうか?でも、それでもいいぜ」

エミカ(…いいのか)

リネ「実際にできてみるまで分からない。

 そこが魔術の面白いところなんです」

アルジ「そっか」


アルジは訓練を続ける。

リネの指導を受けて。

エミカとミリもアルジにコツを教える。

さらに、2人は手本を見せる。


アルジ「手から火が…!氷が…!」

エミカ「こうするんだ」

ミリ「さあ、やってみて」

アルジ「ああ」

エミカ&ミリ「………」

アルジ(やっぱり魔術って不思議だ…)


アルジの手には何も出てこない。


アルジ(そして…難しい…!)


真剣な顔で取り組み続ける。


アルジ「できないぜ…」

リネ「今日はもう寝ましょう」

エミカ「そうですね」

ミリ「できるの待ってたら、朝になっちゃうね」

アルジ「く…!悔しいな…!」


寝支度をする。

アルジたちはそれぞれの布団に入った。



◆ 都 センケン通り ◆

エオクシは戦う。

ヤマエノモグラモンと。

巨大な体、硬い鱗、鋭い爪、おぞましい顔。

その迫力に圧倒される二隊の隊員たち。

そんな状況で、エオクシは1人走っていく。

ヤマエノモグラモンの群れの中へ。

壮刃剣を握り締めて。


エオクシ(食らえ!!天裂剣!!)

ヤマエノモグラモンA「フゥー!!」


◇ ヤマエノモグラモンAに14407のダメージ。

◇ ヤマエノモグラモンAを倒した。

近くにもう1体。

横から長い腕で襲いかかる。

壮刃剣で弾き返す。

そして、反撃。

一気に決めにいく。

必殺の剣技、地破剣で。

跳び上がり、振り下ろす。

鋭く、大きなその剣を。


ヤマエノモグラモンB「ガァウー!!」


◇ ヤマエノモグラモンBに18814のダメージ。

◇ ヤマエノモグラモンBを倒した。


レンダ「かはあっ!!」


二隊の隊員、レンダが蹴り飛ばされる。

暴れ回るヤマエノモグラモンに。

体が地上を跳ねて転がった。


エオクシ「レンダー!!」


エオクシはにらみつける。

蹴り飛ばしたヤマエノモグラモンを。

それから、攻撃までは一瞬。

猛然と突き進み、振り回す。

壮刃剣を。

その剣は斬り裂く。

肉を、骨を、深く、致命的に。


◇ ヤマエノモグラモンCに9120のダメージ。

◇ ヤマエノモグラモンCを倒した。


子「父ちゃん!!母ちゃーん!!」

エオクシ「!!」


逃げ惑う子どもの姿。

エオクシは見つける。

その子どもの後ろにはヤマエノモグラモン。

長い爪で今にも捕まえようとしている。


エオクシ「させるか!!」


駆けつけて、剣を大きく横に振る。


ヤマエノモグラモンD「ブゥウ!!」


◇ ヤマエノモグラモンDに7991のダメージ。

◇ ヤマエノモグラモンDを倒した。


エオクシ「おい!平気か!?」

子ども「うん…」


ふと辺りを見渡せば、多くの人家が燃えている。

まるで炎の森のようになっていた。


エオクシ「なんてこった…!!」

男「コズミ!!」

コズミ「父ちゃん!!」

エオクシ「ここは危ねえ!早く離れろ!!」

コズミの父「は…はい!!エオクシ様!

 ありがとうございました!!」


娘を抱えて去っていく父。

エオクシは黒い影を見定める。

炎の向こうに、いくつも、いくつも。

その正体はどれもヤマエノモグラモン。

10体以上いるのが分かる。

男たちの叫び声が聞こえてくる。

二隊の隊員たちが次々と倒されていた。


エオクシ「こいつは…ただ事じゃねえな…!!」



◆ テノハ ◆

真夜中、アルジは目を覚ます。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 23

◇ HP   2277/2277

◇ 攻撃

 34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 素早さ

  28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 魔力  5★★★★★

◇ 装備  勇気の剣、雅繊維戦衣がせんいせんい

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 19

◇ HP   1452/1452

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ

  18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔樹の杖、深紅の魔道衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海、王火


◇ ミリ ◇

◇ レベル 16

◇ HP   1008/1008

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  7★★★★★★★

◇ 素早さ

  17★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔石の杖、紺碧の魔道衣

◇ 魔術  氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷


◇ リネ ◇

◇ レベル 27

◇ HP   1011/1011

◇ 攻撃   7★★★★★★★

◇ 防御

 18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、創造の杖、聖星清衣せいせいせいい

◇ 魔術  雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療魔術薬 10、魔力回復薬 20


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