第71話 敵意
ミシダムの傷は癒された。
リネの再生魔術によって。
背中には1つの傷もない。
◇ ミシダムはHPが全回復した。(HP189→1002)
ミシダム「…リネさん、申し訳ない」
リネ「いいえ。
こういうときのため私の力はありますから」
ミシダム「素晴らしい魔術だ」
リネ「これが私の再生魔術。
大きな傷も治せます。でも…」
リネは倒れた旅人たちに目をやる。
悲しげな表情で。
3人の体はもう動かない。
指の1本さえも。
救えないことは見れば分かる。
彼女の再生魔術を使ったとしても。
それでも、近づき、確かめる。
3人の生死を。
念のため。
リネ「………」
目を細め、首を横に振る。
悲しみの空気に包まれる。
アルジ「…行こう」
リネ「ええ…」
アルジたちは再び歩き出す。
登り坂から一転。
道は変化する。
緩やかに下っていく。
左へ大きく曲がりながら。
遠くに大きな湖が見えてきた。
ヤシズ湖。
ナラタの国、三大絶景の1つ。
水面の深い青色は訪れた者の心を打つ。
ミリ「湖だ!あの色すごく綺麗だね」
エミカ「ああ。
でも、今はゆっくり眺めてる場合じゃない」
リネ「…来ますね」
左右の茂みからノイオオカミが現れる。
続々と現れる。
全部で11頭。
ミリ「次から次へと出てくるなー!」
アルジ「…オレがやる」
1人、群れの方へ進むアルジ。
跳びかかる3頭。
朔月斬りで反撃。
◇ ノイオオカミAに2101のダメージ。
◇ ノイオオカミBに1988のダメージ。
◇ ノイオオカミCに2004のダメージ。
◇ ノイオオカミA〜Cを倒した。
アルジ(もっとだ!もっと速く!!
こんなもんじゃない…。
あいつの斬撃はこんなもんじゃなかった!)
群れの中心へ駆け出す。
アルジ「行くぜ!!剛刃波状斬撃!!」
全身を躍動させて豪快に剣を振り回す。
1頭、また1頭と斬っていった。
◇ ノイオオカミDに1852のダメージ。
◇ ノイオオカミEに1913のダメージ。
◇ ノイオオカミFに1901のダメージ。
◇ ノイオオカミGに1843のダメージ。
◇ ノイオオカミHに1998のダメージ。
◇ ノイオオカミD〜Hを倒した。
1頭が跳びかかる。
首に剣を突き刺す。
◇ ノイオオカミIに1821のダメージ。
◇ ノイオオカミIを倒した。
脚にかみつこうとする1頭。
強く蹴り上げ、縦に斬り裂く。
◇ ノイオオカミJに1809のダメージ。
◇ ノイオオカミJを倒した。
残るは1頭。
すっかり戦意をなくし、震えていた。
逃げ出そうとしたそのとき。
アルジ「逃さん!!」
剣を大きく振り抜いて頭を割った。
◇ ノイオオカミKに1960のダメージ。
◇ ノイオオカミKを倒した。
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ アルジはレベルが上がった。(レベル17→18)
ミリ「容赦ないね」
アルジ「魔獣は1匹残らず駆除しないとな」
エミカ「まだ魔波を感じる。
戦いは終わってないぞ」
ミリ「全部倒しちゃおう」
リネ「やりましょう。徹底的に」
エミカ「やろう」
アルジ「楽しみだ!!」
ミシダム(恐ろしい連中だ)
さらに歩き続けるアルジたち。
ヤシズ湖が近くに見えてくる。
道端には倒れた旅人たちの姿。
ごろん、ごろん、と寝ている。
よく見ると分かる。
眠っているのではないことが。
誰もが深い傷を負い、息絶えていた。
散乱した荷物が襲撃の激しさを物語る。
アルジ&エミカ&リネ&ミリ&ミシダム「………」
アルジたちは黙って進む。
怒りと悲しみの感情を抱きながら。
ミリ「上だ!」
リネ「!!」
アルジ「あれは…!」
4つの大きな影が上空にあった。
ゆったりと空を舞う鳥。
ミリ「でかくない…?」
エミカ「あれは鳥…なのか?」
リネ「魔波です。魔波を感じます!」
アルジ「あいつらも…魔術で生み出されたのか?」
1羽が急降下してくる。
鋭い爪でアルジたちに襲いかかる。
ミリが捕まりそうになる。
ミリ「わ!!」
反射的に王氷を放った。
鳥はガチガチに凍りつく。
大きな音を立てて地面に落ちる。
ミリ「でか…!」
その鳥は、ノイワシ。
ノイ地方に生息する超大型の猛禽類。
その鋭い爪、強い筋力で人を捕まえることもある。
◇ ノイワシAに1967のダメージ。
◇ ノイワシAを倒した。
大きく広がった左右の翼。
その全長はミリの背丈の倍ほどあった。
リネ「ノイワシ…。
空の王者とも呼ばれています。
この鳥も…本来この地域には
生息していないはずなのに」
ミシダム「空の王者とは大した異名だ!」
リネ「人も捕まえられると聞きます」
アルジ「捕まって上空で放されたら…」
エミカ「考えたくないな」
ミリ「来る!」
エミカ「今度は私がやる」
2羽が連なって地上へ降りてくる。
猛烈な速さで。
エミカは冷静に見定める。
いつ、どこへ、魔術を放てばいいか。
エミカ(ここだ!!)
