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アルジ往戦記  作者: roak
63/300

第63話 解析

八多羅守護衣。

それは特別な魔術衣。

着るのが許される魔術師は、ほんの一握り。

北土の魔術研究所の上級魔術師だけ。

考えるアルジたち。


リネ(上級魔術師が…なぜ森に…?)

エミカ(森にいた魔獣と何か関係が…)

アルジ(そういや…オレの村に来た3人組も…

 そういう服を着てたような気がする)

ミリ(なんでそんな変な名前なんだろう…)


タジヤの父は少し安堵して言う。


タジヤの父「どうやら…

 お伝えして正解だったようだ」

アルジ「………」

タジヤの父「あなた方は、剣士と魔術師。

 何か大きな目的を持って旅をしている。

 星の秘宝…でしたっけ。それが一体何か。

 どんなものなのか。私たちには分かりません。

 ですが、あなた方が行こうとしている場所…

 北土の魔術研究所…それは知っています。

 タジヤが森で見た人は魔術師かもしれない。

 もしかしたら…ひょっとすると…その人は…

 あなた方の旅と関係があるかもしれない…」

タジヤの母「そんな予感がしたんです」

リネ「ええ…。関係がある…かもしれません」

タジヤの父「それはよかった。

 お伝えできてよかった」

タジヤ「じゃあね」

アルジ「ああ、それじゃあな」


別れの挨拶をして親子は去っていった。


リネ「一体…何が目的で森の中へ…」

エミカ「思うんですが…」

リネ「言ってみて」

エミカ「獣に魔力を与える、強い獣を生み出す。

 もしかすると、そういう魔術があるのかも。

 森にいたという魔術師がそういう魔術で

 魔獣を生み出して操っているのだとすれば…

 ベキザルもヤマエノモグラモンも…

 説明がつくと思いませんか?」

ミリ「悪い魔術師だね」

リネ「魔術で獣を操って、人を襲わせる。

 そんな魔術があるなんて…聞いたことがない。

 でも、それが本当だとしたら最悪です。

 闇の魔術をもってしても、そんなことは…」

アルジ「なあ」

エミカ「…どうした?」

アルジ「3年前、村に3人の魔術師が現れた。

 北土の魔術研究所の魔術師だ。

 男が2人で女が1人だ。

 黒い服を着て、そいつらは突然現れた」

リネ「………」

アルジ「その中の1人が、多分マスタスだ。

 それで、森にいたっていう女の魔術師は…」

エミカ「3人のうちの女魔術師ってことか?」

アルジ「ああ。そうかもしれない」

エミカ「どうかな」

リネ「どうでしょう」

ミリ「早く研究所の人に話を聞きにいこう。

 研究所長のホジタさんに」

エミカ「そうだな」


リネはアルジの方を向いて手を差し出す。


リネ「出発の前に…」

アルジ「…?」

リネ「アルジさん、腕を」

アルジ「ああ」


雅繊維戦衣を脱ぎ、左腕を出すアルジ。

昨日ベキザルに焼かれたところを出す。


リネ「ごめんなさい。

 昨日のうちに治してあげられなくて」

アルジ「いや、いいんだ。ありがとう」

リネ「深刻なケガは完全に治せない。

 こうして手のひらをしっかり近づけないと」

アルジ「そうなのか」

リネ「光の魔術は便利で素晴らしい効果がある。

 だけど、簡単に扱えるものじゃない。

 そういうものだから」

アルジ「そうだったな」


リネはアルジの腕にそっと触れる。

焼けただれたところを柔らかな光で包む。

◇ アルジはHPが全回復した。(HP772→933)


