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アルジ往戦記  作者: roak
51/300

第51話 真似

アルジはエミカたちの方へ走って戻る。


アルジ「警備隊だ!たくさんいた!

 全員寝てるぜ!!」

リネ「やっぱりそうですか」

アルジ「花の匂いにやられちまったみたいだ」

リネ「近くを歩いてしまったんですね」

エミカ「モムリソウの花を知らなかったのか」

ミリ「助けよう」

リネ「ええ、もちろん。

 香りが届かないところまで運び出せば、

 目を覚ましてくれるかもしれません」

アルジ「担いで運び出すには数が多いぜ」

リネ「任せて」


リネが懐から袋を出す。

ラアムとナアムの入った袋を。


リネ「乗せて運び出しましょう。

 エミカもミリもやってくれる?」

エミカ&ミリ「はい」

アルジ「乗せるのはオレがやろう」

リネ「香りを吸わないように気をつけて」


4人は乗る。

アルジとリネがラアムに。

エミカとミリがナアムに。

息を止めて2頭で向かっていく。

モムリソウが咲き、警備隊員たちが眠る場所へ。

アルジがラアムから降りる。

警備隊員を背負い、乗せていく。

リネのラアムに、エミカとミリのナアムに。

乗せ終えると、すぐにその場から離れる。


リネ「この辺なら大丈夫でしょう」


乗せていた警備隊員をアルジが下ろす。

再び花の咲く場所へ行き、運び出す。

何往復もそれを繰り返す。


アルジ「もう誰もいないな」

エミカ「ああ、1人もいない」

ミリ「ふー、緊張した」

リネ「お疲れ様でした」


眠っていた全員を運び出した。

しばらく様子を見ていると、彼らは目覚める。

1人、また1人と。


警備隊員A「君たち、助けてくれてありがとう」

アルジ「大したことないぜ」

警備隊員B「いつの間にか眠ってしまった」

警備隊員C「恐ろしい花だ」

警備隊員D「とんだ失態だ。申し訳ない」


警備隊員は全部で24人。

彼らに連れてこられた体力自慢の若者が3人。

幸いなことに負傷者はなかった。

だが。


アルジ「子どもはいないか…」

リネ「いませんでしたね」


警備隊員たちは口々に言う。


警備隊員D「もっと奥に行ったのかもしれない」

警備隊員C「オレたちも…かなり探した」

警備隊員B「探すのに夢中で花に気づかず…」

アルジ「分かった」

ミリ「この近くにはいないってことだね」


リネが小さくうなずいて言う。


リネ「進みましょう」

エミカ「でも、モムリソウが…」

ミリ「花は向こうまでずっと咲いてますよ」

リネ「仕方ありません。このような状況では…」

アルジ「…?」

リネ「焼くのです」

エミカ「焼く…」

リネ「エミカ、あなたの魔術で焼き払うのです」

エミカ「でも、そんなことをしたら…」

リネ「大丈夫」

アルジ「大丈夫って…火事になるんじゃないか」

ミリ「私がいるよ」

アルジ「ああ…」

リネ「そうです」

エミカ「………」

リネ「心苦しいですが、そうするしかない」


エミカは杖を強く握る。

アルジ、リネ、ミリが後ろで見守る。

警備隊員たちはさらにその後ろで見ている。


エミカ(火砲では…どうか?いや、足りない。

 あのたくさんの花を焼き尽くすには…

 全然足りない…。それなら…)


高まる集中力。

集まる魔力。

緊張感で空気がはりつめる。

杖を大きく振り上げる。


エミカ(吹き飛べ!!)


巻き上がる炎。

燃え盛る地面。

目の前は瞬く間に火の海に。


アルジ「すげえ!」

リネ「見事です」

警備隊員たち「!!!!?」

ミリ「私の出番だね!」


モムリソウを焼きながら広がっていく炎。

その猛烈な炎をミリが鎮める。

恐ろしく強い冷気で。

目の前に大きな冷気の渦が広がる。


ミリ(冷えて固まれ!!)


