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アルジ往戦記  作者: roak
54/300

第54話 過激

ミリはリネのそばへ行く。

恐る恐るといった足取りで

リネはミリの両肩に手を置いた。

穏やかな笑顔を見せながら。


リネ「おめでとう」

ミリ「はい…?」

リネ「あなたの氷術は最高段階に達しました」

ミリ「最高段階ですか?」

リネ「あなたがさっき出した魔術…あれは王氷。

 氷の魔術の中で最高の威力を誇ります」

ミリ「王氷…ですか。

 それが最高の威力なんですね」

リネ「そうだよ」

ミリ「そっか。やった!」

リネ「でも、これで慢心してしまってはだめ。

 魔術はとてもとても奥が深いんだから。

 ただ強ければいいってものじゃない。

 敵を倒せたらいいってものでもない。

 もっと魔力をうまく操れるようになって、

 いろんなことに役立てられるようになってね。

 これからも頑張って!」

ミリ「はい。でも、リネさん…」


リネはミリの顔を見つめる。

強い期待が込められた熱い視線で。

ミリは少し戸惑っていた。


リネ(ああ、なんて子。素晴らしい。愛おしい。

 素質があるとは思ってたけどここまでなんて。

 最強の氷術、王氷を使える魔術師は限られる。

 何年、何十年と鍛錬しても使えない人は多い。

 それは、小手先の技術ではできないから。

 王氷を使うには大量の魔力が必要だから。

 大量の魔力が出ないと永久に王氷は使えない。

 そして、大量の魔力を扱うには素質が大事。

 生まれ持った魔術の適性。

 努力では得られないもの。

 反対に素質があれば、

 魔術の経験が浅くても使える。

 王氷は…使える。

 それはほかの魔術にも言えること。

 火術にも、雷術にも、岩術にも。

 同じことが言える。

 ミリ…あなたにはある。

 輝くような魔術の素質が。

 どこの魔術研究所へ行ってもやっていける!)

ミリ「リネさん…?」

リネ「え…何?」

ミリ「私はただ迷子を助けようと思って…」

リネ「うん」

ミリ「ただ夢中だったので…

 王氷を使おうなんて…あっ…」

リネ「………」


ミリは地面に寝かされた子どもを見た。

アルジとエミカが声をかけている。


アルジ「おい、起きろ。大丈夫か?」

エミカ「名前…タジヤだったよな」

アルジ「ああ、確かそう言ってたな」

エミカ「さあ、ダジヤ、起きるんだ」

タジヤ「う…うう…」

アルジ「起きたか」

タジヤ「…うーん……」

アルジ「おい」

タジヤ「………」

アルジ「おい…」

タジヤ「………」


だが、すぐにまた眠ってしまう。


リネ「体がかなり弱っているようです。

 目立ったケガはありませんが、

 森で寝ていたなら無理もないでしょう」


リネはタジヤの体に手をかざす。

治療魔術を使った。

タジヤの体は、柔らかい光に包まれる。

青ざめていた顔は次第に生気を取り戻す。

そして、ゆっくりと目を開けた。


タジヤ「ここは…どこだ?」

アルジ「森の中だ」

タジヤ「…森…?」

エミカ「迷子になってたんだ。思い出したか?」

タジヤ「…分かんないな…」

リネ「記憶がはっきりしないようですね」

タジヤ「お母さんは?お父さんは?どこ?」

ミリ「町にいるよ。

 私たちが連れていくから安心して」

タジヤ「…うん」


町へ戻るアルジたち。

リネが放った光る岩弾を目印にして歩く。

木々の間を通り抜ける。

ふらつくタジヤ。

アルジが背負う。

辺りはもうかなり暗い。

大きく日が傾いていた。


リネ「日沈までには戻りたいですね」

アルジ「そうだな」


岩弾を通過するたび、リネはそれを消す。

引き返してから34個目の岩弾を消したとき。


エミカ「追手か…」

ミリ「来てるね」

リネ(2人ともなかなか鋭いじゃない)