杖を振り、王火を出す。
飛び出していく炎の塊。
2羽のノイワシに命中。
燃えながら落ちてくる。
どさっどさっと響く音。
地面に叩きつけられる。
こんがりと焼けていた。
ミリ「…焼き鳥だ!」
アルジ「のんきだな」
ミシダム「だが、確かに…焼き鳥だ。
少しうまそうな匂いがする」
リネ「空の王者と呼ばれていても、
所詮は鳥ですから」
アルジ「ちょうどいい火加減かもな」
エミカ(料理もこんな感じで焼けたらいいのに)
◇ ノイワシBに1873のダメージ。
◇ ノイワシCに1866のダメージ。
◇ ノイワシB、Cを倒した。
残りの1羽は逃げていく。
空に向かって声を上げるアルジとミリ。
ミリ「意気地なし!!」
アルジ「おい!!かかって来い!!!」
ミシダム(こいつら…子どもか)
◇ アルジたちは戦いに勝利した。
◇ エミカはレベルが上がった。(レベル14→15)
◇ ミリはレベルが上がった。(レベル11→12)
下り坂は続く。
歩き続けるアルジたち。
さらに何人もの旅人が倒れていた。
リネ「…だめですね」
アルジ「そっか…」
息のある者はいなかった。
そして、さらにヤシズ湖に近づいていく。
湖から放たれる強烈な魔波。
リネが最初に気がつく。
エミカとミリも感じる。
そして、アルジたちは見つけた。
湖の中心。
水面に立つ1人の女を。
黒い魔術衣を身にまとった女の魔術師を。
彼女はアルジたちの方へ振り向く。
遠くから互いの姿を見る。
トウオウ道の上からヤシズ湖の中心まで。
まだかなりの距離がある。
互いに豆粒ほどの大きさにしか見えない。
だが、それでも分かる。
アルジたちにははっきり分かる。
強い敵意を向けられていると。
ミシダム「…間違いない。分かる!あいつだ!!
あいつが…昨日の関所破り!」
アルジ「行くぜっ!!!!」
女魔術師との戦いが始まる。
◇◇ ステータス ◇◇
◇ アルジ ◇
◇ レベル 18
◇ HP 933/1408
◇ 攻撃
30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★
◇ 防御
22★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★
◇ 素早さ
20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 4★★★★
◇ 装備 勇気の剣、雅繊維戦衣
◇ 技 円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り
◇ エミカ ◇
◇ レベル 15
◇ HP 630/910
◇ 攻撃 9★★★★★★★★★
◇ 防御 12★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ 14★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
25★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★
◇ 装備 魔樹の杖、深紅の魔道衣
◇ 魔術 火球、火砲、火樹、火海、王火
◇ ミリ ◇
◇ レベル 12
◇ HP 522/703
◇ 攻撃 4★★★★
◇ 防御 7★★★★★★★
◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★
◇ 装備 魔石の杖、紺碧の魔道衣
◇ 魔術 氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷
◇ リネ ◇
◇ レベル 26
◇ HP 921/921
◇ 攻撃 7★★★★★★★
◇ 防御
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ 13★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力
29★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★
◇ 装備 天界石の杖、創造の杖、聖星清衣
◇ 魔術 雷弾、雷砲、雷柱、王雷
岩弾、岩砲、岩壁、王岩
光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術
◇ ミシダム ◇
◇ レベル 27
◇ HP 1002/1002
◇ 攻撃
19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 2★★
◇ 装備 鋼の長槍、鋼の防護服
◇ 技 突撃、猛撃、銀葉の舞、吹雪の舞
◇ 魔術 氷弾
◇ 持ち物 ◇
◇ 治療薬 25
◇◇ 敵ステータス ◇◇
◇ ノイオオカミ ◇
◇ レベル 17
◇ HP 1632
◇ 攻撃 18★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 魔力 2★★
◇ 魔術 雷弾
◇ ノイワシ ◇
◇ レベル 15
◇ HP 1011
◇ 攻撃 16★★★★★★★★★★★★★★★★
◇ 防御
14★★★★★★★★★★★★★★
◇ 素早さ
24★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★
◇ 魔力 3★★
◇ 魔術 雷弾