第77話 情熱
ノイシシがやってくる。
何匹も。
群れをなし、やってくる。
その群れを見てアルジは思う。
アルジ（後ろには３人の仲間。
エミカもミリももう魔力はない。
リネも移動と光術で消耗したはず。
だから、後ろの３人は…もう戦えない。
この戦いは違う。今までの戦いとは。
目の前の敵を倒せばそれでいい。
これは、そういう戦いじゃない。
後ろの仲間を守るための戦い。
１匹たりとも見逃せない。全部倒す。
そのために…先に動く！
仲間たちを守るため、速く動く！
そんな戦いをここでオレはやる！！
そういう戦いができるってことも…
みんなに見せたい！！）
５匹が群れから抜け出して向かってくる。
アルジの剣の間合いに入る。
勇気の剣が光り出す。
アルジ「剛刃波状斬撃！！」
軽やかに剣を振っていく。
余計な力は一切ない。
滑らかに体を動かす。
体の動きが力の流れを生む。
力の流れに身を任せ、敵を次々と斬っていく。
アルジ（これだ…！この感覚！）
アルジは感化されていた。
王氷を使ったミリの姿に。
自然体で、無理がない。
その姿にアルジは感化されていた。
そして、自分の技に取り入れた。
◇ ノイシシAに2821のダメージ。
◇ ノイシシBに2798のダメージ。
◇ ノイシシCに2898のダメージ。
◇ ノイシシDに2903のダメージ。
◇ ノイシシEに2856のダメージ。
◇ ノイシシA〜Eを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。（レベル19→20）
アルジ（もっとだ！もっと来い！！）
続々とやってくるノイシシ。
転がる死体の山を越え、突進してくる。
アルジ「剛刃波状斬撃！！」
◇ ノイシシAに3065のダメージ。
◇ ノイシシBに2999のダメージ。
◇ ノイシシCに2876のダメージ。
◇ ノイシシDに2973のダメージ。
◇ ノイシシEに3098のダメージ。
◇ ノイシシFに3196のダメージ。
◇ ノイシシGに2929のダメージ。
◇ ノイシシHに2959のダメージ。
◇ ノイシシA〜Hを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。（レベル20→21）
アルジ（攻めたらいい。敵を倒せばいい。
そう思ってた。攻めて、倒してしまえば、
それで戦いは終わりだって。
確かにそういうときはある。
今までの戦いは大体そうだ。
でも、今はどうか。
どうして敵と戦っているんだろう。
どうして剣を振っているんだろう。
それは、守るため。仲間たちを守るため。
これはそんな戦い。あのときも…
３年前のヤマグマのときも…
こんな戦いができていたら…！）
アルジの戦い方は変化していく。
動作が静かに小さくなっていく。
それでいて、速く、力強い。
最小の動きで、確実に敵を斬っていく。
向かってくる敵を１匹残らず倒していく。
リネ（アルジさん、あなたは…
こういう戦い方もできる…。
また１つ成長しましたね。
そして、また少し…近づいた。
先日現れた大前隊の戦士たちに…）
アルジ「剛刃波状斬撃！！」
技のキレが増す。
◇ ノイシシAに2836のダメージ。
◇ ノイシシBに2844のダメージ。
◇ ノイシシCに2852のダメージ。
◇ ノイシシDに2909のダメージ。
◇ ノイシシEに2797のダメージ。
◇ ノイシシFに2888のダメージ。
◇ ノイシシA〜Fを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。（レベル21→22）
アルジ「………」
ノイシシたちは立ち止まる。
突進をやめて、アルジを見ている。
まだ10頭いた。
そのどれもがすっかり戦意を失っている様子。
アルジ（もうおしまいなのか？…いや）
アルジは思い出す。
魔術師ロニを。
ヤシズ湖で会ったときの彼女の顔を。
３年前、ナキ村に来たときの顔を。
怒りの感情がこみ上げる。
アルジ「…悪いな」
エミカ「………」
ミリ「アルジ…？」
アルジ「オレたちは魔獣を生かしておけない」
高まるアルジの闘争心。
おびえるノイシシたち。
逃げ出そうとするものもいる。
アルジ「来ないなら…行くぜ！」
一転して、今度はアルジが襲いかかる。
力いっぱい剣を振り上げて。
アルジ「うおおお！！！行くぜ！！！！」
さっきまでの戦い方とは正反対。
追いかけて、１匹、また１匹と斬り倒す。
１匹たりとも逃さない。
その気持ちが、彼の叫びに、動きに表れる。
アルジ「オリャアアア！！！」
◇ ノイシシAに3102のダメージ。
◇ ノイシシBに3005のダメージ。
◇ ノイシシA、Bを倒した。
腕がしなり、全身が躍動する。
激しく揺らめく炎のように。
アルジ「ラァアアア！！！」
◇ ノイシシCに3223のダメージ。
◇ ノイシシDに3297のダメージ。
