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アルジ往戦記  作者: roak
53/300

第53話 王氷

何かを運ぶ4頭のベキザルたち。

アルジたちは追いかける。


アルジ「なんだ?一体何を運んでるんだ?」

エミカ「なんだろう?」


遠くてよく見えない。


アルジ「丸太か…?」

エミカ「違うんじゃないか」


ベキザルたちはスルスルと森の中を移動する。

転ぶことも、つまずくこともない。

大きなものを運んでいるにもかかわらず。

少し目を離せば、たちまち見失いそうになる。

注意して追い続けるアルジたち。

アルジが先頭を走る。

エミカがそのすぐ後ろを走る。

リネとミリも懸命に走る。

だが、遅れ始めていた。


アルジ「獣か?」

エミカ「いや、獣にも見えない!」


さらに森の奥深くへ。

アルジたちは走り続ける。

じりじりと距離は縮まっていく。

赤い体毛。

短い尻尾。

ベキザルの姿がはっきり見えてくる。

そして、運んでいるものの形も。


アルジ「服だ!服を着てる」

エミカ「人だ!!小さな子だ」

ミリ「…!!」


ミリは息を切らして走っている。


ミリ(お願い!!生きてて!必ず助けるから!)


ベキザルたちは気づいていない。

アルジたちに追われていることに。

子どもを運ぶのに必死。

傷つけないよう大切に運んでいる。


エミカ「多分あれが迷子の子だ!」

アルジ「やつらに捕まったのか!」

エミカ「ぐったりしてる!

 花の香りにやられたか…!

 それとも…攻撃されたのか!」

ミリ「!!」


ミリがアルジとエミカに追いつく。


アルジ「ミリ!!」

ミリ「助けなくちゃ!行こう!!」


その後ろ。

リネは走りながら岩弾を地面に落とす。

それはもう243個目の岩弾。

暗い森の中、それは光り続ける。


リネ(ねえ、みんな。どこまでいくの…?

 300個ぐらいまでならなんとか行けるけど…

 そうなると、ほかの魔術はもう…)


さらに森の奥へ。

深く、さらに深く、進んでいく。

ベキザルたちは立ち止まらない。

スルスルと進み続ける。


アルジ「どこ行った!!?」

ミリ「あれ!?」


見失いそうになる。

だが、エミカがすぐに見つける。


エミカ「あっちだ!!!」


そして、287個目の岩弾をリネが落としたとき。


ベキザルたち「ファー!ファー!!」


森の中で立ち止まり、叫ぶベキザルたち。

子どもは担いだまま。

木々の向こうから1頭の獣が姿を現す。

強い魔力を身にまとった巨大な獣が。

真っ赤な体毛と真っ黒な皮膚。

丸太のような腕と脚。

頑強な胴体は岩壁を思わせる。

大きく長い鼻が印象的。

黄色の目玉がカッと開かれ、ギラリと光る。


アルジ「あれも…ベキザルなのか…?」

エミカ「多分…そうだ。

 でも、違う。違い過ぎる…!

 体の大きさだけじゃない。魔力の強さが!

 今までのベキザルとは違い過ぎる!」

ミリ「ああ…助けなきゃ…!」

リネ「とうとう親玉が出てきましたね」


その獣は、ベキザルの長。

ベキザルは群れをなして森に生息する。

群れの頂点に立つのがベキザルの長。

まだ幼獣の頃に群れの中で選ばれる。

体が大きく、強く育つ1頭が。

その群れの、そのときのベキザルの長によって。

そして、選ばれた幼獣は特別な扱いを受ける。

栄養が豊富な餌を毎日与えられる。

谷底に落とすなど過酷な試練も与えられる。

そして、やがてそれは群れの頂点に立つ。

その群れの長を倒したときに。

体の大きさは、普通のベキザルの約2倍。

成長するにつれて鼻が巨大化する。

巨大化した鼻こそが、群れの長であることの証。


リネ「化け物と呼ばれる理由が分かりますね」

アルジ「ああ、誰も森に入らなくなるわけだ!」


4頭のベキザルは興奮している。


ベキザルたち「ファー!ファー!」


子を頭上へ持ち上げる。

供え物を差し出すように。


ベキザルの長「ファーーーー!!!」

アルジ「まずい!」

エミカ「行くぞ!」

ミリ「うん!」


ベキザルの長が大きな口を開ける。

今まさに子どもにかみつこうというとき。


エミカ(火砲!!!)