リネ「はい、これで大丈夫!」

アルジ「ありがとう」


それから、ラアムとナアムで走り出す。

アルジとリネがラアムで先に行く。

エミカとミリがナアムで後ろに続く。

トウオウ道は高原の上を伸びている。

商人たちの一団とすれ違う。

ポツポツと雨が降り出した。



◆ 都 白天街はくてんがい

そこは、都の中心地。

大きな建物がいくつも並ぶ。

中央政府の役所も集まっている。

その1つが審理院。

重大な事件や事故について調べる役割がある。

その2階にあるのが解析班。

訪れる3人。

その3人は、ガシマ、エオクシ、アヅミナ。


窓口係「あら、今日はあの大きい人いないの」

ガシマ「大君の護衛中だ」

窓口係「そうなの」

エオクシ「で、結果はどうだった?」

窓口係「出ましたよ。今、班長を呼んできます。

 そこの椅子に座って待っててください」


奥から男がやってくる。

そろそろと歩き、小さな椅子にちょこんと座る。

彼は解析班、班長のジコウダ


ジコウダ「とんでもない結果だ」

エオクシ「なんだって?」

ジコウダ「とんでもないことが分かっちまった」

エオクシ「やっぱ魔術絡みか?」

ジコウダ「魔術絡みも何も…あれは…

 魔術そのものみたいなもんだ…」


エオクシは解析を依頼していた。

ヤマエノモグラモンの牙を。

そして、今日、その結果が出た。

3人はそれを聞きにきていた。


エオクシ「魔術そのものたぁどういう意味だ?」

ジコウダ「未だに信じられん…。

 オレ自身が…未だに信じられない」

ガシマ「結論から頼む」

ジコウダ「あれは本物じゃない」

エオクシ「本物じゃねえだと?」

ジコウダ「ああ、あれは作られた魔獣だ。

 ほかの獣を混ぜ合わせて、作り出した…。

 合成魔獣とでもいうべきもんだ!

 ヤマエノモグラモンの標本と比べた。

 そうしたら、明らかに違った。

 牙を組成する成分がな!」

ガシマ「なんだ?合成魔獣だと?

 冗談じゃねえだろな」

ジコウダ「冗談じゃない!本気だ!解析した!

 オレは本気で解析した!なめんな!」


静まり返る部屋。


ガシマ「…そうか」

エオクシ「そこまで言うんなら…

 そうなんだろうな」

ジコウダ「信じてくれるか」


ジコウダの解析魔術。

その精度は、都で随一。

現場に残された汗の1滴や毛の1本。

それらから犯人の素性に迫ることもできる。


アヅミナ「あんな牙のかけらでよく分かったね」

エオクシ「言ったろ?

 ジコウダの手にかかりゃこんなもんだ」

ジコウダ(かなり苦労したけどな…)

エオクシ「さてと、問題は…だ」

ガシマ「誰の仕業か…だな」

エオクシ「ああ、そうだ!」


しばらく黙り込むエオクシたち。


アヅミナ「魔術師でしょ」

ガシマ「そうだな。それしかない」

エオクシ「北土の魔術研究所の連中だろ」

アヅミナ「そうかな。やっぱり」

ガシマ「アヅミナは行ってきたんだろ。

 あの研究所に」

アヅミナ「行ってきたよ。

 でもね、最後まで口を割らなかった。

 あの研究所長…何を企んでるのか」

エオクシ「本気で警告したのか?」

アヅミナ「教えないと殺すって伝えた。

 あたしの暗球を出して見せながら」

ガシマ(あれを見せられても白状しないとは…

 研究所長は無実なのか…?)

アヅミナ「だけど、今度はもっと頑張るね。

 また来るって言い残して帰ってきたから」

エオクシ「次はオレも行くぜ。

 この剣喉元突きつけりゃあ

 全部吐いてくれるだろ!」

ガシマ「勢い余ってやっちまうなよ」

エオクシ「そんときゃそんときだ。

 理由書書いて別の手がかりを探しゃいい!」

ジコウダ(また無茶な依頼はしないでくれよ…)


そのときだった。

解析班の部屋へ駆け込んでくる1人の役人。

肩で息をしながら言う。


役人「エオクシ様!アヅミナ様!」

エオクシ「どうした?」

アヅミナ「………」

役人「シノ姫様が!呼んでおられます!」

エオクシ&アヅミナ「!!」

役人「お伝えしたいことがあると!」

エオクシ「分かった。すぐに行こう」

アヅミナ「なんの用だろう?」

エオクシ「…さぁな!!」


部屋から出ていく2人。

ガシマは後ろから声をかける。


ガシマ「気をつけろ」

エオクシ「………」


2人は歩みを止める。

だが、振り返らない。


ガシマ「今は…大君がご不在だ。

 …無理難題を持ちかけられるかもしれない」

エオクシ&アヅミナ「………」


2人は部屋を出ていった。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ ガシマ ◇

◇ レベル  33

◇ HP   2178/2178

◇ 攻撃

  36★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御

 27★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 素早さ

 30★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★

◇ 魔力  10★★★★★★★★★★

◇ 装備  練磨の大斧、金剛武道着

◇ 技   激旋回斬、大火炎車

◇ 魔術  火弾、火砲


◇ エオクシ ◇

◇ レベル 37

◇ HP   3692/3692

◇ 攻撃

 49★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★

◇ 防御

 44★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★

◇ 素早さ

  46★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 魔力

◇ 装備  壮刃剣、戦究防護衣

◇ 技   天裂剣、地破剣


◇ アヅミナ ◇

◇ レベル 35

◇ HP   404/404

◇ 攻撃   1★

◇ 防御   2★★

◇ 素早さ

 40★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 47★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★

◇ 装備  大法力の魔杖、漆黒の術衣

◇ 魔術

  火弾、火矢、火球、火砲、火羅、火嵐、王火

  氷弾、氷矢、氷球、氷刃、氷柱、氷舞、王氷

  暗球、精神操作、五感鈍化、魔病感染、

  酷死魔術

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