◇ ノイシシEに3272のダメージ。
◇ ノイシシFに3121のダメージ。
◇ ノイシシC〜Fを倒した。
アルジ「円月斬り！！」
◇ ノイシシGに3418のダメージ。
◇ ノイシシGを倒した。
アルジ「朔月斬り！！！」
加速する動き。
◇ ノイシシHに3642のダメージ。
◇ ノイシシHを倒した。
アルジ「円月斬り！！！！」
もう止められない。
◇ ノイシシIに3390のダメージ。
◇ ノイシシIを倒した。
アルジ「朔月斬り！！！！！」
◇ ノイシシJに3555のダメージ。
◇ ノイシシJを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。（レベル22→23）
アルジ「どうだ！！！」
剣を高く振り上げて声を上げる。
完全勝利だった。
アルジ「…ふう…」
興奮は冷めていく。
冷静になり、エミカたちの顔を見る。
リネ「よくやりました」
エミカ「よかったぞ」
ミリ「最高だった」
アルジ「………」
アルジはミリの顔を見つめる。
アルジ「………」
ミリ「な…何！？」
アルジ「すごく刺激を受けたんだ。
ミリの戦う姿を見ていて。
無駄な力がなくて、オレもそう戦いたい。
技を出したい。そう思ったんだ。
やってみたら、うまく行った。ありがとう」
ミリ「…そうなんだ。それはよかったよ」
エミカ「………」
アルジ「エミカ」
エミカ「…なんだ？」
アルジ「最後のオレの攻撃…
あれは、エミカの戦い方の影響だ。
力強く、情熱的に、気合いを入れて
戦ってみたくなったんだ。
それで、思い切り叫びながら戦ってみた。
そしたら…」
エミカ「わ…私はあんなに叫んでない！！」
アルジ「…！！」
リネ＆ミリ「………」
エミカ「あ…」
リネ「ふふ…」
ミリ「ははは」
アルジ「…ごめん」
エミカ「いや、ごめん…。私も…。
参考になったんなら…嬉しいけど」
アルジ「なったぜ！ありがとう」
暗い道をアルジたちは歩き出す。
オノレノ町に向かって。
北土の魔術研究所は近い。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 23
◇ HP 1639/2277
◇ 攻撃
34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★
◇ 素早さ
28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 魔力 ５★★★★★
◇ 装備 勇気の剣、雅繊維戦衣
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り
◇ エミカ ◇
◇ レベル 19
◇ HP 1006/1452
◇ 攻撃 ９★★★★★★★★★
◇ 防御 12★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
33★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 魔樹の杖、深紅の魔道衣
◇ 魔術 火球、火砲、火樹、火海、王火
◇ ミリ ◇
◇ レベル 16
◇ HP 831/1008
◇ 攻撃 ４★★★★
◇ 防御 7★★★★★★★
◇ 素早さ
17★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
34★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★
◇ 装備 魔石の杖、紺碧の魔道衣
◇ 魔術 氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
◇ リネ ◇
◇ レベル 27
◇ HP 1011/1011
◇ 攻撃 ７★★★★★★★
◇ 防御
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
31★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、創造の杖、聖星清衣
◇ 魔術 雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療薬 25
◇◇ 敵ステータス ◇◇
◇ ノイシシ ◇
◇ レベル 16
◇ HP 1205
◇ 攻撃
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
17★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
17★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 ４★★★★
◇ 魔術 火弾