炎は冷気の渦に飲まれる。

勢いを失い、消えていく。

残ったのは、ひんやり冷えた黒焦げの地面。

近くの木々の幹や根も黒くなって冷えていた。


エミカ「あの炎をすぐに消すなんて…やるな」

ミリ「エミカもね」

アルジ「どっちの魔術もやばいな」

リネ「また成長しましたね」


◇ エミカは火海を習得した。

◇ ミリは氷渦を習得した。

アルジは警備隊員たちを見て言った。


アルジ「聞いてくれ。オレたちはさらに進む」

警備隊員たち「………」

アルジ「あんたたちはもう帰った方がいい」

警備隊員たち「………」

リネ「この先に魔獣がいるのです」

警備隊員たち「…!!」

エミカ「どれぐらい強いかは分からない」

ミリ「ベキザルがいるかも」

警備隊員たち「………」

アルジ「だから、帰った方いいぜ」

リネ「光る石を目印として落としてきました。

 それらをたどれば迷わずに森から出られます」

警備隊員A「心苦しいが…」

警備隊員B「我々は…ここで帰るとしよう」

警備隊員C「そうだな…魔獣に出てこられては…」

警備隊員D「すまない。あとは任せた」


警備隊員が去ろうとしたとき。


男の声「ちょい待てやあ!!!」


体格のよい3人の男たちがやって来る。

彼らは警備隊が連れてきた若者たち。


男A「偉そうにしてんじゃねえぜ!おい!!」

男B「帰った方がいいだと?ざけんな!!」

エミカ(さっきまで寝てたくせに…)

男C「おい!偉そうになんだ!おい!!」

警備隊員A「おい…!よさないか!!」

アルジ「…ふっ」


アルジは笑った。


男A「ああ!?何笑ってんだ!てめえ!!」


その男は木剣を握り、アルジに向ける。


男A「やるか?おい!やるか?おい!!」

男B「てめえ!勝負だ!!」

男C「来やがれ!」

アルジ(こいつらは…

 力で分からせなきゃだめか…)


アルジは前へ出て剣を振る。

次の瞬間、1人の男の木剣を斬り飛ばした。


男A「…は?」


木剣の断片は回転しながら地に落ちた。

アルジは新技、朔月斬りを見舞った。


警備隊員A(今…あいつが斬ったのか?

 よく見えなかったが…)

男B&C「………」

アルジ「オレの攻撃が見えたか?」

男A「…!」

アルジ「見えなかっただろ。これが力の差だ」

男A「ぐ…!」

アルジ「まだやるつもりか?…やめとけ。

 この先どんな化け物が出てくるか分からない。

 お前たちを守る余裕なんてない」

男A&B&C「…………」

警備隊員A「さあ、ここは帰ろう!帰るぞ!」


警備隊員たちは去っていく。

警備隊員に引っ張られ、男たちも立ち去る。


エミカ「決まったな」

リネ「見事な技です」

ミリ「エオクシさんの真似だったけどね」

アルジ「…!」

ミリ「でも、よかったよ」

アルジ「…そっか。さあ、行こうぜ!」


さらに森の奥へ進むアルジたち。

焼けた土を踏んでいく。

深い森は続いている。

再び前方に白い花が見えてきた。

モムリソウだった。


エミカ「たくさん咲いてるんだな」

リネ「そのようですね」

ミリ「全部焼いて進んだら、魔力が尽きちゃうね」

リネ「待って!」


リネの大きな声で立ち止まるアルジたち。


リネ「来ます。魔獣が。向こうの方から来ます!」

ミリ「強い魔波だ!」

エミカ「何頭もいるみたいだな」

アルジ「ベキザルのお出ましか」



◇◇ ステータス ◇◇

◇ アルジ ◇

◇ レベル 11

◇ HP   494/494

◇ 攻撃

 18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 防御  14★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 12★★★★★★★★★★★★

◇ 魔力  3★★★

◇ 装備  勇気の剣、銀獣の鎧

◇ 技   円月斬り、剛刃波状斬撃、 朔月斬り


◇ エミカ ◇

◇ レベル 10

◇ HP   403/403

◇ 攻撃  8★★★★★★★★

◇ 防御  12★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 10★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  18★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔樹の杖、深紅の魔道衣

◇ 魔術  火球、火砲、火樹、火海


◇ ミリ ◇

◇ レベル 8

◇ HP   315/315

◇ 攻撃  4★★★★

◇ 防御  7★★★★★★★

◇ 素早さ 9★★★★★★★★

◇ 魔力

  19★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 装備  魔石の杖、紺碧の魔道衣

◇ 魔術  氷弾、氷柱、氷乱、氷渦


◇ リネ ◇

◇ レベル 24

◇ HP   751/751

◇ 攻撃   7★★★★★★★

◇ 防御  16★★★★★★★★★★★★★★★★

◇ 素早さ 11★★★★★★★★★★★

◇ 魔力

  26★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

   ★★★★★★

◇ 装備  天界石の杖、創造の杖、聖星清衣せいせいせいい

◇ 魔術  雷弾、雷砲、雷柱、王雷

      岩弾、岩砲、岩壁、王岩

      光玉、治療魔術、再生魔術、蘇生魔術


◇ 持ち物 ◇

◇ 治療薬 25

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