アルジ「オレが相手になろう」


背負っていたタジヤをリネに預ける。

勇気の剣を構える。


アルジ「さあ、来い!」


ガサガサと音を立て、現れたのはベキザル。

全部で5頭いる。


エミカ「手伝うぞ」

アルジ「大丈夫だ」


踏み込んで、斬り込む。

即断。

威嚇する間も与えない。

アルジは剛刃波状斬撃を繰り出した。

1頭、2頭、3頭と斬っていく。

流れるような動きで。

致命的な深さで。

肉も骨も斬りまくる。

◇ ベキザルAに953のダメージ。

◇ ベキザルBに984のダメージ。

◇ ベキザルCに991のダメージ。

◇ ベキザルA〜Cを倒した。

残るは2頭。

同時にアルジに跳びかかり、攻めてくる。

薄暗い視界の中、アルジは見切る。

その2頭の攻撃を。

かみつくのをかわして、斬り払う。

引っかくのをかわして、突き刺す。

どちらも急所を正確にとらえた。

◇ ベキザルDに1041のダメージ。

◇ ベキザルEに1107のダメージ。

◇ ベキザルD、Eを倒した。

◇ アルジたちは戦いに勝利した。

◇ アルジはレベルが上がった。(レベル12 → 13)


エミカ「いい技だ」

アルジ「まだまだやれるぜ」

エミカ「ふっ…そうか」

アルジ「おっと…」

エミカ「…!」


リネとミリを見る。

2人もベキザルと対峙していた。

タジヤはリネのそばで震えている。


アルジ「どうやら森の化け物を…

 本気にさせたみたいだな」

エミカ「とことんやるしかないようだ」


リネは王岩を放った。

巨大な岩石が空中に現れる。

周りの木々の枝葉を押しのけて。

驚き、見上げるベキザルたち。


リネ「落ちろ!!!!」


豪快に地に落とし、押しつぶす。

◇ ベキザルAに1046のダメージ。

◇ ベキザルBに1033のダメージ。

◇ ベキザルCに1017のダメージ。

◇ ベキザルDに1009のダメージ。

◇ ベキザルEに1028のダメージ。

◇ ベキザルFに1003のダメージ。

◇ ベキザルGに996のダメージ。

◇ ベキザルHに1016のダメージ。

◇ ベキザルA〜Hを倒した。

◇ アルジたちは戦いに勝利した。

◇ リネはレベルが上がった。(レベル24→25)


タジヤ「わーっ」

リネ「驚いた?すごいでしょ。

 でもね…うーん、威力は今一つ…」

アルジ(十分だろ…)


さらに11頭のベキザルが前方に現れる。

後方には17頭、同じくベキザル。

奇声を上げて威嚇する。

タジヤはリネの脚にすがりつく。


タジヤ「お姉ちゃん!」

リネ「大丈夫、大丈夫だから。安心して。

 みんなとても強いから大丈夫だよ」

タジヤ「うう…」


やまない奇声に囲まれる。

日は沈み始め、辺りはさらに暗くなる。


アルジ「…やかましいぜ」

ミリ「分からせるまでやろうよ。

 戦ったって無駄だって」

アルジ「そうだな」


ベキザルの奇声が響き続ける。

逃げ出す様子はまるでない。


エミカ「攻めてくるのなら、やるしかないな」

アルジ「徹底的にやろうぜ」

リネ「みなさん、そのとおりですよ」

アルジ&エミカ&ミリ「………」

リネ「魔獣はすべて残らず駆除しましょう」

アルジ&エミカ&ミリ(1番過激…)


ベキザルとの戦いは最終局面を迎える。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 13

◇ HP   494/628

◇ 攻撃

 21★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★

◇ 防御  15★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 13★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 装備  勇気の剣、銀獣の鎧

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 12

◇ HP   403/516

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 11★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔樹の杖、深紅の魔道衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海


◇ ミリ ◇

◇ レベル 10

◇ HP   315/408

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  7★★★★★★★

◇ 素早さ 9★★★★★★★★

◇ 魔力

  23★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★

◇ 装備  魔石の杖、紺碧の魔道衣

◇ 魔術  氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷


◇ リネ ◇

◇ レベル 25

◇ HP   751/883

◇ 攻撃   7★★★★★★★

◇ 防御

 17★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 28★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、創造の杖、聖星清衣せいせいせいい

◇ 魔術  雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 25


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ベキザル ◇

◇ レベル 13

◇ HP   766

◇ 攻撃  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 10★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 魔術  火弾

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