杖から飛び出す4つの炎の塊。

4頭のベキザルそれぞれに命中する。


リネ(素晴らしい!!)


子どもに当たらないように火砲は放たれた。

繊細な魔力の制御によって。


ベキザルたち「ヒギー!!」


体毛を焼かれ、転げ回る4頭。

◇ ベキザルAに413のダメージ。

◇ ベキザルBに473のダメージ。

◇ ベキザルCに488のダメージ。

◇ ベキザルDに466のダメージ。

子どもが落ちる。

アルジが駆けつけ、素早く抱え上げる。

ベキザルの長の腕が振り下ろされる。

鋭く大きな爪が、アルジの背中を襲う。


エミカ(させるか…!火樹!!!)


燃え盛る炎がベキザルの長を焼く。

◇ ベキザルの長に966のダメージ。


ミリ「アルジ!離れて!!一気に決める!」

アルジ「ああ!」

ミリ(凍りつけ!!!)


恐ろしく冷たい風が吹く。

ベキザルは強烈な冷気の波に飲まれる。

見る見る動きが鈍くなり、やがて止まった。

ガチガチに凍りつき、石像のように動かない。

ミリは魔術を解き、冷気は消えていく。

立ったままの5頭。

それらの生命活動は完全に止まっていた。

◇ ベキザルAに1327のダメージ。

◇ ベキザルBに1443のダメージ。

◇ ベキザルCに1406のダメージ。

◇ ベキザルDに1421のダメージ。

◇ ベキザルの長に1216のダメージ。

◇ ベキザルA〜Dを倒した。

◇ ベキザルの長を倒した。

◇ アルジたちは戦いに勝利した。

◇ エミカはレベルが上がった。(レベル11→12)

◇ ミリはレベルが上がった。(レベル9→10)

ミリが繰り出した氷の魔術。

アルジたちはその威力に驚く。


アルジ「おい、さっきの強過ぎないか?」

ミリ「言ったよね。今日は調子がいいって!」

エミカ「すごい…」


リネの額には汗。


リネ「ミリ!」

ミリ「…え!?」


ミリをまっすぐ見つめるリネ。


ミリ「な…なんですか?」

リネ「こっちへ来て!」


◇ ミリは王氷を習得した。



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 12

◇ HP   494/557

◇ 攻撃

 19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  15★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 装備  勇気の剣、銀獣の鎧

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、朔月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 12

◇ HP   403/516

◇ 攻撃  9★★★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 11★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  20★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔樹の杖、深紅の魔道衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海


◇ ミリ ◇

◇ レベル 10

◇ HP   315/408

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  7★★★★★★★

◇ 素早さ 9★★★★★★★★

◇ 魔力

  23★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★

◇ 装備  魔石の杖、紺碧の魔道衣

◇ 魔術  氷弾、氷柱、氷乱、氷渦、王氷


◇ リネ ◇

◇ レベル 24

◇ HP   751/751

◇ 攻撃   7★★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 11★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、創造の杖、聖星清衣せいせいせいい

◇ 魔術  雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 25


◇◇ 敵ステータス ◇◇

◇ ベキザルの長 ◇

◇ レベル 25

◇ HP   1956

◇ 攻撃

  24★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★★★★

◇ 防御

  24★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★

◇ 素早さ 16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

 21★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

  ★

◇ 魔術  火弾、火球、火砲


◇ ベキザル ◇

◇ レベル 13

◇ HP   766

◇ 攻撃  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 10★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 魔術  火弾

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